ワン・ヴォイス★ハワイ語
■ワン・ヴォイス:あらすじ■この瞬間は未来のために。いま奏でられる、ひとつの歌声・・・。ハワイ、オアフ島で創立120年を誇る伝統校“カメハメハ・スクール”。ハワイアンの血を引く子どもたちが通うこの名門校では、毎年3月に“ハワイアン・スクール・ソング・コンテスト”という合唱コンクールが開催される。9~12年生の約2,000人もの生徒が学年ごとに分かれ、課題曲はすべてハワイ語で歌い、そのハーモニーを競いあうのだ。本作は学年ごとにリーダーとして選ばれた生徒たちとその家族を中心に、指導者である教師やミュージシャンらのインタビューも交えながら、1年がかりで猛練習に励む姿を追った愛と感動に満ちた物語である。 カメハメハ王直系の子孫の寄付により1887年に創設されたカメハメハ・スクールは、ネイティブ・ハワイアンを祖先に持つ子を対象にした教育機関。だが創設直後の1888年、カメハメハ・スクールはハワイ語の使用を禁止され、1896年にはハワイの公立校でも“イングリッシュ・オンリー”の法律によってその使用が禁じられた。ハワイの言葉が正式にハワイ州の公用語として認められるのは、それから80年も経った1987年のことである。現在ではハワイ語の復活を目指す多くの活動や研究が進められ、ハワイアンとしてのアイデンティティや文化とより強く深いつながりを実感できるような環境づくりが行われている。このコンテストも、その意識が色濃く反映されたものであり、大切に継承され続けている。 そうだ、ハワイにはハワイの言葉があったのだ。ハワイには、かつて王朝があって、その王朝が無くなる時に王女が作ったのが「アロハ・オエ」という歌。「アロハ!」という挨拶も知っていたのに、この映画を見てあらためて、ハワイには、英語ではなくハワイ語があったことを認識した。アメリカがハワイの言葉を使わせないようにして、長い間がたった。ハワイの言葉は、完全に忘れさられたが、歌の中で生きていた。ハワイの言葉を取り戻すため、学校では、ハワイ語を習わせる。“ハワイアン・スクール・ソング・コンテスト”もそのひとつ。また、ハワイ語しか使ってはいけないという合宿もある。この映画を見ながら、アイヌや沖縄を思う。アイヌの言葉はなくなってしまったが、沖縄の言葉は、歌の中で残っている。涙がぼろぼろこぼれ落ちるという意味の「涙(なだ)そうそう」など、よく知られている。映画の中で「涙(なだ)そうそう」をハワイの言葉で歌っていた。沖縄の歌でありながら、ぴったり。この映画に出ている高校生たちのしっかししていること。その中のひとりは、アメリカ本土では、あまりハワイの現状を知らないと嘆いていた。ケイタイをいじったり、化粧に余念のない日本のコギャルと大違いで骨太な頼もしさ。フラダンスよウクレレを習っている妹と一緒に見た映画。・・・・・・・・・・・・・ ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。★2011年8月23日*サルビア歳時記:8月の三箇条/ 器歳時記:金魚の絵皿*・・・・・・・・・・・・・・