西日本最大級のショッピングモールオープン 鍵は「グローカル」
フジテレビ系(FNN) 12月5日(金)20時23分配信5日、西日本最大級のショッピングモールがグランドオープンした。この巨大商業施設は、ファッションやグルメはもちろん、テレビ局まで入っている。キーワードは、地域密着型の新戦略「グローカル」。 西日本最大級の商業施設「イオンモール岡山」が5日、グランドオープンした。 地上8階、地下2階の巨大なショッピングセンターには、ファッションや雑貨、レストランなど、およそ400店の専門店が集結している。 人気の「デパ地下」顔負けの食品売り場。それもそのはず、手がけたのは、百貨店の高島屋で、売り場には、高級なスイーツや総菜などがずらりと並んでいる。 訪れた人は「いいです! おいしいものがたくさんあって、目移りしちゃってるから」と話した。さらに、多くの家族連れでにぎわうフードコートでは、岡山・倉敷市発祥のぶっかけうどんなど、多彩な料理が楽しめる。ぶっかけうどんを食べた人は「岡山の人は、ぶっかけといったら、この味!」と話した。 年間2,000万人の集客を目指す、このショッピングセンターの新戦略は、世界と地域をつなぐ「グローカル」。イオンモールの岡崎双一社長は「岡山の地元企業65店舗も入っている。相当、『地元色』を強く出している」と述べた。ショッピングセンター界では、世界を見据えた大規模展開、つまり「グローバル」がこれまでの主流だった。しかし、グローバルだけではなく、足元の地域、つまりローカルも重視する、それらが「グローカル」。ショッピングセンター内にある、「ハレマチ特区365」には、きびだんごやしょうゆなど、およそ2,500種類の特産品が並び、岡山県独自の文化を発信している。 「ハレマチ特区365」総合プロデューサーの中山美香さんは「県外の方はもちろん、県内の方でも、『こんなのあったの?』とか、小さな驚きを感じてもらいたい」と話した。また、商業施設としては、全国で初めて、地上波テレビ局のスタジオが入って、情報を発信する。これも、グローカル戦略の1つ。ショッピングセンターがあるのは、街のど真ん中で、駅から徒歩5分という、一等地にある。 訪れた人は「駅周辺ということで、気軽に来られる」と話した。1960年代には、全国で114店だけだったショッピングセンターは、1980年代以降、爆発的に増え続け、現在は3,000店を超えている。 船井総研経営コンサルタントの丹羽英之氏は「商業施設自体は、現状では『飽和状態』にある。1施設あたりの来店客数は落ちている」と話した。そこで、ショッピングセンターの生き残り策として注目されているのが、地域密着。 青空のもとで、子どもたちが楽しそうに野菜を収穫している場所は、ショッピングセンターの屋上。さらに、保育所もある。2014年4月にオープンした東京・足立区にあるショッピングセンター「ポンテポルタ千住」には、ファッションやレストランなどのほかに、保育所、病院など、生活には欠かせない施設が入っている。 来店客は、「一度に、(用事が)済ませられる良さがあるよね」、「ほぼ毎日...、利用する機会は多いですね」などと話した。 住民が、何か用事のついでに買い物をするようになり、来客数は増加したという。 丹羽氏は「託児所や医療や飲食などの形で、サービス面で、いかに客の来店動機を高めていくかが、今後の商業施設のポイントになる」と話した。 自らの生き残りをかけた、グローカル戦略。 進化するショッピングセンターが、今後も、さらに誕生していくとみられる。