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カテゴリ:診療
本日は当直です。head&neckの病院では土曜日の当直は午後1時から翌日の朝8時までと長丁場で、やや気が滅入りますが、今日は雨が降っているせいか、患者さんが少なくて合間があり助かります。
救急外来での診療については、何度か拙ブログでも記事にしており、ストレスのたまる時間であることは述べていますが、最近の傾向として、普通に受診される飛び込みの患者さんのほかに、紹介状を持って時間外に来院される方も増加しています。 もちろん、緊急性のあるものに関しては、時間を問わず診察すべきです。しかし、先ほども全く急ぐ必要のない疾患で、開業医の先生からの紹介状を持参してこられた患者さんを診察しました。患者さんにしてみれば、まず開業医で診てもらって、そこで病院への受診を指示され、紹介状を書かれた訳で、受診するのは当たり前です。ところが、いろんなところでも問題になっているように、軽傷患者さんに時間をとられて重傷の患者さんへの対応がおくれてしまっているのが、日本全国の救急医療の現状です。 批判を承知で書くと、開業医の先生の中には、このような現状認識が全くない方々が意外に多いようです。時間外だろうが何時だろうがお構いなく軽傷患者さんを紹介し、混み合っているときに対応がやや遅れたようなときに後日直接電話でお叱りを受けたこともあります。 病院というものに寄りかかって仕事をしている勤務医の我々からすると、もちろん自分の力で全責任を負担しなければならず、評判や従業員の生活の面倒、経営まで考えなければいけない開業医の先生がたの苦労も察しなければならないことは承知しています。しかし、「いつなんどきでも診て当然」であった以前の病院に対する感覚はそろそろ現在の現場に通用しなくなる時代が近づいてきています。誤解しないでいただきたいのは、何も高飛車な態度で勿体つけたり、協力をしませんと敵対する気は全くないということです。手遅れになる前に紹介いただいて助かったことは何度もあります。ただ、病院における日常業務や説明義務、訴訟リスク、クレームの危険性がここ数年でものすごい勢いで増加していることをご理解していただきたいのです。そして、日頃外来でたくさんの患者さんに接している開業医の先生方にこそ、このような現状を患者さんに向かって啓蒙していただきたいのです。 当直をやるたびに、いろいろと現在の医療現場のひずみについて考えさせられるのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.09.29 14:48:57
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