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テーマ:ゲームや漫画の二次創作(39)
カテゴリ:【小説】時の迷い人
================================================== こちらは『戦国BASARA(2)』の世界にトリップ!の ドリーム小説(名前変換なし)です。 ●キャラのイメージを壊したくない。 ●ドリーム小説は受け付けない。 そういう方は、読むのをご遠慮ください。 読まれた後の苦情はうけつけません。 ※ストーリー上、伊達政宗の性格が酷いです。 政宗ファンの方はご注意ください。 ================================================= 【時の迷い人】 ~2~ 男は、朝靄の森の中を歩いていた。 男――カゴ吉は、すでに齢50を超えた、猟師だった。 カゴ吉にとって、この森は、生まれたときから知っている、自分の庭といってもいいくらい、知り尽くした場所だった。 だが、今朝は何かがいつもと違っていた。 ――いや。 正確に言えば、昨晩から。 月の無い夜だった。 夜になって、雲が出てきたのか、星さえも見えず、全くの闇夜だった。 だが、それだけであれば、珍しいことではなかった。 ただ――。 森が呼んでいる。 そんな、不思議な感覚がした。 長年愛用している狩猟用の弓を握りなおす。 また、「あいつら」が森に隠れているのだろうか……? いや、そんな不快な感覚ではない。 では、なんだ? 自問自答をしながらも、もくもくを足を進めるカゴ吉は、川べりの大樹の元にうずくまる何かを見つけた。 靄の所為で、形がはっきりとは見えないが、割りと大きい。 (……鹿か?) 弓を構えるようにしながら、足音を忍ばせ、獲物が見える角度へと移動する。 ねらいを定めるように、うずくまっているモノを睨みつけるが、何かがおかしい。 カゴ吉の猟師としての勘が、これは獲物ではないと訴える。 弓を下ろしてみたものの、万が一、襲い掛かられてはいけないので、腰に下げていた鉈を握り締めながら、気配を殺して近寄ってみると――。 そこにいたのは、10を少しばかり超えたかと思われる少女。 夏とはいえ、この早朝。 気温もそれほど高くなく、肌寒ささえ感じるというのに、少女は袖の無い胴着を着、薄っぺらいはかま姿で、眠っていた。 ……泣きながら寝たのだろうか? 頬には涙の後があり、両手は何かを求め、握り締めるようにぎゅっと握り締められていた。 なぜ、こんなところに、幼いともいえる少女が眠っているのか、カゴ吉には理解できなかったが、このままにしておくわけにもいかない。 肩を揺さぶるようにして、声をかける。 「おい。」 しばらくゆすってみるが、少女が起きる気配はない。 ため息をつき、カゴ吉は少女を抱き上げた。 このまま放って置いて、獣にでもかぎつけられたら、大変なことになる。 カゴ吉が見つけるまで無事だったこと自体、幸運なことだった。 意識のない少女を、自分のような無骨な男が連れて行くのは、あまり好ましくないかと思われたが、この場合は仕方が無いと、カゴ吉は自分の家へ連れ帰ることにした。 この場所はいつも通る場所だ。 少女が「ここに戻りたい」と言えば、つれてきてやればいい。 そう考えて、カゴ吉は歩き出した。 その振動を感じたのだろうか? 少女は、「う……ん……。」と声を出した。 「……起きたか?」 だが、カゴ吉の声に少女は応えることなく、ただ、手だけをさまよわせ、カゴ吉の上着の襟に触れるとそのままぎゅっと握り締めた。 「……お、とーさん……。」 そう、つぶやきながら、少女はそのまま、また、深いに眠りについたようだった。 父を待っていたのだろうか? では、その父は? この場所から動かさない方がいいのか? カゴ吉の中で、答えの無い問いがグルグルとまわる。 だが、しばらくそうやって考えながらも待ってみたが、少女の父らしい人間の気配は、露とも感じられなかった。 少女は、カゴ吉の上着を放す様子もなければ、起きる気配もない。 カゴ吉は、もう一度息を吐くと、今度は躊躇せずに、少女を抱いたまま、家へと歩き出した。 遠い昔、自分を父と呼んだ子供のことが、――脳裏をかすめた。 そういえば、あの子は、この少女と同じくらいの年齢だった。 ――永遠に時間を止めてしまった、自分の息子は……。 記憶の中、色あせることなく映し出される子供の笑顔。 ふっと自嘲するように笑ったカゴ吉は、しっかりと少女を抱えなおすと、足を速めたのだった。 [続く] **************************************** オリキャラ主人公、これまたオリキャラに拾われました! ここで、バサラのキャラ出してもよかったんですが、まあ、好みの問題で(笑) シリアスです。 はい! シリアス大好きです♪ ギャグをお求めの方は、申し訳ありませんが、諦めていただけますよう、お願いします。 …男の名前については、つっこみなしで。 「カゴ吉」さん。最初は、漢字で「籠吉」としてました。 …本気で深い意味はありません。 なんとなく思いついた名前。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.08.20 18:17:28
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