<中日>山崎「けじめ」…最年長野手、引退会見
毎日新聞7月29日(月)19時38分 今季限りでの引退を表明し、会見で笑顔を見せる中日・山崎=名古屋市中区で2013年7月29日午後3時9分、佐々木順一撮影 現役最年長野手の中日の山崎武司内野手(44)が29日、名古屋市内で記者会見し、今季限りでの現役引退を正式表明した。「体も元気で痛いところもない。正直、まだ何年も野球をやりたい気持ちがある。(3歳年上の)山本(昌)先輩より先にやめるのは悔しい」と未練を見せながらも、「次の(世代の)選手に夢を託したい」と笑顔で語った。 26日の巨人戦後、2軍落ちを通告されたことが引退の決め手になった。「交流戦以降、進退を懸けてきた。2軍に落ちることがあれば、けじめとしてユニホームを脱ごうと思っていた」と明かした。 1996年、2007年と2度の本塁打王に輝き、現役最多の403本塁打を記録している。だが、本人は満足しておらず、「(元巨人の)長嶋さんの444本を抜くことにこだわってきたが、その夢もかなわなかった。(現在1833安打で)2000安打も打てず、成績としては一つも二つも足りない男だな」と苦笑い。それでも師と仰ぐ楽天時代の監督、野村克也氏と同じ27年間、現役を続けたことは「一つの自慢。野村監督の実績に一つだけは並べた」と胸を張った。 中日、オリックス、楽天の3球団を渡り歩いた。オリックス時代の04年オフには戦力外通告される挫折も味わった。「(当時は)野球が大嫌いになって二度とボールとバットを握るかと思った。そんな時に新球団の楽天でプレーできた。中日に移っても(楽天)ファンの歓声が大きくて、感謝、感謝の気持ちだった」と、第二の古里となった東北のファンへのお礼の言葉も忘れなかった。 引退後は指導者の道に進むつもりだが、今は残り数カ月の現役生活に集中する。「こういう会見ができて気持ちが楽になった。もう一回、自力で1軍に上がって野球をまっとうしたい」と燃え尽きる覚悟だ。【安田光高】