私が『何が出来るのだろう?』と考えている間
5歳になったばかりの姫も
姫なりに、いろいろ考えていたようです。
それが驚くほどの発想だったりすることもあって
その考えやパワーを無駄にしたくないと思います。
我が家の地域では、東日本大震災当日は大停電。
電話も携帯もつながらないので、情報も得られず
相次ぐ余震に怯えながら不安な夜を過ごしました。
日付が変わる頃、やっと電気が復旧し
眠れずにいた私は、直ぐにテレビをつけました。
そして、飛び込んできたニュースの映像に言葉を失い
同時に、目を覆いたくなる惨状を初めて知りました。
余りにも酷い光景に、ちゃんと理解する間も無く
勝手にカラダが震え、勝手にナミダが溢れてきました。
大人の私でさえ怖くてたまらないのですから
子供達にしたら、どれほどの恐怖だったのかと…。
大地震の翌日の朝、姫は電気が回復したと知り
少しホッとしたというような表情を見せてくれました。
しばらくして
「ママ、ちゃんと朝になったんだね。」
「ママ、シャボン玉しよ…。」
突然、姫がそう言い出しました。
「ママ、シャボン玉はお手紙でしょ。」
それは以前、私が姫に話して聞かせた自作の童話。
姫が4歳になって間もなく、生まれた時から一緒に居た
兄のような存在の愛犬・王子とのお別れがありました。
姫は、大好きだった王子の死を理解できず
「王子はなんで目を開けないの?」
「王子はどこへ行っちゃったの?」
と、何度も何度も必死に私に問い掛けてきました。
眠るように横たわる王子と、最後の夜を過ごした時に
姫に話したのが『シャボン玉にのせて。』という物語です。
「お空の人達がさみしくないようにシャボン玉しよ。」
「お空がシャボン玉でいっぱいになったら
きっと、お空の人もニコニコになるよ。」
姫とシャボン玉をしながら二人で約束をしました。
これから毎月11日に一緒にシャボン玉をすると。
この大震災を忘れないために、そして風化させないために
姫と一緒に『継続』して実行していこうと思っています。
姫の思いが、みんなの思いが、どうかシャボン玉に乗って
たくさんの人達の心へと届きますように願いを込めて。