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2024.07.05
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カテゴリ:物語
・・・雨の日が続いた。森になってからここらあたりも雨が多くなった。木々が水を欲しがっているからなんだろう。久しぶりに晴れた日にmoguが顔を出した。・・・

(mogu)
 こう雨が続くと嫌になりますね、snakeさんもじっとしたままですか。

(snake)
 まあな。

(mogu)
 もうすぐ冬眠の季節ですよ、冬眠穴をどこに掘りますか、いっそうあの中央の木のそばにしますか。でもあの辺は高いですよ。木の根が張って掘りずらいですから。

・・・冬眠か、俺が寝ている間にevaがedenの主になってしまうのか。・・・

(snake)
 なあmogu、evaのこと最近なにか聞かないか。まさかあの実を食べるとは思はないが。

(mogu)
 あのhitokataの女ですか。なんですか、いつもあの木のそばにいるようですよ。雨の日もずっといたようですよ。それで体が透けるくらい痩せたみたいですよ。

・・・雨の日にはあいつはやってこれないのに、ばかな奴だ。・・・

(snake)
 mogu、穴はいつものとこでいいよ。

(mogu)
 承知しました。毎度あり。

・・・moguは忙しく帰っていった。
冬の間にあの実は落ちてしまわないのか。あるいは俺が冬眠している間にgodの気が変わってevaを主にしてしまわないか、俺は気になった。・・・

(snake)
 やあ、evaこんにちわ。

(eva)
 何しに来たのよ、あなたが来るとこではないでしょ。

・・・たしかにevaは痩せていた。少女らしいふくよかさがなくなり、きつい顔になっている。・・・

(snake)
 ずいぶん顔つきが変わったな、寝ずの番でこれを見張ってたのか。ばかだなカラスは雨の日には来ないのに。

(eva)
 ここでわたしがなにをしようと勝手でしょ。edenはわたしのもの、あなたには関係ないこと。地面を這いつくばるものなんかにはいわれたくないわ。あなたは最低なのよ。

(snake)
 違うね、godはお前にその実を食べるなと言った。俺には食べていいと言った。どっちがedenの主になるべきかわかりきったことさ。
 おや、顔色が変わった。

(eva)
 なによ二枚舌が、godがそんなことを言うわけないよ。

・・・その時、木の葉を通して見える空の光が遮られた。俺は顔を上げた。evaもそっちを見上げた。samaelだ。あいつが羽を広げたのだ。本当はあいつがこの実を狙っているのか。
 evaは大きく肩を揺らして、目を凝らして見ている。・・・

(eva)
 白いカラスだ。あんなやつにこの実を取らせないわ。

・・・虹色の光がevaの目を射した。evaはそれを避けるように身を縮めて、そして跳び上がった。その手はその実に触れそうで届かなかった。evaは腰をかがめて俺を睨みつけた。その目は俺の目より赤い。evaの激しい息遣いが俺の耳を打った。俺は長い舌を出して顔をたたき、それに応じた。しかしevaは俺に挑みかかるのでなく、もう一度息を整え、身を低く構えてその実に向かって飛び跳ねた。足を、体を、手をいっぱいに伸ばし、その実を捕まえた。一瞬枝にぶら下がるように体が伸びた。その刹那evaは脱皮した。evaは実を手にして地面に落ちた。そして自分の体に目をやって、あっと、短い声を発して、その実を放り出した。脱皮したevaはhitokata自慢の手足を縮めて飛べない鳥のようにお尻を振りながら俺の目の前から消えた。
 俺はその後ろ姿があまりにもおかしかったので笑いそうになった。しかし俺は顔を引き締めて地面に落ちているevaの抜け皮を見つめてつぶやいた。hitokataも脱皮するんだ。腰の周りの皮はこんなに厚いのか。evaの脱皮した体を思い起こした。あのとき全身が光の中で同じ色に輝いていた。しかしその中心にある毛影を俺は見たのだ。
 空で、くっくっくとあのくぐもった嫌な鳴き声がした。samaelだ。samaelは七色の羽を日の光にに翻して狂ったように鳴いている。俺はevaの脱皮を頭に被って、その場を後にした。・・・





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最終更新日  2024.07.05 23:34:25
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