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漫才コンビ・浅草キッドの片割れ
玉袋筋太郎初の自伝的小説 「新宿スペ-スインベ-ダ-」読了。 サブタイトルが「昭和少年凸凹伝」。 著者の玉袋筋太郎が、生まれ育った新宿を舞台に 小学校5年生の頃の思い出が生き生きと 楽しい思いでもあれば、 時に過激な、時に切なくほろ苦いエピソ-ドがいくつも描かれる タイトルにあるように主人公も含めた 彼ら悪ガキどものたまり場の一つが インベ-ダ-ゲ-ムがあるゲ-ムセンタ-。 第1章で描かれる インベ-ダ-ゲ-ムのエピソ-ドがいい。 主人公の友人でありゲ-ム名人のカッチャンが みんなのリクエストに答えて 『流星』をやるシ-ンがある。 『流星』とは、 後方の30点、20点のインベ-ダ-を先に倒して、 10点のインベ-ダ-を残し、 動きの速くなった10点インベ-ダ-を模様を残しながら 移動させるテクニック。 その際の10点インベ-ダ-の模様が流星のように見えるので 彼らの間では『流星』と呼ばれていた。 同じくスペ-スインベ-ダ-は 私の地元・沖縄でも同時期流行っていた。 彼らの間での『流星』は 我々の間では「スカイライン」と呼ばれていた。 その地域ごとの呼び名の違いを知っただけでも実に楽しい。 スペ-スインベ-ダ-が流行っていたのは 1978年頃なので、当時私は高校一年生。 当時、沖縄の離島の子供がインベ-ダ-ゲ-ムをやるために 家から数十万円の金を持ち逃げして 本島にやってきて保護されたという事件が新聞に載った。 当時の女子プロレスラ-・ビュ-ティ-ペアの片割れ マキ上田が「インベ-ダ-」という歌をリリ-スしたという記事を 新聞で見た事があった。 ゲ-ムセンタ-ばかりでなく、 公園、デパ-ト、水道局、駄菓子屋、銭湯etc 様々な場所を彼らは遊びの舞台に変えていく。 公園に住み着いているホ-ムレスとの出会い・友情・そして・・・。 災厄の塊のような1学年上のガキ大将の存在。 プロモ-タ-もどきをやったり、サラ金のまねごとをしたり。 彼らの小学生ライフは、自分の同じ時代と照らし合わせながら、 時に感情移入、時に爆笑しながら読んだ。 舞台の新宿は、 私には大学時代に東京在住の友人と一緒に数回飲みに行った事、 紀伊国屋書店で足が痛くなる位長時間立ち読みをした事、 ヤングマガジンに連載されていたタイムスリップヤクザ漫画「代紋TAKE2」の主人公阿久津丈二が 「俺は新宿の阿久津丈二だ!」と啖呵をきった事、 石原都知事が浄化作戦を実行している事 その程度の知識と思い出位しかない。 でも今回、そこで生まれ育った作者の本が読めて 今までとは違った新宿像を知ったのは面白かったし良かった。 今度は、作者の中学高校時代を描いて欲しい。 すごく興味がある。 というのは、20年位前、本屋で女装雑誌を立ち読みした時 玉袋筋太郎インタビュ-が掲載されていたのだ。 (裏表紙に女装した浅草キッドの二人が写っていた記憶がある) (記憶はあいまいだが)それによると、高校からグレ始めた。 中学まで全くグレる要素は無かった。 高校一年の頃ある時、 雀荘をやっていた父親が店をタタみ、飲み屋をやると宣言した。 父親がオ-プンした店に 友人と一緒に入ると 女装した父親が「いらっしゃいませ~」と出迎えた。 思わぬ対面にお互い驚愕する親子。 それ以来「あいつのお父さんはオカマなんだぜ」と いじめられるようになりグレはじめた。 その後お姉さんと父親がセ-ラ-服の奪い合いを演じたエピソ-ドが語られる。 そんな頃に「たけしのオ-ルナイトニッポン」で癒され、 ビ-トたけしに傾倒していった。 以上、こんな感じの内容だった。 玉袋筋太郎が、中高時代の自伝的小説を書くとしたら このエピソ-ドが描かれるのかどうか すごく興味がある。 (ちなみに「新宿スペ-スインベ-ダ-」では、 父親との距離が縮まる心温まるエピソ-ドがある) いろいろ書いてきたけど、 この本はオススメです! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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