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カテゴリ:物語
①
第一章 edenの出来事 1.地上げ屋godがやってきた 春眠暁を覚えずというけれど、春になったら冬眠から覚めなくてはならない。どうやってその時期を知るかって、たいがいのものは腹が減ったのを感じて目が覚める。だが俺は違う、花の匂いで目が覚める。自己紹介か、俺はsnake、ヘビ。この物語の主役。蛇だと聞いて、そういやな顔しなさんな。創世記 の最初に登場するのだから、まあ特権階級というわけさ。 この話もそこから始まることになる。 いつもは花の匂いで目覚めるのだが、今回は違う。周りが騒々しいので目が覚めた。 俺は穴掘りモグラに聞いてみた。そいつが言うには、godという地上げ屋一味がやってきて、この地を買い占め、天国というのを創るのだと。それでみんなが騒いでる。 ふ~ん、そうなんだ。 俺は身震いした。まだ寒い。しかし二度寝というわけにもいかない。川で体でも洗おう。俺はこう見えてもきれい好き。 俺は長い体をけだるく動かす。タンポポお芽めまだ眠ってる。黄色いお花はまだですか。 汚れた体を洗うと気持ちいい。くしゃみ一つで寒さを飛ばし、お日様に体を包まれ、少しは気分も落ち着いた。 大きく欠伸。口が十分に開く。よしよし。この大きな口と鋭い牙があれば無敵。次に首を上下に動かす。さらにぐるっと回す。左右前後よく見える。今度はどくろを巻いていた下半身のストレッチ、伸ばして縮めて高く上げ、鞭のように降ろす。木の枝に巻きつけて絞めつける。下半身に衰えなし。満足満足。最後に大きく口を開けて閉める。これを100回やる。1,2,3,4,わぁ~なんか口に入りやがった。くせえ。なんだ。俺は上を見た。鳥だ。鳥が糞を落としやがった。臭い。いや臭いてなもんじゃない。俺は川に飛び込んだ。口を漱ぎ、うがいする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.05 22:38:01
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