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2008.08.17
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こちらは『戦国BASARA(2)』の世界にトリップ!の
ドリーム小説(名前変換なし)です。
●キャラのイメージを壊したくない。
●ドリーム小説は受け付けない。
そういう方は、読むのをご遠慮ください。
読まれた後の苦情はうけつけません。

※ストーリー上、伊達政宗の性格が酷いです。
 政宗ファンの方はご注意ください。
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【時の迷い人】 ~2~



男は、朝靄の森の中を歩いていた。
男――カゴ吉は、すでに齢50を超えた、猟師だった。

カゴ吉にとって、この森は、生まれたときから知っている、自分の庭といってもいいくらい、知り尽くした場所だった。

だが、今朝は何かがいつもと違っていた。

――いや。

正確に言えば、昨晩から。

月の無い夜だった。
夜になって、雲が出てきたのか、星さえも見えず、全くの闇夜だった。

だが、それだけであれば、珍しいことではなかった。
ただ――。

森が呼んでいる。

そんな、不思議な感覚がした。

長年愛用している狩猟用の弓を握りなおす。

また、「あいつら」が森に隠れているのだろうか……?

いや、そんな不快な感覚ではない。

では、なんだ?

自問自答をしながらも、もくもくを足を進めるカゴ吉は、川べりの大樹の元にうずくまる何かを見つけた。
靄の所為で、形がはっきりとは見えないが、割りと大きい。

(……鹿か?)

弓を構えるようにしながら、足音を忍ばせ、獲物が見える角度へと移動する。
ねらいを定めるように、うずくまっているモノを睨みつけるが、何かがおかしい。

カゴ吉の猟師としての勘が、これは獲物ではないと訴える。

弓を下ろしてみたものの、万が一、襲い掛かられてはいけないので、腰に下げていた鉈を握り締めながら、気配を殺して近寄ってみると――。

そこにいたのは、10を少しばかり超えたかと思われる少女。

夏とはいえ、この早朝。
気温もそれほど高くなく、肌寒ささえ感じるというのに、少女は袖の無い胴着を着、薄っぺらいはかま姿で、眠っていた。

……泣きながら寝たのだろうか?

頬には涙の後があり、両手は何かを求め、握り締めるようにぎゅっと握り締められていた。

なぜ、こんなところに、幼いともいえる少女が眠っているのか、カゴ吉には理解できなかったが、このままにしておくわけにもいかない。

肩を揺さぶるようにして、声をかける。

「おい。」

しばらくゆすってみるが、少女が起きる気配はない。
ため息をつき、カゴ吉は少女を抱き上げた。

このまま放って置いて、獣にでもかぎつけられたら、大変なことになる。
カゴ吉が見つけるまで無事だったこと自体、幸運なことだった。

意識のない少女を、自分のような無骨な男が連れて行くのは、あまり好ましくないかと思われたが、この場合は仕方が無いと、カゴ吉は自分の家へ連れ帰ることにした。

この場所はいつも通る場所だ。
少女が「ここに戻りたい」と言えば、つれてきてやればいい。

そう考えて、カゴ吉は歩き出した。

その振動を感じたのだろうか?
少女は、「う……ん……。」と声を出した。

「……起きたか?」

だが、カゴ吉の声に少女は応えることなく、ただ、手だけをさまよわせ、カゴ吉の上着の襟に触れるとそのままぎゅっと握り締めた。

「……お、とーさん……。」

そう、つぶやきながら、少女はそのまま、また、深いに眠りについたようだった。


父を待っていたのだろうか?

では、その父は?

この場所から動かさない方がいいのか?


カゴ吉の中で、答えの無い問いがグルグルとまわる。

だが、しばらくそうやって考えながらも待ってみたが、少女の父らしい人間の気配は、露とも感じられなかった。

少女は、カゴ吉の上着を放す様子もなければ、起きる気配もない。

カゴ吉は、もう一度息を吐くと、今度は躊躇せずに、少女を抱いたまま、家へと歩き出した。



遠い昔、自分を父と呼んだ子供のことが、――脳裏をかすめた。

そういえば、あの子は、この少女と同じくらいの年齢だった。

――永遠に時間を止めてしまった、自分の息子は……。

記憶の中、色あせることなく映し出される子供の笑顔。


ふっと自嘲するように笑ったカゴ吉は、しっかりと少女を抱えなおすと、足を速めたのだった。




[続く]


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オリキャラ主人公、これまたオリキャラに拾われました!
ここで、バサラのキャラ出してもよかったんですが、まあ、好みの問題で(笑)

シリアスです。
はい!
シリアス大好きです♪

ギャグをお求めの方は、申し訳ありませんが、諦めていただけますよう、お願いします。


…男の名前については、つっこみなしで。

「カゴ吉」さん。最初は、漢字で「籠吉」としてました。
…本気で深い意味はありません。
なんとなく思いついた名前。







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最終更新日  2008.08.20 18:17:28
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