カテゴリ:妄想天国
青葉出版勤務、柚木 揚羽。
現在、垂れ下った両耳を掴んで、大混乱中だった。 数日前から、身体のだるさを感じていた。疲れがたまっているな、とは思ったが、だからと言って休めるわけじゃない。まして雲隠れしている作家がいるときに、のんびり休んでなんていられない。 「ようやく見つけましたよ、先生」 「あ…揚羽くん」 「僕から逃げていいと思ってるんですか?」 にっこりと笑うと、往生際悪くホテルの出口を見ていた男がガックリと肩を落とした。 「わ、悪かったよ…。でも何も書けなくて!」 「『何も書けない』なんて作家先生は口が裂けても言わないでくださいね」 変わらぬ笑顔のまま、脅しをかけると男は従順に口を閉じた。 「そんなにこのホテルが好きなら、一室借りてあげます。そこでじっくり考えましょうか。アレを恋人にばらされるのがいいか、それとも死ぬ気で1本書き上げるか」 「書きます、書きます! 書かせて下さいっ」 悲鳴のような男の声に満足した揚羽は、こちらを凝視していたフロント係に部屋を頼む。 哀れな作家は地獄のような缶詰の日々をしばらく送ることになった。 「ふんっ、自業自得」 居留守を使う作家ならまだマシ。こんな風にどこかへ雲隠れしようとする作家までいるから、気が抜けない。 「引きこもれっ」 と呪いの言葉を残して、揚羽はホテルを後にした。 あれだけ脅しておけば、単発の短い物だから数日で書き上がるだろう、と手帳を開いて予定日を確認する。彼はやる気になれば早いのに、やる気になる前に逃げようとするから始末が悪い。 「あとは、あの人のとこだな…」 ケホケホと軽い咳をしながら、手帳に書かれた「三智」という名前に、微かに胸がうずいた。 こんなところから始めるつもりじゃなかったのに…。 わりとキッチリお話になりそうな予感です。連続タイプは久しぶり、忘れられないうちに続きをかかないとというプレッシャーに負けないように頑張ります!! そういえば、今朝、地震がありました。 5時ちょっと過ぎ。そんな時間は熟睡の私ですが、何故か起きた 寝転がったまま「揺れてるな~、揺れてるよ~。ずいぶん長いけど、平気?」とぼんやりしながら過ごしました。 地震がおさまった頃に、ようやく頭が覚醒。 NHKで地震情報をチェックしました。 震度4だったらしいです。 初体験ですよ、震度4…。 寝てたから怖くなかったんだなきっと。起きてたらパニックだったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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