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August 17, 2006
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カテゴリ:王子
以前、我が家のリフォームを依頼した会社のホームページの取材で

王子との出会いについて書いたことがあるんです。

今日の記事は、その時の原稿をアレンジしたもの。


1993年、夏。

アメリカ旅行中、あるドッグショーで一匹の犬に出会いました。

私が一目惚れしたその犬は…

優しい眼差しと凛とした美しい姿のオスのシェットランドシープドッグでした。

私の熱烈振りにオーナーは次に産まれる子供を譲ってくれると言い…

こんな質問をしてきました。



「今のあなたにとって、大金といったらいくらくらいですか?」



当時1ドルが100円前後で取引きされていたので、私は300ドルと答えました。

約3万円の計算になりますが、学生だった私にとっては本当に大金だったのです。

それを聞いたオーナーは、こう話してくれました。



「命に値段は付けられない。」

「金儲けの為に子供を産ませる訳じゃないから、本当はお金なんて要らないんだよ。」

「ただ、貴方は精一杯の大金をはたいて一つの命を手に入れる。」

「今の気持ちを忘れない為にも、自分の力で300ドルを稼ぎなさい。」

「それは、貴方が命に最期まで責任を持つ証になるんだ。」



動物の命も同じ一つの命として大切に思う気持ちが伝わってました。

それを証明するかのように、オーナーから出された条件が…

1日に4回以上“愛しているよ”と伝えることでした。

犬は最初の1年で約20年もが経過してしまい…

その後は平均して1年を4年と換算していくそうです。

まさにアメリカ人的な発想だと思いますが…

1日に4回以上“愛している”と伝えないと毎日言ってることにならないと…。

それ程、犬の時間の流れは早いということを教わり、約束を交わしました。

この約束は今でも守っています。

最初は照れ臭くて飾りに過ぎなかった言葉も…

歳月の流れとともに本当に意味のある言葉になったと実感しています。


1993年12月28日の早朝からお産が始まり、順調に4匹の女の子が産まれました。

しかし、それまで安産だったお産も…

なぜか最後の子を産む時だけは難産になってしまったそうです。

やっとのことで産まれた最後の子は男の子で…

すでに先に産まれた女の子の2倍ほどの大きさたっだそうです。

その男の子は、とても甘えん坊で…

なかなか母犬のお腹から出て来なかったのはそのせいだろうと笑ったと聞きました。

最低でも2ヶ月は母親の元から離さない方が良いということで、待ち遠しい2ヶ月間でした。

男の子を希望していましたが、一匹しか産まれなかったので可能性は低いと諦めていました。

日増しに女の子歓迎ムードが高まり

女の子らしい名前を考え、オモチャやクッションも赤やピンクで揃えました。

さらに勝手に女の子だと決め込んだ私は

桃の節句の雛祭りが良いと1994年3月3日にお迎えに行きました。

仔犬達はフワフワな茶色の毛の動くヌイグルミのようで

わらわらと無邪気に足にまとわり付いてきました。

しかし、仔犬達の2倍…いや3倍くらいの大きさの

白い毛の1匹だけは距離を取って様子をうかがっていました。

身体の大きさから母犬だと思い声をかけましたが…

フセの状態で真っ白な前足をクロスしたままピクリとも動きません。

子供を手放すのが淋しいのかと考えていると…

フッと最後に産まれた大きな男の子の話しを思い出しました。

ハッと気がついた次の瞬間!

母犬と思っていた子が私の前に差し出されたのです。



「父犬のオーナーから、どうしても男の子を譲ってあげてほしいと頼まれたんです。」



突然のその言葉に動揺しながらも、抱いてみてましたが…

ジタバタ暴れて逃げようと必死!

でも、思わぬ展開に慌ててる私も必死!

この子だけは母犬と間違えるほど大きくて

ぐるりと一周真っ白な襟巻きをしていて

確かに父犬に似ているかもしれないけど…。

最初から近付いても来なかったのに、私になついてくれる日はくるの???

そんな不安でいっぱいだったあの日以来…

今では王子の居ない生活なんて、とても考えられません。



《本日の一枚》

初めて王子とご対面した時にもしていた『前足クロス』の瞬間を隠し撮り成功!





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Last updated  August 17, 2006 05:28:44 PM
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