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2024.06.30
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カテゴリ:物語

・・・hitokataは手を使って攻撃してくるから怖い。俺は草むらを河原まで戻った。木々を避けながらだから文字通り蛇行するしかない。いきのモグラ穴を使ったときよりも時間がかかる。やっぱりあれは地下高速道だな。
 俺は道々考えた。evaがあの実を食べたらどうなるのだろう。口から出まかせで、不幸になると言ったけれど、本当にそうなのか。実際はあの実を食べればedenの主になれる。ではgodはなぜevaにあの実は食べるなといったのか。やっぱりhitokataをedenの主にしたくない。それなら俺が食べたらどうなるのか、俺はあんなもん食いたくもないが、食えば主になれるなら。しかし俺はgodからedenの主になれると直接聞いたわけではない。あの糞野郎の話ではないか。
 
 俺はそれから毎日体を鍛えた。とぐろを巻いてジャンプする練習。あの実を取るには木に登って取るより下からのほうがいい。そう考えてみるとhitokataのevaはあの実に手が届いていたのだろうか、まあ届かないとしても、やつらは道具を使うからな。・・・

・・・俺はまたあの木を目指した。草深い道を進んだ。草は色を落とし始めていた。もうすぐ冬眠の季節が来るのだろ。
 途中でカエルに出合わせた。俺のひと睨みでカエルは固まっている。いつもならここで大きな口を開けて、ひとのみなのだが、きょうはやめた。目をそらしてやった。ちょっと間があって、野郎はジャンプして逃げようとした。俺は尻尾をゆっくりと大きく振って叩き落としてやった。地面に打ちつけられて目を丸くしていやがる。俺はそれを満足げに見下ろして、舌でからめとり口に放り込む、舌をぎゆっと絞めると、きゅるると鳴き声を上げる、のどを通るときにまたきゅうと声がする。俺はその声を聴くのが好きだ。腹まで送り込むと腹の中で暴れている感触がある。俺にはそれもたまらない。・・・

・・・きょろきょろするまでもなくevaは木の下にいた。しかも物欲しそうに実を見ている。やっぱり手は届きそうにない。
 俺はげっぷが出そうになるのをこらえて声をかけた。・・・

(snake)
 やあ、evaやっぱりここにいたか。

・・・evaは秘密を見られた小娘のように顔を赤らめた。・・・

(eva)
 あなたなによ、わたしのストーカー!

・・・evaはすごい形相で俺を睨みつけた。今にも踏んずけそうな勢いで一歩こっちへ来た。俺は身を縮めた。(hitokataは怖い)・・・

(snake)
 あの実を取ろうとしていただろ。

・・・俺はいつでも跳べるように体のスプリングを利かせた。・・・

(eva)
 あなたに関係ないことでしょ、あっちへ行ってよ、このedenでわたしが何をしようと勝手でしょ。だいたいあなたは、牛馬犬猫鶏、それからキリン、サル……どう考えても最低の生きもの、ゴキブリやカメムシと同じぐらい低いね。アッハッハッハ……あら顔色がかわった、図星でしょ。

(snake)
 ゴキブリといっしょとはずいぶんなこと言ってくれるね。毛のある馬や牛より俺のほうが上、godは毛のない俺とお前、どっちを選ぶかな。俺はgodから禁断を課せられていない。evaお前はどうだ。

(eva)
 あなた、やっぱりこの実を狙ってるのね。

(snake)
 俺は木の実なんか食わないさ。だがね、カラスはどうだろう。

(eva)
 カラスなんていないじゃない。

(snake)
 おしろいをした白いカラスがお前には見えないのか。

(eva)
 そんなのここにはいないよ。いい加減なことを言ったらこれでぶつよ。

(snake)
 おっと危ない。hitokataはこれだから嫌なんだ。すぐに暴力に訴えようとする。ぶつならぶてばいい。
 eva、godはedenを血で汚してはいけないといっただろ。

(eva)
 ………。

(snake)
 カラスは化粧を落として夜にくる。闇夜に紛れてやってくる。鳴き声たてずにやってくる。羽根音忍ばせやってくる。知恵の実もらいにやってくる。そして声を上げる、天の支配者俺なんだと。

(eva)
 この実はだれにも食べさせないよ。

(snake)
 そうさ、夜には気をつけな。





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最終更新日  2024.06.30 11:24:56
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