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2024.06.26
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カテゴリ:物語

 ・・・俺は穴から出た。川に向かった。川は安全。注意深く、草の多いところを通る。途中で仲間の子供が遊んでる。気にぶら下がったり、巻き付いたり。まだまだおぼつかない。俺が手本を見せてやる。太い幹をするすると上まで登って枝の先、反対周りで体を解く。体を伸ばして空中へ、空中縦スピン。4回転半のとぐろ巻き、ぴたっと着地決まってどや顔に。みんな互いの尻尾で拍手する。俺は満足顔で後にする。・・・

・・・川に入ってのんびりする。中州に上がって一休み、フナ虫たちが迷惑顔で逃げていく。ごめんの一言もなく俺は体を伸ばす。ドジョウやオタマジャクシ、食べ物はしょぼいけど、今のままでいいではないか。あんな空飛ぶ糞野郎の言うことなんか。edenの主なんかにならなくてもいいではないか。
 夕暮れになると淋しいものだ。夕暮れはどうして空の色を変えるのだろうか。明るくなって暗くなっていく。暮れゆく空を鳥たちが列をなして飛んでいる。あいつらはどうしてあんなにきれいな列を作れるのだ。あれを見てると空を飛びたくなる。

・・・夢を見ている。ヘビは夢を見ない。俺は見ている。空を飛んでいる。平原を森を川を、さらに海を飛んでいる。大地を見つめる。うごめくものたちを見下ろす。俺は地上に降りて羽根を休める。羽根で体を抱きしめる。暖かくて気持ちいい。羽根で風を作る。涼しくて気持ちいい。これなら脱皮なんて面倒なことはいらない。
 俺は目を覚ました。元気が出た。森へ行こう。・・・

(snake)
 おーいmogu出てこい。

・・・俺は穴に向かって大きな声で呼んだ。2、3度呼んだが出てこない。また呼んだが、出てきたのはmogubossだった。・・・

(moguboss)
 何度も大きな声でうるさいね。moguに何か用かね。冬眠にはまだ早いし、冬眠穴の販売はまだ先だよ。今はトンネル工事で忙しいのだから。大きな木が根を張っていてな、掘るのが大変なんだ。みんなそっちへいてるよ。
 ああそっちはedenの中央に行きたいのだな、あの変な天使の話を真に受けてるんだ。

(snake)
 いやまあ、それは……。

(moguboss)
 あいつは水で失敗して、幹部の智天使から木の見張り番をする堕天使になっているという噂だ。そっちが行きたいというなら、ユーミンばりの中央フリーウェイができたからその木まで案内してやるよ。自慢じゃないが道幅も広いよ、そっちの体でも十分だ。
 あそこはそのうち観光名所になるよ、こっちはそれを見越して地下ウェイを作ってるの。

(snake)
 moguboss、あんたは情報通だがら聞くけれど、体に毛のないものがedenの主になると、聞いたことがあるか。

(moguboss)
 さあないね、といってもこっちは地下専門、地上のことには興味はないからね。それは自分の目で確かめるのが一番ですよ、snakeさん、案内させますよ。





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最終更新日  2024.06.26 03:53:49
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