ラインの黄金仮面 Weekly

　今日、昼の休憩時間に外で食事を済ませ、仕事へ向かうときのことです・・。

　車通りの激しくない通りを歩いていた私の前にいきなり車が止まりました。そして、車から「すみません！すみません！！」と呼び止める声。道でも聞かれるのかな？と思い近づくと

　「あのっ、怪しいもんじゃないんですけど」→最初に自分が怪しくないなんていうこと自体怪しい！
　
　と、若い男性が助手席からなにやら小箱を持って話しかけてきます。

　「私、貴金属を売ってるセールスマンなんですが、これ、ペアの腕時計なんですけど、一箱間違えて余分に発注だしちゃって、やっぱり売れ残っちゃったんですよ。上司に知られるとやばいし、かといって捨てて処分するのももったいないので、受け取ってもらえないか・・・」と言うのです。で、その小箱を開けると、金色に輝く男女用それぞれの時計が・・。しかも箱には横文字でなにやら書いてある。どこのメーカーだか、いや、ブランドだか忘れましたが、よく見る高級ブランドだった。

　そんな時計を貰ういわれはないし、いぶかしげに私が彼を見ていると「あの、セールスじゃないんで、私、怪しいものじゃありませんから。」といって、名詞までご丁寧に見せる。

　「ほんと、どうぞ、受け取ってください・・。」といって、「なぁっ」と同乗している運転席の男性にも同意を求めている。

　私、汗っかきなもんで、おまけにお肌がデリケートなものですから、腕時計をすると、かけてる腕に湿疹が出来るときがあるので、時計をしていないんです。まぁ、でも、ただでくれるって言うのならもらってやるかっ！そう思ったときでした。やっぱりです・・。

　「で、私達もさっき話してたんですが、こんな高級時計ただで、っていうのもそちら様も嫌でしょうから、あとで、仕事ふけたら2人でのみに行こうって話ししてたもんで、よかったら、その飲み代くらい、お気持ちで結構なので、いただけません？」

　ほうら、来た！である。

　ふふっ、あいにく私はお小遣い少ないから、持ち合わせなんて無いのだよっ！！

　「いくら欲しいの？」とカマかけて聞いてみる。
　「いえっ、もう、お気持ちですから、キャバクラで飲めるくらいのお金があれば・・。」

　おいおいっ、おいらは生まれてこの方、キャバクラァ～アなんぞにいって飲んだことなど、一度もないのだよ。お姉ちゃんのいるお店で飲んだなんて記憶は、歌の人達（おじさん達）とスナックで、フィリピ～ナのいらっしゃるお店でカラオケしたくらいしかぬゎいのだぁ！！キャバクラの相場なんて知るかぁ！！

　「悪いけど、ぜんぜんお金持てないから」というと、いちいち人の財布の中身を探ろうとしてくる。

　「あっ、もう出せるだけでいいんです。本となら４，５０万する代物ですから５、６万くらいせめて頂きたいものですが、それを押し付けるのもどうかと思うので、５千円？４千円？！」

　あげるとかいっておきながら、すっかりセールスしてる。大体４、５０万もするもの、簡単に人にあげたり、滅茶苦茶な割引するわけが無い・・。

　「いやっ、そんな話きいちゃったら、こっちもそんな値段で貰うのは悪いし、時計しないし、いらないから。」といって受け取らないようにするんですが、

　「いや、ほんと、もったいないから！気が引けるんでしたら、時計両方でなくって、片方だけでいいですから・・」としつこい。

　「だって、これ、高そうな時計だけど、僕は価値わからないし、腕時計湿疹が出来るからしないし、第一、本物かどうかわからないものに金を出したくないから、じゃ」

　と、その場を去りました。賞味２０分くらい付き合わされたなぁ・・

　よくよく考えたら、いつまでも付き合わないで無視すればいいんですよねぇ～っ。

　しかし、別に買ったりしたわけではないから被害はないのですが、後味がとても悪かったですねぇ・・。“何故、他の人もいるのに、この俺様に声をかけたか！”ってことなんです。私はちょっと、いえ、いっぱい太ってますし、今は髪の毛も短髪。いつもオペラをすると悪役。と言う感じですから、いかつい感じだと思うのですが、どこか私がスキがあるように見えるんでしょうね、こういう人達には・・。それが悔しくて悔しくて仕方ない・・。

　昔の話になりますが、新聞を読んでたら社会面に小さく、「競馬詐欺師のグループ逮捕」という記事が載っていたのが目にとまり、読みましたが読んでビックリ!なんでも、街中で歩いている人を捕まえて、大金を見せびらかし、「馬主に知り合いがいて、絶対勝って儲けられる勝負があるから付き合わないか」といって、連れ出し、競馬場じゃなく、マンションの部屋のようなところへ連れて行かれ、お金貸すから、絶対勝つ馬だから賭けないか？と強引に誘い、さっき見せびらかした100万近い金を使って、とりあえず勝負すると誘った人に説明し、その人はマンションへ置いたまま待っていると、男が血相変えて、「全額パーになった。あれは俺の金じゃなくて馬主に払う物だから、返して欲しい！」と強く迫って、消費者金融等に金を借りさせようとしたらしいのです。この犯人、事件を起こしたのはどこか地方のほうでしたが、住所は千葉県の船橋市。
　実は私も、多分、いや、絶対、この男だと思うんだけど、声をかけられたことがあるんです。船橋駅の周辺で！内容は全く同じ。

　「いやぁ！君！！覚えてる！？俺だよ、俺・・」→だれだよぅ・・？
　
　確かに私、船橋でいろいろ音楽活動をしていたので、意外に知り合いが多いのですが、見たことあるようなないような顔・・。しかし、向こうは本当に親しげに声をかけてくるもんですから、すっかり歌でご一緒した人だな、と思ってしまいました。で、いきなり財布を見せ、中を見せてきます。中には100万円以上あろうかと思う札束！

　「これから、競馬にいくんだけど、俺、馬主に知り合いがいて・・」と上記と同じ誘い文句をかけてきます。いやぁ、これが言葉巧み・・。もう感心してしまうくらい。「あんたと久しぶりに会えたというのも何かの縁！」とか言っちゃって！

　このときは幸いにして、かみさんと待ち合わせをしていたので、本当に時間がなく、断りました。断れば断るほど、しつこくくいさがってくるので、なんか怪しいなぁ～という気持ちも働き、もし本当なら悔しいが、まぁ、競馬よく判らないし、、とその場を去りました・・。

　後になってこうやって新聞で事件を知ると、つくづく、自分がはめられなくて助かったとほっとしています。

　でも、ほんと、こう、沢山の人がいる中で、僕が声かけられるのかなぁ・・。駅歩いていると、怪しい、手相占いの修行をしている人、とかに必ず声かけられるし、昔も渋谷で声かけられて、訳もわからず人ごみの中で拝まされたこともありますし・・。

　う～ん、脇があまい、スキだらけのオーラを発しているんだろうなぁ、きっと。詐欺師の方のえさにならんよう、気をつけねばなりません・・。トホホ・・・。