テーマ:短歌(1697)
カテゴリ:詩歌・名文
風さえあつき夏の小車(おぐるま) 藤原定家 「玉葉集」夏歌。 牛車、つまり牛にひかせる乗用の屋形車だろうか。 炎天にあえぎ、人はもちろん牛までものろのろ歩む。 その足元から乾いた塵ほこりが舞いたつ。 風がたてば涼しいはずなのに、塵をまきあげる炎天の風はかえって暑くるしさを増す。 抜群の耽美的作風の歌人定家に、この印象的な作があるおもしろさ。 「むしますなぁ」 「どこぞ涼しい川べりにでも」。 古都の夏は王朝の余映の時代にもやはり暑かったのだ。 「折々のうた」より 京都市は三方を山に囲まれる盆地で、昔も今も夏は蒸し暑い。 一節によると、夏に鴨川で涼む習慣は平安時代からあったといわれる。 平安時代、■貴船神社■に参拝のため京都市内から貴族が来ていたという。 もちろん、一番の目的は、貴船川の涼を求めてだ。 ちなみに「涼」という字は、京の横にさんずい(水)! 涼しいわけだ。 過ぎてゆく四季の折々に自然の輝きをとらえ、愛する人を想いながら、人びとはその心を凝縮された表現にこめてうたい続けてきた。 「日本詩歌の常識づくり」を目ざす著者は、俳句・短歌から漢詩・現代詩に至るまで、日本人の心のふるさとともいうべき言葉の宝庫から秀作を選び、その豊かな光沢と香りを鑑賞する。 朝日新聞連載一年分に加筆。 ■折々のうた・あとがきより■ 『折々のうた』で私が企てているものは「日本詩歌の常識」づくり。 和歌も漢詩も、ひっくりめてわれわれの詩、万人に開かれた言葉の宝庫。 この常識を、わけても若い人々に語りたい。 ■YouTube 和宮様御泊■の1時間半くらいのところに、和宮が牛車に乗って東下りする様子が描かれている。 後半は、輿。 ■うし年ですから:なで牛■ ■1月5日は「牛日(ぎゅうじつ)」■ ■丑紅(うしべに)■ ■牛飼(うしかい)が歌よむ時に・・・■ ■牛車(ぎっしゃ)■ ■「牛鍋からすき焼へ」■ ■仔牛の俳句■ ■牛草(ぎしぎし)■ ■商いは牛の涎■ ■こって牛■ にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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