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カテゴリ:その他
大学に通っているとき、head&neckは授業では居眠り常習犯でした。この前、久々に大学時代のノートが出てきたので見直してみたら、前半はしっかりノートをとっているのですが、徐々に字が躍り始め、後半は意味不明。・・ああ、この辺から眠くなったんだな、とはっきり判ります。
そんな自分が、医師になってから看護学校の講義を受け持っていたことがありました。頭頸部の解剖や疾患について、看護師の卵たちに教えるのです。head&neckはもちろん女子大(正確には違いますが、看護学部は圧倒的に女性が多く、ほぼ似たような状態です)なぞ入ったこともありません。講義は1コマ80分の長丁場ですから、最初はそれなりにしっかりと教材の準備をしつつ、8割の真面目さと2割のときめきを覚えながら講義室に行きました。 教壇に立つと、100名のはずの学生さんたちの出席率はおよそ4割。学会発表と違って教室全体はけだるい雰囲気に包まれています。慣れないなりにも何とか初回の講義をしていくのですが、教室のなかで話しているのは自分一人。30分もたつと居眠りする学生さんたちがちらほらと目立ち始めます。うーむ・・ よく考えてみると、自分たちが大学生のときに、講義は退屈なことこの上もなかったのです。チンプンカンプンな話をされ、さらに時間が長いとくれば居眠りするのは当たり前、真面目なやつに後でノートを見せてもらおうとたかをくくっていたものでした。あの頃、「大学の先生ってのは授業が下手だね」なんて仲間と言い合っていたにもかかわらず、いざ自分がその立場になってみると、まさに話し下手でわかり難い講義をしてしまったのです。 こりゃ負けてられん!と考えたhead&neckは、2回目の講義から方向性を変えることにしました。1回目の時はまめに教材としてプリントを作り、学生に配布して、自分もそれを見ながら講義していましたが、次からはプリントは授業の最後に配るようにして、講義はすべて黒板に書き、適宜スライドを使用しました。おおよそ10分に1回ほどの割合で、このブログでも書いたような救急外来での患者さんの話などを出して笑いをとります。エグい術中写真のスライドを見せたり、現物を拝ませようと前日摘出した癌を、病理の先生と患者さんに了解を得て持っていったこともあります。おじさん意地になってきました。もっと笑わせてやる。ビデオも持ち込みました。笑いと驚愕で居眠りしている学生を起こすんだ! だんだんと、講義の出席率が上がって参ります。最初は半分に満たなかった出席率は、3回目には7割になりました。翌年、うわさが立ったのか、初回の講義から満席です。あれ?この教室たしか120席あるはず・・・ 嬉しいことに、昨年の講義を聞き逃した2年生が再び聞きにきてくれていたのでした。 ←苦戦しつつ参加中。一日一回クリックを。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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