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臨床の現場より

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カテゴリ:医療行政
4月もはや末となり、連休に入ります。大型連休とれる人たちも多く、この時期はhead&neckもやや予定手術が減り、体を休めることができます。
 現在head&neckの病院の耳鼻咽喉科医は9名。部長は院長補佐に昇進し、現場のことは8名で回していますが、これは地方の大学病院なみの人数です。以前、マグネットホスピタルの話を書きましたが、その傾向が顕著に表れた結果だとは思っています。ただ、いつまで続くかはわかりません。世間では医師は高給取りとのイメージがありますが、決してそんなことはありません。とても満足とは言えない報酬で過酷な仕事量をこなしていることは間違いないので、いつか心が折れてしまえば人がやめて行ってしまう危険は常に隣り合わせです。
 生臭い話はなるべく避けたいのですが、自分たちの正当な値段はいくらくらいだろうと仕事量から考えることもあります。世間一般のサラリーマンから比べるとやや高めの給料ではありますが、仕事の内容や拘束時間を考えると、世界の他のどの先進国の医師よりもはるかに低い報酬で我慢しているのが日本の勤務医です。かつて留学していたイタリアの医師は、個人差があるものの我々のおよそ3倍の給料をもらっています。カナダでは年俸制でやはり同程度の優秀な医師は億を超える年収があるようです。彼らに言わせると、日本人はそんな安月給で医師を続けているなどクレイジーだという話が返ってきます。
 先日、とある科の優秀な医師と話をしているとき、自分たちのベストパフォーマンスはどれくらいまで続くのかという話をしました。外科系医師が何となく感じていることは、やはり50歳までが現役のピークだということです。合理的に考えると、この時期の医師の報酬を増額してもらうと現在のような立ち去り型の勤務医断念は防げると思うのですが、日本の土壌として、人に金をかけることは極端に少ないので、おそらくは我々が現役のうちは変わらないだろうという結論になりした。

 そんなつもりはありませんが、もしhead&neckが院長になったら、やりたいことは職員の給与の改善です。患者サービスや医療器材の充実も重要ですが、それよりはスタッフが満足できるだけの給料を払いたいと考えるのでした。





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最終更新日  2012.04.28 08:57:46
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