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カテゴリ:物語
⑧
・・・samaelは俺の頭の中で相変わらず喋っている。酔いのせいか、慣れたせいか、あまり気にならなくなっている。 godはhitokataには体に毛があって、そこに「ヲコ幻想」というものを隠していると考えている。 なんだその「ヲコ幻想」というのわ。 hitokataの女と男の話し。snakeさん、あなたたち生きものではメスとオスの話し。 そんなもの、自然のprovidenceのことではないか。 あなたたち生きものにとっては自然本能。しかしhitokataにとってはそうでないらしい。自然本能から変形したものが「ヲコ幻想」となっている。 それならそれでいいではないか、あいつらは俺たちとは違っているのだから。 ああ、眠くなってきた。 それがgodのdivineの愛、それの妨げになる。そう考えて悩んでおられる。 すっかり西の方の明るさも消えて、空を見上げると天の小さな穴の光だけになっている。 おや、天の穴から水が落ちてきた。雨だ。 おれが頭の中でいうよりも早く、samaelがぎゃーと声を出した。 俺はその木のほうを見た。samaelが木から降りるというよりも、転げるように落ちた。 天の小さな穴の光はすべて消えて、その穴から水が一斉に落ちてきた。凄い勢い。 俺は木から飛び降りて、川に向かった。天からの水には川に入るのが一番である。 雨にけむってここからsamaelの姿を確認することはできなかった。・・・ ・・・あくる日は目に染みるような光で満ちていた。おれは食事を済まして草陰で休んでいた。そこへmoguがやってきた。・・・ (mogu) やあ、きのうはすごい量の水が落ちてきましたね。だれかが天でバケツを蹴とばした。それで天の穴という穴から落ちてきたんじゃないですか。こっちもだいぶ被害を受けましたよ。 ・・・moguの毛が乾ききらないで、日に当たって光っている。・・・ (snake) 今日は穴の修理なんかで忙しいのではないか。 (mogu) そうなんですがね。昨日の雨のときに闖入者がありましてね。あの変な鳥ですよ。snakeさん昨日あの鳥がここにいたのでしょ。 (snake) そうだ、あの木にとまってまた俺の頭の中に入りゃがった。あの水の時たしか木から落ちたよ、川に流されてしまったのではないかと思ったよ。あいつは空は飛べても泳げないだろうから。おぼれ死んだのならいい気味だろうとね。それが違ったということか。 (mogu) そうなんで。そいつはこっちの穴に入り込んできたということ。死にそうな顔をして、体をがたがた震わせながら。 (snake) そうだったのか。なんでそっちの穴なんかに行ったのだろう。それで今はどうしている。 (mogu) 奥の方で寝かしてますよ。高熱で、何かうわごとを言ってるんですよ。 (snake) 弱っていやがるのか。 (mogu) そうなんです。それでmogubossがsnakeさんと関係ありそうだから知らせてこいと、というわけでこっちが来たのです。 (snake) まあ知らせてくれてありがとうよ。 ・・・様子を見に行って、なんなら尻尾で絞め殺してやる。・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.18 22:32:08
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