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2023.08.21
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テーマ:ニュース(100237)
カテゴリ:時事ネタ・主張
木
中古車販売会社「ビッグモーター」をめぐっては、7月28日までに少なくとも、全国18の都道府県、39の店舗の前で街路樹や植え込みが枯れたり、伐採されたりしていることが確認されている。
大阪府では大阪・東住吉区と城東区、貝塚市、大阪狭山市の4つの店舗前の街路樹が不自然に枯れて、これはもう、意図的に枯らしたに違いない。
そのことで日本中が怒っている。

私も大いに怒っているが、しかし、街路樹を伐採するのは、「ビッグモーター」に限らない。
私はこれまで、木の伐採に何度も腹立たしい思いをしてきた。

そんな中で、「街道をゆく14南伊予・西土佐の道」 司馬遼太郎
に以下のことが出ていた。
 (略)市がかつて植えた街路樹の三割ほどが住民自身の手で斬りたおされている。
ほとんどの理由は自家の車の出入りの邪魔になるというもので、街路樹が町全体の空間の美的主役であるという共有の思想が見られにくい。

街路樹は伐りたおしてもそれらの家々には軒下に灌木が植えられたり、塀ごしに枝ぶりのいい槙(まき)の木のてっぺんなどがのぞいていたりする。

(▲司馬遼太郎氏の家の前の道)
(略)自治体も同じである。(略)
府立高校のテニスコートは道路に面していて、肯定で飛んだボールがときどき道路へ落ちる。
それをふせぐために最近、高い金網がめぐらされた。
金網の建設にあたって基部の工事をするため、道路に面した古いポプラの並木を十本ばかり根こそぎに掘りあげて捨ててしまった。

学校長の責任でやったのだろうが、この行為のたけだけしさは、並木の樹々が公共の空間に所属するものだったからであろう。
このためその付近の景色が変わってしまったが、しかしそのあとに若木を植えるということもしない。
金網の必要こそ急務であり、理由のすべてであり、大きな共有空間の美がそのために破壊されるということは、問題にもならないのである。

「街道をゆく14 南伊予・西土佐の道」 司馬遼太郎

▲司馬遼太郎氏の家▼


市内のメタセコイアの並木の木が切られていた。
メタセコイアの憂鬱

何で切るのか?
もし、木を伐るならもっと下からきるだろう。
誰が、何のために、何でこんな中途半端なところから切る?
誰が何のために切ったのか分からないし、誰も気にもとめない様子だ。
街路樹は市のもので、市民のものだ。
その街路樹をわけもなく切るっていうのは、犯罪なのだということを、切った犯人も自治体もしっかりと認識してもらいたい。

中途半端なところで切って、情けない姿をさらしているメタセコイア。
第一、この道は通学路だから、子どもの目が届くところ。
木にだって命があるという教育をしなければならないのに、命を無駄にしている姿は、子どもの情操教育上、よくない。

そして、無断で切られた我が家の木。
枝が隣の駐車場に伸びていたので切ったと事後報告された。
たった一本枝さえ■自分の敷地に入ることを許せない人のなんと多い事か・・・。
地球
年末になって、年間のニュースがとりざたされるが、その中には、必ず異常気象がある。

早く咲きすぎる桜。
しとしと降るはずの日本の雨は、南国なみのスコール。
10月になっても30度を超える日々。
いつまでも続く台風。
竜巻・・・。


これらは、地球温暖化のなせるわざ。
いや、もはや温暖化ではなく、地球沸騰だ。

しかし、たった一本の木の存在さえも邪魔扱いする人間に、未来はないのかもしれない。
「ビッグモーター」の街路樹問題を契機に、市民と自治体の並木道への関心を促したいと思う。
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Last updated  2023.09.09 00:26:23
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