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2011.07.19
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漫才コンビ・浅草キッドの片割れ
玉袋筋太郎初の自伝的小説
「新宿スペ-スインベ-ダ-」読了。

サブタイトルが「昭和少年凸凹伝」。

著者の玉袋筋太郎が、生まれ育った新宿を舞台に
小学校5年生の頃の思い出が生き生きと
楽しい思いでもあれば、
時に過激な、時に切なくほろ苦いエピソ-ドがいくつも描かれる

タイトルにあるように主人公も含めた
彼ら悪ガキどものたまり場の一つが
インベ-ダ-ゲ-ムがあるゲ-ムセンタ-。

第1章で描かれる
インベ-ダ-ゲ-ムのエピソ-ドがいい。
主人公の友人でありゲ-ム名人のカッチャンが
みんなのリクエストに答えて
『流星』をやるシ-ンがある。

『流星』とは、
後方の30点、20点のインベ-ダ-を先に倒して、
10点のインベ-ダ-を残し、
動きの速くなった10点インベ-ダ-を模様を残しながら
移動させるテクニック。
その際の10点インベ-ダ-の模様が流星のように見えるので
彼らの間では『流星』と呼ばれていた。

同じくスペ-スインベ-ダ-は
私の地元・沖縄でも同時期流行っていた。
彼らの間での『流星』は
我々の間では「スカイライン」と呼ばれていた。

その地域ごとの呼び名の違いを知っただけでも実に楽しい。

スペ-スインベ-ダ-が流行っていたのは
1978年頃なので、当時私は高校一年生。

当時、沖縄の離島の子供がインベ-ダ-ゲ-ムをやるために
家から数十万円の金を持ち逃げして
本島にやってきて保護されたという事件が新聞に載った。

当時の女子プロレスラ-・ビュ-ティ-ペアの片割れ
マキ上田が「インベ-ダ-」という歌をリリ-スしたという記事を
新聞で見た事があった。

ゲ-ムセンタ-ばかりでなく、
公園、デパ-ト、水道局、駄菓子屋、銭湯etc
様々な場所を彼らは遊びの舞台に変えていく。

公園に住み着いているホ-ムレスとの出会い・友情・そして・・・。
災厄の塊のような1学年上のガキ大将の存在。
プロモ-タ-もどきをやったり、サラ金のまねごとをしたり。

彼らの小学生ライフは、自分の同じ時代と照らし合わせながら、
時に感情移入、時に爆笑しながら読んだ。

舞台の新宿は、
私には大学時代に東京在住の友人と一緒に数回飲みに行った事、
紀伊国屋書店で足が痛くなる位長時間立ち読みをした事、
ヤングマガジンに連載されていたタイムスリップヤクザ漫画「代紋TAKE2」の主人公阿久津丈二が
「俺は新宿の阿久津丈二だ!」と啖呵をきった事、
石原都知事が浄化作戦を実行している事
その程度の知識と思い出位しかない。

でも今回、そこで生まれ育った作者の本が読めて
今までとは違った新宿像を知ったのは面白かったし良かった。

今度は、作者の中学高校時代を描いて欲しい。
すごく興味がある。

というのは、20年位前、本屋で女装雑誌を立ち読みした時
玉袋筋太郎インタビュ-が掲載されていたのだ。
(裏表紙に女装した浅草キッドの二人が写っていた記憶がある)

(記憶はあいまいだが)それによると、高校からグレ始めた。
中学まで全くグレる要素は無かった。
高校一年の頃ある時、
雀荘をやっていた父親が店をタタみ、飲み屋をやると宣言した。
父親がオ-プンした店に
友人と一緒に入ると
女装した父親が「いらっしゃいませ~」と出迎えた。

思わぬ対面にお互い驚愕する親子。
それ以来「あいつのお父さんはオカマなんだぜ」と
いじめられるようになりグレはじめた。

その後お姉さんと父親がセ-ラ-服の奪い合いを演じたエピソ-ドが語られる。

そんな頃に「たけしのオ-ルナイトニッポン」で癒され、
ビ-トたけしに傾倒していった。

以上、こんな感じの内容だった。

玉袋筋太郎が、中高時代の自伝的小説を書くとしたら
このエピソ-ドが描かれるのかどうか
すごく興味がある。

(ちなみに「新宿スペ-スインベ-ダ-」では、
父親との距離が縮まる心温まるエピソ-ドがある)

いろいろ書いてきたけど、
この本はオススメです!





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Last updated  2011.07.19 11:30:45
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