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テーマ:ゲームや漫画の二次創作(39)
カテゴリ:【小説】受け継ぐ者
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※この小説は、茅田砂胡さんの小説『スカーレット・ウィザード』 『デルフィニア戦記』『暁の天使たち』『クラッシュ・ブレイズ』 を主軸とし、オリジナルキャラを主人公とした二次創作です。 ●茅田さんの小説のイメージを壊したくない。 ●キャラが本命以外(オリキャラ)と関係するは許せない! と思われる方は、読まれないようにお願い致します。 読まれた後の苦情は、うけつけませんので、ご了承ください。 ========================================================= 母に連れられて行った場所。 そこがどこだったのかはさすがに忘れてしまったけれど、そこで出会ったヒトのことは、忘れることなどできそうにはなかった。 『受け継ぐ者』 【アーナの章】1 ※この章も前置き――前章に入ります。 それは、確か9歳のときだったと思う。 私に会いたいと言っているヒトがいるのだと、母がにっこりと笑い、夏の休暇中に母と一緒に宇宙船に乗った。 そして、出会ったのは、大きなヒトだった。 真っ赤な髪が印象的だったけれど、何よりその大きな身長に驚いた。 父と同じくらいに大きなヒトを、そのとき、生まれて初めて見た。 そして、そのヒトが、女のヒトだということに、また、驚いた。 失礼なことだと思って、真っ赤になって謝った私に、そのヒトは豪快に笑い、「気にしていない」と言ってくれた。 そして、私の目の高さにあわせて膝をついて、にっこりと笑ってくれた。 「初めまして、アーナ。私はジャスミンと言う。そして、これがダニエル――君の弟だ。」 そう言って、アーナの目の前に差し出されたのは、ふっくらした頬、茶色いふわふわ髪、青い瞳をしたもうすぐ1歳になる小さな赤ん坊だった。 その愛らしさに一目に赤ん坊のとりこになったアーナは、その小さな手にそっと触れてみた。 すると、赤ん坊は、キュッと、アーナに手を握ってきた。 ビックリしたけど、それが嬉しくて、満面の笑みになったアーナに、赤ん坊はキャッキャと笑った。 「ほう。ダニエルはアーナを気にいったらしい。」 そう、嬉しそうにいったその女性は、そのままアーナの腕に赤ん坊を預けてきた。 その行動にまたびっくりして、思わず遠慮しようとしたアーナに、女のヒトは強引にダニエルを渡してくる。 赤ん坊を抱っこすることに興味がなかったわけではなかったので、恐る恐るアーナはダニエルを受け取ると、まだ小さいとはいえ、ずっしりとした重みが腕に掛かった。 落とすわけにはいかない、と、小さいながらにアーナは必死に、真剣にダニエルを抱えた。 ダニエルは、そんなおっかなびっくりのアーナの心情を分かっているのかいないのか、嬉しそうにアーナの顔に向かって「あー!」と手を上げてきた。 「カワイイ。」 つぶやいたアーナの言葉に、女のヒトはにっこりとそれはそれは嬉しそうに笑ったのだった。 * * * その時から、ダニエルが自ら出奔するまでの10数年の間、公にはできないまでも、ダニエルとの姉弟として、公には、少し年の離れた友人としての、絆を深めていくことになる。 ――ジャスミンいえば、出会いからほんの3年の後、亡くなったと聞かされた。 アーナ自身も、ジャスミンの友人の娘として、そして、ダニエルの友人としてお葬式には出席したものの、ダニエルの側についていてあげるようにと母に言われ、そして、表立っては父とは呼べない父にも、そうしてやってくれと頼まれて、彼女を見送ることができなかった。 アーナに必死に甘えてくるダニエルを、ただ、ギュッと抱きしめてあげることしか、そのときのアーナにはできなかった。 ≪続く≫ ************************************** アーナとジャスミンの出会いはあっさりと(笑) ダニエルはアーナとの関係を知っていることにしました。 そんでもって、お姉ちゃん子を希望(^^;) これもまた、今後のストーリーの前置きの段階で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.08.22 12:07:50
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