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2022.02.14
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■エマ:恋するキューピッド■

エマは幼くして母を亡くしたため、心配性な父に大切に育てられる。
そのおかげで生まれ育った土地を一度も離れたことのない箱入り娘であった。
それでも視野が広く、社交的で芸術の才能にも恵まれた美しい女性へと成長したエマは、姉と家庭教師のミス・テイラーの結婚は、自分のおかげと思いこみ、他人の縁結びに夢中になる。
長年の友人ナイトリーはそんなエマをたしなめるのだが、エマは縁結びに躍起になる…。

しかし、自分の恋愛のこととなると、恋愛の百戦錬磨の牧師のエルトンや、派手で無責任な冒険家のフランク・チャーチル、無骨で率直で皮肉屋のどこにでもいるタイプのジョージ・ナイトレイに言い寄られても、自分自身の本当の気持ちにはいつも気づかない。

今回、■2度目の、『エマ』(Emma)■は、ジェーン・オースティンの長編小説の4回にわたるBBC制作の作品。
1814年1月21日に起稿し、翌年3月29日に完成、12月に刊行された。
オースティンが40歳の頃の作品だ。
 ジェーン・オースティンの代表作といわれる、「高慢と偏見」が1813年に刊行。
(1796年10月から1797年8月(ジェーン20-21歳)に執筆。)

「高慢と偏見」のヒットで執筆の依頼があったのだろうか?
 当時のイギリスの上流階級は大きく貴族院に議席を持ち爵位を持つ貴族とそれ以外の大地主階級(ジェントリ)に分けられるが、ジェントリ階級の中でも歴史的血統、親族の質、財産などにより格の上下が意識されていた。
通常の社交上の儀礼では同等とされていたが、結婚など現実問題においては、そのような格差が重要となってくる。

エマの家は、大地主階級。
エマの友人、ジョージ・ナイトリーは、ハイベリーの隣の教区の大地主である。

自由な風潮のエマの中にも、階級の差別はあるのは当たり前。

★ハリエット・スミスが結婚するかも知れないと思ったエマは、相手が農夫であることを理由に断る方向に持っていった。

ハリエットは、エマの年下の友人。初心でエマを崇拝している。
しかし、私生児なので、これは良縁だったとナイトリー氏が怒る。
「エマ」主な登場人物

★今回「?」と思ったのは、服装。
部屋の中で、エマは半そでの薄物のワンピース。
(多分、下着は一枚だろう。)
部屋の中では暖炉に火が入っている。

そんな中で、ナイトリー氏は、ジャケットを着て、きっちりタイをしている。
見るからの暑そう。

★あと、ダンスパーティに馬で乗って行ってはいけないという作法があるのを今回、はじめて気が付いた。

馬車があるということは、それをひく馬がいるし、御者もいる。
馬車があるかどうかが、金持ちかどうかの分け目ということだろうか。

ちなみに、牧師のエルトンは、馬車をもっていない。


★また、真夏にピクニックに行くシーン。
イギリスと言えども、夏は暑い。
なぜ、北のスコットランドや湖水地方に保養に行かないのだろうか?

そんな中、友人として付き合っている、ナイトリー氏の、貧しい人や、立場の弱い人に対する思いやりは、胸を打つ。

主人公・エマも「高慢と偏見」のエリザベスも元気はつらつとした知性をもつ、当時珍しいタイプの女性。

▲エマが歩いていそうな村。■コッツウォルズ■▼

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Last updated  2022.02.15 10:50:09
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