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2008.09.10
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この小説は、PS2【真・三国無双】を元にした二次創作です。
立志モードを主軸?にしており、オリキャラ視点で進みます。
オリキャラは、趙雲を崇拝しております。
ご了承いただける方だけ、お読みください。
*****************************





あの人は知らない。

一瞬目が合っただけの私のことなど、覚えていないに違いない。

けれど、私は忘れない。
あの瞳が忘れさせてくれない。
……忘れられない。

命を救ってもらったこと。
深い瞳に吸い込まれそうになったこと。
どれだけ遠くに離れても、彼の勇士に目が離せなかったこと。

――たった一瞬の邂逅で、命を掛けてもいいと思ったこと……。



【ただ、側に…】



劉備様の城下で、戦争の度に出陣される姿、そして、凱旋される姿を見ているだけで、最初は満足だった。

けれど、一度、目立つところに怪我をされている姿を見たとき、「ああ、あの方も人だもの。いつか――。」という事に気が付いた。

……気付いたら、もう、平静ではいられなかった。


 * * *


「そなたたちは、私、趙子竜の軍に配属された。皆の活躍に期待している。」

あこがれの趙将軍を目の前に、私は歓喜で震える体を抑えるのに必死だった。

趙将軍の姿が見たくて、側に行きたくて、私にも何かできることがあれば、と、兵として志願したのは1月前。

軍に所属していた父に習って、おてんばだ、男女だと言われながらも、影で武術を学んでいたのが幸いしたのか、私は劉備様の軍に、もちろん一兵卒ではあったが、従軍することが許された。

さらに、私にとって幸運なことに、趙将軍の部隊に配属されたのだ。

声が聞こえる。

十派一絡げとは言え、間違いなく趙将軍は私――乍凛花を視界に入れてくれている。

それだけで、そんなことが、嬉しかった。


 * * *


戦ということは、命を奪うこと。
――そして、奪われること。

先ほどまで、共に笑い、共に過ごしてきた仲間が、倒れても、そこで嘆き悲しんではいられない。

歯を食いしばり、彼らに振り返りたいのを我慢して、私は趙将軍の背中だけを追う。

露払いにもならないかもしれない。

それでも、趙将軍を討ち取ろうと向かってくる敵兵を、1人でも多く討ち取る。

そして、自分の命を諦めない。

それが私の精一杯。


――そう、思っていた。


 * * *


その戦は、殆ど乱戦状態だった。

敵味方が入り乱れ、鎧の色でかろうじて敵味方を判断しているような状況だった。

気が付くと、趙将軍の姿が見えなかった。

敵の砦の近くだったので、先に内部に入っていったのかもしれない。

私も続こうと、砦への道を切り開こうとしたそのとき――。


何人かの聞き覚えのある叫び声や悲鳴と共に、今までに感じたことの無いような気配を感じて、ハッと振り向いた。


そこにいたのは敵方の将軍。

凛花の仲間を何人も切り伏せ、血にぬれた剣を構えて凛花のすぐ後ろにまで迫っていた。

振り下ろされる剣を間一髪避けて、凛花は武器を構える。

凛花の武器は、身軽さ。
それを重視した比較的軽い細身の剣。

敵将軍の強剣の前には、とても頼りなく感じられた。

けれど、諦めるわけにはいかない。

このまま、砦の中へ進ませるわけにはいかない。

この中では、おそらく間違いなく、趙将軍が戦っているのだから。

ギュッと歯を噛み締め、再び襲ってくる剣を避けながら、凛花も剣を振る。

凛花の剣が、敵将軍の肩を切り裂き血が飛んだ。

たかが雑兵と侮っていたらしい敵将軍は、思わぬ反撃に憤怒の表情を凛花に向けてきた。

そこからは、ただ夢中だった。

ただ、「死にたくない」と、「ここを進ませたくない」と、ただ、それだけ。

痛みも感じず、聴覚もどこかがおかしかった。

ただ必死で。

自分の息遣いと心の臓の音だけがうるさかった。


感覚が通常に戻ったのは、自分の剣が、相手の喉に突き刺さった瞬間だった。


どうして、こんなことができたのか、自分でも不思議だった。


ゴボリと血を吐いて倒れる相手を、ただ呆然と見詰めてしまった。

自分が生きていることが、将軍という称号を持つ相手に真っ向から勝負して勝てた自分が、なぜか信じられなかった。


無事、勝ち戦となった今回、凛花は趙将軍に声を掛けられた。

「乍凛花。今回の勝ち戦、そなたの活躍によるものが大きい。これからもそなたの活躍、期待している。」


嬉しかった。

いくら敵将を討ち取ったとはいえ、殆ど偶然に近い出来事。

なのに、その末席に近い1人の兵士に対して、将軍が直に話かけてくれるなんて、思ってもみなかった。

泣きたいくらいに嬉しくて、ジワリと涙が瞳に浮かんだ。

だから、下げた頭を中々上げることができなかった。

それに気付いたのか、それとも気付いていなかったのかわからなかったが、趙将軍は、ちょっとだけ困ったように、それでいてとても優しい表情で、凛花に笑いかけてくれた。

それが、また、嬉しくて、凛花は改めて、趙将軍のためにこれからも命を掛けて働こうと、心に堅く誓ったのだった。


この方の下で、これからも働ける。

それが、怖いくらいに嬉しくて幸せだった。


[END]


******************************


ちょっと、はまるには遅い?けど、現在はまり中の【真・三国無双】の立志モードやって、思いついた小説です(笑)

会社の友人は皆ゲームやらない上に【三国志】も知らなくて、曹操、劉備の名前すら通じなくてちょっと悲しい。。。
まあ、私も学生時代に歴史でやった以上のことは、漫画版の三国志演技を読んだだけなんですけどね(^^;)
で、とりあえず、キャラを見せて、ちょっとだけ三国志について説明してみたら、美周郎より、趙雲の方がカッコイイという結論に陥りました(笑)

…だって、キャラの顔が確かにそうなんですから仕方ないですよね?(単に好みの問題??)

まだまだ、全然クリアできてませんが、ちょっとずつ頑張っていこうと思ってます。

…この系統のゲームは好きなんですが、下手、です(爆)

【戦国BASARA】しかり…。。。

どうしてもクリアできないときは、旦那に押し付けるに限る!!







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最終更新日  2008.09.16 15:44:38
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