旧優生保護法“不妊手術”強制、初の国賠提訴
旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたのは憲法違反だとして、宮城県内に住む女性が30日、全国で初めて国に損害賠償を求める訴えを起こしました。 仙台地方裁判所に訴えを起こしたのは、宮城県内に住む60代の女性です。 訴状などによりますと、女性には1歳の頃に受けた手術の麻酔が原因とみられる知的障害がありますが、医師により、「遺伝性の精神薄弱」と診断され、旧優生保護法のもと、15歳の時に本人の同意なしに不妊手術を受けさせられました。これにより、憲法の保障する「個人の尊厳」を傷つけられ、さらに日常的な腹痛や縁談の破談といった身体的・精神的苦痛を強いられたとして、国に1100万円の損害賠償を求めています。 「障害者に対する差別とかなくなればよい世の中に社会が少しは変わるのではないかと思って立ち上がった」(原告の義理の姉) 旧優生保護法は、1948年から96年まで施行され、遺伝性の疾患や知的障害がある人に対して、医師の診断と都道府県の認定のもと、本人の同意なしに不妊手術を行えると規定されています。 国への提訴は全国で初めてで、厚生労働省は、「訴状が届いていないのでコメントは差し控えたい」としています。