本と着物と時々ごはん

驚いた！　すっごい面白い！　これぞエンターテイメント！

数世紀未来のメガロポリスが舞台となる、３章からなるＳＦハードボイルド。
うだつのあがらなそうな探偵（主人公）が
美人クローンからの依頼を受ける所から物語は始まります。

凄腕ハッカー、ダーティタウン、モグリの医者、秘密組織、ドラッグ、ストリートチルドレンと
80年代SF好きにはたまらないキーワードがこれでもか！　とちりばめられたストーリー。
どんどん引き込まれる話の展開もすばらしいけど、
登場人物が成長していく姿がしっかり書かれているのが素敵です。

ラストは盛り上げ方も上手いうえに最高のオチ。なんて爽快な読後感！
ひさびさにＳＦで泣けたなぁ～。あー、ほんとおもしろかった！　

菊地秀行の　「魔界都市新宿」　、原寮の　「沢崎シリーズ」、
大原まり子の　「イル＆クラムジーシリーズ」　あたりが好きな人には絶対おすすめ。
ちなみに大好きな浅倉久志さんの訳本です。

さーて、もう一回読み直そうっと♪



追記：「イル＆クラムジーシリーズ」は天野喜孝さんがイラストを描いてる
新書版がだんぜんいい！　いったいなんなんだこの文庫の表紙…。