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テーマ:ゲームや漫画の二次創作(39)
カテゴリ:その他小説(短編?)
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この小説は、PS2【真・三国無双】を元にした二次創作です。 立志モードを主軸?にしており、オリキャラ視点で進みます。 オリキャラは、趙雲を崇拝しております。 ご了承いただける方だけ、お読みください。 ***************************** あの人は知らない。 一瞬目が合っただけの私のことなど、覚えていないに違いない。 けれど、私は忘れない。 あの瞳が忘れさせてくれない。 ……忘れられない。 命を救ってもらったこと。 深い瞳に吸い込まれそうになったこと。 どれだけ遠くに離れても、彼の勇士に目が離せなかったこと。 ――たった一瞬の邂逅で、命を掛けてもいいと思ったこと……。 【ただ、側に…】 劉備様の城下で、戦争の度に出陣される姿、そして、凱旋される姿を見ているだけで、最初は満足だった。 けれど、一度、目立つところに怪我をされている姿を見たとき、「ああ、あの方も人だもの。いつか――。」という事に気が付いた。 ……気付いたら、もう、平静ではいられなかった。 * * * 「そなたたちは、私、趙子竜の軍に配属された。皆の活躍に期待している。」 あこがれの趙将軍を目の前に、私は歓喜で震える体を抑えるのに必死だった。 趙将軍の姿が見たくて、側に行きたくて、私にも何かできることがあれば、と、兵として志願したのは1月前。 軍に所属していた父に習って、おてんばだ、男女だと言われながらも、影で武術を学んでいたのが幸いしたのか、私は劉備様の軍に、もちろん一兵卒ではあったが、従軍することが許された。 さらに、私にとって幸運なことに、趙将軍の部隊に配属されたのだ。 声が聞こえる。 十派一絡げとは言え、間違いなく趙将軍は私――乍凛花を視界に入れてくれている。 それだけで、そんなことが、嬉しかった。 * * * 戦ということは、命を奪うこと。 ――そして、奪われること。 先ほどまで、共に笑い、共に過ごしてきた仲間が、倒れても、そこで嘆き悲しんではいられない。 歯を食いしばり、彼らに振り返りたいのを我慢して、私は趙将軍の背中だけを追う。 露払いにもならないかもしれない。 それでも、趙将軍を討ち取ろうと向かってくる敵兵を、1人でも多く討ち取る。 そして、自分の命を諦めない。 それが私の精一杯。 ――そう、思っていた。 * * * その戦は、殆ど乱戦状態だった。 敵味方が入り乱れ、鎧の色でかろうじて敵味方を判断しているような状況だった。 気が付くと、趙将軍の姿が見えなかった。 敵の砦の近くだったので、先に内部に入っていったのかもしれない。 私も続こうと、砦への道を切り開こうとしたそのとき――。 何人かの聞き覚えのある叫び声や悲鳴と共に、今までに感じたことの無いような気配を感じて、ハッと振り向いた。 そこにいたのは敵方の将軍。 凛花の仲間を何人も切り伏せ、血にぬれた剣を構えて凛花のすぐ後ろにまで迫っていた。 振り下ろされる剣を間一髪避けて、凛花は武器を構える。 凛花の武器は、身軽さ。 それを重視した比較的軽い細身の剣。 敵将軍の強剣の前には、とても頼りなく感じられた。 けれど、諦めるわけにはいかない。 このまま、砦の中へ進ませるわけにはいかない。 この中では、おそらく間違いなく、趙将軍が戦っているのだから。 ギュッと歯を噛み締め、再び襲ってくる剣を避けながら、凛花も剣を振る。 凛花の剣が、敵将軍の肩を切り裂き血が飛んだ。 たかが雑兵と侮っていたらしい敵将軍は、思わぬ反撃に憤怒の表情を凛花に向けてきた。 そこからは、ただ夢中だった。 ただ、「死にたくない」と、「ここを進ませたくない」と、ただ、それだけ。 痛みも感じず、聴覚もどこかがおかしかった。 ただ必死で。 自分の息遣いと心の臓の音だけがうるさかった。 感覚が通常に戻ったのは、自分の剣が、相手の喉に突き刺さった瞬間だった。 どうして、こんなことができたのか、自分でも不思議だった。 ゴボリと血を吐いて倒れる相手を、ただ呆然と見詰めてしまった。 自分が生きていることが、将軍という称号を持つ相手に真っ向から勝負して勝てた自分が、なぜか信じられなかった。 無事、勝ち戦となった今回、凛花は趙将軍に声を掛けられた。 「乍凛花。今回の勝ち戦、そなたの活躍によるものが大きい。これからもそなたの活躍、期待している。」 嬉しかった。 いくら敵将を討ち取ったとはいえ、殆ど偶然に近い出来事。 なのに、その末席に近い1人の兵士に対して、将軍が直に話かけてくれるなんて、思ってもみなかった。 泣きたいくらいに嬉しくて、ジワリと涙が瞳に浮かんだ。 だから、下げた頭を中々上げることができなかった。 それに気付いたのか、それとも気付いていなかったのかわからなかったが、趙将軍は、ちょっとだけ困ったように、それでいてとても優しい表情で、凛花に笑いかけてくれた。 それが、また、嬉しくて、凛花は改めて、趙将軍のためにこれからも命を掛けて働こうと、心に堅く誓ったのだった。 この方の下で、これからも働ける。 それが、怖いくらいに嬉しくて幸せだった。 [END] ****************************** ちょっと、はまるには遅い?けど、現在はまり中の【真・三国無双】の立志モードやって、思いついた小説です(笑) 会社の友人は皆ゲームやらない上に【三国志】も知らなくて、曹操、劉備の名前すら通じなくてちょっと悲しい。。。 まあ、私も学生時代に歴史でやった以上のことは、漫画版の三国志演技を読んだだけなんですけどね(^^;) で、とりあえず、キャラを見せて、ちょっとだけ三国志について説明してみたら、美周郎より、趙雲の方がカッコイイという結論に陥りました(笑) …だって、キャラの顔が確かにそうなんですから仕方ないですよね?(単に好みの問題??) まだまだ、全然クリアできてませんが、ちょっとずつ頑張っていこうと思ってます。 …この系統のゲームは好きなんですが、下手、です(爆) 【戦国BASARA】しかり…。。。 どうしてもクリアできないときは、旦那に押し付けるに限る!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.09.16 15:44:38
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