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これは自然のことなのか、不自然なことなのか、音姫は悩みました。地滑りは自然のことに違いない。しかしその中に我が身をおいている自分のことを考えると、不自然のような気がする。これは不幸なことと言えるのだが、過去を断ち切る作為ともとれる。 ここは深海1000mの海、ここに流れ着いたときは周りは暗く、生きものたちの影だけがあやしく動いていた。思わぬ時にその影が近づいて、その姿を見たときその異形に驚かされた。これが生きる環境というものなのか、陸や海で生きるものたちとここまで違うものなのか。また自分自身の顔も変わっていく、両の目の間は開き口は飛び出してと、やはり魚の顔に近づいてくるのです。もはや別れた男のことを思い出すことはありません。こんな口になってしまっては横笛など吹くこともできません。 自分はここでショーパブの経営者として生きるのだと心に決めたのです。 そこでダイオウイカのイカ大王に会いに行ったのです。 (otohime) イカ大王様、私たちのショーをひいきにしてくださりありがとうございます。あのショーも下火になったので新しいショーを考えているのです。どうか力を貸してください。 (ikadaiou) これは陸からきた音姫殿、ここでまた新しいショーパブを開くというのかね、それは楽しみなことだ。それでどんなショーをするのかね。 イカ大王はその大きな目を見開いて音姫を見ました。 この大きな目で見られると音姫はいつも怖気ずくのです。 (otohime) いまお見せしますわ。これです。skelton dance。 (ikadaiou) これは、hitokata骸骨、なんていい色しているんだ。深海ではこの透明感が映えるな。 イカ大王は10本の足の中の一番長い足をひらひらさせながら、その透明骸骨踊りに見いいた。 (ikadaiou) 素晴らしい、骨と骨がくっつけば色が変わるのというのはなかなかのものだ。これならみんなにうけることだろう。 (otohime) そう色が変わってより美しく見えるというのがみそ、hitokataのオスとメスはskeltonになっても恋心というものがあって、オスとメスとで反応し合うのですよ、オス同士メス同士では反応しません。 (ikadaiou) ほう、hitokataは骨になってまでな。 (otohime) hitokataは歳をとってもヲコ幻想というものがあるので、どんな年寄りの骨でもオスとメスとで反応するのです。 (ikadaiou) そんなものなのか、ところでお前さんもhitokataではないのか。 (otohime) いやですわ、わたしはもうすっかりhitokataを卒業しましたわ、顔を見ればわかるでしよ。 それよりも、大々的なショーパブにしたいので、イカ大王さんここを貸してくださいな。できるだけ多くの深海の生きものに見てもらいたいですから。 ここは非武装中立にしていただいて、お互いの食い合いはなし、その代わりおいしい食事を提供しますから。 (ikadaiou) いいだろう、非武装中立にしてあげよう。このエリアに入れば、好物のものでも食わない。そういうルールにしよう。ルールを破るとどんな奴でもみんなから食われてしまうということに。 それで、どんな料理を出してくれる。 (otohime) そうですね、近海ものの魚なんか集めてきますよ、ウミガメの卵料理なんかもできますよ。 (ikadaiou) それは楽しみだ。協力するよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.08 09:52:07
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