ラインの黄金仮面 Weekly

うちには、オス、メスつがいのカブトムシが２組いる。

　最近、スーパーとかでも見るアトラスオオカブトとかの外来種でなく、昔から日本にいる長い角１本と短い角１本の、フツウのカブトムシだ。

　かみさんの実家のおかあさんが、孫のために、と貰ってきてくれたのが最初。それはオスだったが、後にメスが２匹増えたため、虫かごにおがくず、エサのゼリーまで買ってくれて、我が息子にくれたのでした。その後、今度は私の親が、やはり孫のために、とオスを１匹貰ってきてくれたので、２組のつがいが出来た。

　カブトムシはやはり夜行性です。昼間はいるかいないかわからない。いつもおがくずにもぐって顔を出してこないので、ムシを見せて息子にイキモノの教育をさせてあげようと思っても、なかなかその機会がない。また、その機会があっても、ムシがどういうものなのか、まだはっきり判らないムスコは半分オモチャのようにムシを扱う危険性があるので、あまり容易に触れさせるわけにもいかない・・。ムシにとっては息子は怪物ですから・・。

　そんなわけで、昼はなりを潜めているムシ達ですが、夜中になると急に元気に暴れだすのです。“バリバリッ！ブ～ンブ～ンッ！！”と激しい羽音をたて、“ガリガリ”と虫かごにぶつかって音を立てる・・。ムシ嫌いのかみさんはいつもぞっとしています。

　で、夜中、人のブログをサーフィンしていたときにまたカブトムシ達が暴れだしたので、ちょいと虫かごを覗いてみたのです。すると、メス１匹がゼリーにむしゃぶりついていました。毎日エサは取り替えていますが、１日でゼリーはなくなってしまうので、今のカブトムシはこんなものを食べてるんだぁ・・。と感心するやら不思議な気持ちになるやら・・。私達の時代はスイカやメロン（皮の固い、安いメロンですよ）をあげていたような・・。

　もうひとつのゼリーにはオスのカブトが１匹かぶりついていました。このカブトはこの虫かご内では一番大きい。

　で、別の方向で目をやると・・・・！！
　
　あっらぁ～んっ

　なんと、“夜の営み”をはじめようとしているではありませんかぁ・・

　まぁ、イキモノだから、当然なんでしょうが・・。息子はまだ２歳・・。説明するにも早すぎるし、（説明したところでわからないでしょうが・・）まぁ、夜中でよかった・・。でも、なかなか興味津々で（やらしいなぁ！と思わないでくださいねっ）ずっと見ている。もう、オスが興奮状態で、メスに覆いかぶさろうとする。メスもやる気で“Come on!”と言っている（様な気がする）。もう、ふ・た・り、いえ、２匹は完全なる発情状態・・。

　とっ！！突然、全然違う方向でエサに貪りついていた、例の大きなオスカブトが、くるりと方向転換してきたかと思うと、バタバタバタ！！と、その色恋の現場へ無粋にも足を踏み入れだしたのです！！そして、メスに覆いかぶさろうとするオスを、自分のツノで払い落とすと、そのツノで、ズンズン、メスに覆いかぶさろうとしていたオスに襲い掛かるではありませんか・・。その勢いたるや、すごいものです。たちまち、襲われた方のオスはしょんぼりとなり、おがくずの中へもぐってしまいました。

　う～ん、この大きなオスは、このメスの夫なのだろうか？それとも？？？

　で、今度は、その大きなオスがメスに覆いかぶさろうとするのです、が、そのメスは“イヤイヤイヤ！！”とばかりに暴れたかと思うと、後ろ足でオスを振り落としてしまったのです。そして悠々と、おがくずの中へ・・。呆然とするオスカブト・・。すると、そこへさっきまで食事をしていた別のメスがやってきます。あっ、これで２人結ばれてめでたしめでたし・・。

　と、思いきや、オスはメスをムシしてエサの方へ・・。メスはしばらくオスの方を見て、何らかの光線を送っていたようですが、全く見向きもされず・・。とうとう、おがくずへ潜ってしまいました・・。

　ムシの世界も、男女の争いは激しいようで・・・・。