テーマ:短歌(1697)
カテゴリ:詩歌・名文
会いのいのちを貪(むさぼ)れるかな 石本隆一 『星気流』(昭45)所収。 昭和5年生まれの現代歌人。 感覚を精細に表現し、心理の陰影に富んだ歌を作る。 山間の清流をさかのぼって旅したのだろう。 旅舎の夕食に産卵のためくだってきた落ち鮎が出た。 それをむさぼりつつ、自分とこの一尾との出会いを思い、いきものの悲しみの感をいだいたのだ。 「のぼれる」われと「落ち」鮎の、 「会いのいのち」をむさぼったというところ、目が詰んだ表現である。 大岡 信 著「折々のうた」より ■折々のうた■ 過ぎてゆく四季の折々に自然の輝きをとらえ、愛する人を想いながら、人びとはその心を凝縮された表現にこめてうたい続けてきた。 「日本詩歌の常識づくり」を目ざす著者は、俳句・短歌から漢詩・現代詩に至るまで、日本人の心のふるさとともいうべき言葉の宝庫から秀作を選び、その豊かな光沢と香りを鑑賞する。 朝日新聞連載一年分に加筆。 ********************* 「折々のうた」で私が企てているのは「日本詩歌の常識」づくり。 和歌も漢詩も、歌謡も俳諧も、今日の詩歌も、ひっくるめてわれわれの詩、万人に開かれた言葉の宝庫。 わけても若い人々に語りたい。(「あとがき」より) 北海道・東部(以下、道東)を9月22日(木)~10月4日(火)、13日間かけて廻った。 ■2022年9月24日、■ 知床観光船で海から知床を見た後、知床五湖を見、そこでお土産に鮭の昆布巻を買った。 美味しそうだったし、日持ちするから、ちょっと高かったけれど、奮発した。 その後、温泉ホテルなどが立ち並ぶ斜里町ウトロ地区へ。 北海道の知床半島で秋の訪れを告げるサケの遡上(そじょう)が本格化している。 ウトロ地区の中心を流れるペレケ川では、大人のひざ下ほどの浅い流れでサケが盛んに水しぶきをあげていた。 遡上して川に卵を産んだ後だろうか、力尽きて死んでしまう鮭もいた。 その鮭にカラスが群がっている。 鮭は、「老後の資金が2000万円」なんて心配はしない。 自分の命と引き換えに次の命を生み出している。 ■10月1日■には、阿寒湖の周辺で度々鹿に遭遇した。 その夜の食事に鹿の肉が提供されたが、私はたべられない。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.09.23 00:07:30
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