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カテゴリ:研究
 日本の勤務医、ことに大学病院の医局に属している医師は留学経験のある人が少なくありません。head&neck自身も短期間ですがイタリアに居ましたし、医局の仲間では1~2年の留学経験がある人はたくさんいます。
 先日、2年間のヨーロッパ留学を終えて帰国した同期の医師の帰国講演を聴きました。彼はもともと帰国子女なので英語は堪能で、向こうに行ってからもコミュニケーションで苦労することは無いので、比較的早く仕事というか研究テーマを与えられ、それなりの仕事をして帰国したようでした。留学する前、臨床畑で頑張っていた医師も、大概留学すると基礎研究に明け暮れることになります。理由としては、まず語学的問題から外国で医療を行うのは難しいこと、医師免許の制度の問題(日本の医師免許が外国では有効でない)があります。とにかく、留学というのは臨床見学でない限りは、医療ではなく医学研究のために行くことが主流です。ということは、留学期間は全く収入が無いことになります。10年ほど前までは、たとえば大学病院の正規職員などは休職制度を利用してわずかな給料が出たりしていたのですが、独立行政法人化に伴いその予算も制度も打ち切りとなり、現在では公費で留学できるのはほんのわずかの限られた人々で、多くは留学が決まると貯金を切り崩し、場合により借金して費用を工面します。年単位で外国に行くとなると家族も同行しますから、その間の生活費を私費で賄っているわけで、基本的には貧乏生活です。
 今回帰国した彼が最初に言ったことは、「色々楽しかったけど、お金がなくなって今こまっているんだよ」という台詞でした。話を聞くと、英語に苦労しないので、そのまま向こうの永住権をとって仕事をして帰らないという選択枝も真剣に考えたみたいですが、親族やいろんなしがらみを断ち切れなかったというのが実情です。head&neckの経験からも、北欧やイタリア、フランス等の医療制度では医師が人間らしい生活をできるようになっており、自分自身真剣に海外脱出を考えたこともあります。もし語学的な壁が無ければ、独身の若い医師や、日本の息苦しい医療制度のなかで喘ぎ苦しんでいる医師はおそらく大量に海外に逃げ出すでしょう。実際にイギリスではそうなっています。 

 そう考えると、役にも立たない受験のための英語教育は頭脳流出を防ぐ国の陰謀かしらと思ったりするのでした。



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最終更新日  2008.05.24 11:45:38
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