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カテゴリ:物語
⑭
・・・あの野郎は頭上で奇妙な声で鳴いていやがる。なんであんなに興奮しているんだ。あんな調子で頭の中に入ってこられてはたまらん。俺はモグラの穴に急いだ。・・・ (snake) おーい誰かいないか! (mogura) へーい、いらっしゃい。 (snake) 通してくれ、通行料はmoguにつけといてくれ、後で冬眠穴代と一緒に払うから。 (mogura) へーい、承知。 その頭に被っているのは何ですか、土除けの頭巾ですかね。こっちらもそういうのがあればいいですがね。それにしても立派な被り物だこと。 (snake) まあな、じゃ通してもらうよ。 ・・・俺は長い尻尾が早く穴に納まらないかと気をもんだ。尻尾にでも奴の糞を落とされたらたまったもんじゃない。 俺は穴に体がすっかり入って安心した。しかし狭い穴は得意じゃない。後ろから襲われるのではないかといつも不安になる。 samaelほどではないが俺も興奮している。hitokataも脱皮すると知ったからか、それともevaの脱皮した後の体に毛影を見つけたからか。 俺はこれでedenの主になれるのか、あいつに聞いてみたい気もするが、頭の中に入ってこられるのだけは勘弁だ。・・・ (moguboss) やあ、snakeさんあの木からの帰りかい、おや、頭におしゃれなものをかぶってるね。まあこっちに来て休んでいかないか。ブドウの実でも出しますよ。 (snake) それはありがたいね。ちょっと休ませてもらうか。 これか、これはevaの脱皮、hitokataも俺たちと同じように脱皮するんだね。 (moguboss) hitokataの脱皮、聞いたことがないね。 ・・・mogubossは俺の頭に鼻を近づけて、くんくんした。・・・ (moguboss) これはキツネの皮衣だね。hitokataはほかの生きものの皮を身に着ける習性があるんだよ。 (snake) ふへー、そんな習性があるのか、しらなかったな。 (moguboss) 他の生きものの匂いを身につけるというのはよくあるが、皮をつけるのはhitokataだけじゃないかな。 ・・・evaは脱皮したのではなく身に着けていた皮がずり落ちただけなのか。何のためにこんなものを、やっぱり毛影を隠すために、godに気に入られるためか。・・・ (snake) ごちそうになったな。 (moguboss) もういくのかい、冬眠するときはこのブドウの実を少し食べてからにすればいい。よく眠れるよ。少ないけど持っていきな。 (snake) ありがとよ。じゃあな。 ・・・これはhitokataの皮ではなくほかの生きものの皮なのか、言われてみればそうだな。hitokataはこんなもので毛影を隠していたのか、これではgodはhitokataを毛のない生きものと認めないだろう。それにしても他の生きものの皮で毛影を隠すなんて、hitokataは姑息な奴だ。まあそういうやつだから生きものから嫌われているのだがな。 これでedenの主は俺で決まりだな。羽根をつけてみんなの前で演説する。俺の毛のない皮が日の光に七色に輝く、そのきらびやかさにみんなは称賛を惜しまない。みんなは俺の口元に注目するから、牙はなるべく見えないようにしたほうがいい。そうだ口ひげを生やそう。牙も隠せるし貫禄も出せるだろう。 hitokataをどうする、俺がedenの主になればなにかと反抗するだろう。厄介な奴らだから手足を取って芋虫みたいにして、、ゴキブリより下に置こう。そうすればみんなが喜ぶだろう。 俺はブドウの実をちびちびなめながら、いろいろと考えをめぐらした。 あの知恵の実というのは、地面に落ちたままなのか、それともevaが取りに来たか、またまたsamaelが持っていったか、あのとき俺が持って帰ればよかった。もしevaがあの実を食べれば、悪知恵がついてgodをだます。…………そんなことを考えながら俺はブドウの実に誘われて眠り落ちてしまった。・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.07 01:16:58
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