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カテゴリ:物語
⑪
・・・俺はモグラ穴から出た。用心深くあたりを見回した。あれが生命の木、生きものたちでにぎやかだ。あっちの静かな木、あれが智恵の木か。俺は用心のために頭に大きな葉っぱを載せて、ゆっくりくねくねとその木に近づいた。 hitokataがいる。あれがevaか、まだ小娘ではないか。なにか独り言のように歌ってる。・・・ わたしはevaよ。godが創ってくれたのよ。地上で一番美しい。ここはeden、地上の楽園。わたしはきれいな花や、可愛い犬や猫、小鳥たちでここをいっぱいにするの。木になっている実もいつもおいしくいただける。ここにはね、不自由という言葉はないのよ。ただ、このedenの真ん中にある木の実だけは絶対に食べてはいけないの。godからきつく言われてる。もちろん、言いつけは守るわ。 (eva) 草むらの陰から、わたしを見ているのはだあれ。 (snake) 俺か、俺はsnake。 (eva) snake! (snake) そう眉をひそめなさんな。 (eva) あなたみたいな醜い形をしたものが来るところではないわよ。 (snake) hitokataから見れば醜いだろうが、俺は自分の体に満足しているさ。evaお前は俺が来るとこではないといったな、しかしgodが俺のことを呼んだのさ。 (eva) 嘘ばっかり、godがあなたみたいなものを、この楽園に入れるわけないよ。 (snake) そうでもないんだな、godはこのedenの主になるものを捜している。そして主になれる条件が体に毛のないものだということさ。俺はここの主になるために来た。 (eva) 何を寝ぼけたことをいっているの、このedenは美しいわたしのために用意してくださったの。snakeあなたにでもわたしの美しさはわかるでしょ。 (snake) いやそれは俺にはよくわからない。ただお前には美しくないところがひとつある。 (eva) 口から出まかせ言わないでよ。そんなのあるわけないでしょ。 (snake) いやだからgodは悩んでいるのだ。お前はまだ幼いからそれがわからないのだ。 (eva) わたしはもう十分に美しいおとなだよ。 (snake) いやいや、お前はまだ大人の知恵を持っていない。あの木の実を食べれば、それを持つことができる。 (eva) そんなことはあなたに言われなくとも分かっているわ。でもgodがedenの真ん中にある木の実だけは絶対に食べてはいけないとおっしゃっている。だからわたしは食べない。 (snake) そうだろう、あの木の実を食べたらお前は不幸になるのだ。godはそれを知っているからお前に食べさせたくないのだ。 (eva) 不幸になるだって、いい加減なこと言わないで、もう!あっちへ行ってよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.29 00:19:28
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