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カテゴリ:物語
③
糞野郎samaelは俺の頭の中で喋り続けている。頭にくるがそれを止めることができない。俺からすれば頭に言葉が浮かんでくるだけだ。しかも俺には言っていることがよくわからない。こんなのに付き合っていられない、早く飯にしょう。メシだ。メシだ。俺は口に出して言った。そうするとあの嫌な臭いがよみがえった。俺は思わずうっとなった。頭の中で声が響いた。 作業が終わったというのにgodは浮かぬ顔をしている。全知全能の神が困った顔をしているのは見られたものではない。godは何に悩んでいるのか、この地の主を誰にするかということなのです。それはこのedenを創る前に決めていたではないか。godは言った、この星の生き物の中で知恵あるものが主になる。それは体に毛のないものである。空飛ぶもの、海のもの、体に毛のあるものはだめだ。そこでgodが選んだのはhitokataであった。姿かたちもいい。知恵もある。幹部engelたちも全員一致で賛成した。これで決まりであった。 しかしgodはいまにいたって疑いを持ったのである。hitokataは体に毛のあることを隠しているのではないかと。もしそうだとするならgodのprovidenceに反する。それはgodの愛が届かないということなのです。 snakeさん、わたしはあなたに長々と話しましたが、ここからが本題なのです。 今から本題だと、こいつはいつまで俺の頭を占拠する気だ。俺の頭も地上げした気でいるのか。 そう腹を立てなさんな。体に毛のない生きものといえば、snekeさんあなたがそうではないですか。わたしはあなたこそedenの主にふさわしいと思うのです。あなたは寒いときは冬眠し、暑くなれば脱皮する。また地を這う忍耐強さもあり、空は飛べないまでも泳ぐことはできるではないですか。godのprovidenceを受けるのは、snakeさんあなたですよ。hitokataの秘密を暴けば、あなたはedenの主になれる。 言いたいことを言いやがって、下痢のお腹のような声は消えた。 この地の主になれると言われても俺に何の得があるというのだ。あんな空飛ぶやつの言うことなんか信用できるか。ああ腹減ったカエルでも探そう。 冬眠明けのカエルはあまり脂がのってなくてうまくはなかったが、腹の足しにはなった。これで気分も少しは落ち着いた。おれは川の湿地で動かずにいた。またあいつが来ないかと上のほうばかり気になる。 俺は空飛ぶ鳥は嫌いだけど、hitokataはもっと嫌いだ。あいつらは見境なく攻撃してくる。生きものはみんなあいつらを嫌っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.09 02:39:28
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