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2024.07.20
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カテゴリ:物語

(mogu)
 snakeさん、おはようです。

(snake)
 moguか相変わらず早いね。俺はまだ眠いや、ああ~!

(mogu)
 わあ、そんな大きな口開けないでくださいよ。

(snake)
 悪い悪い。川に入って、目を覚ましてくる。

・・・川の中で俺は二三度くしゃみをして、体を震わせた。もう冬眠穴に入っていてもいい時期だ。俺は何をしているのだろう。
 くねくね泳ぎをしながら空を見上げた。空は青い。今日は日が出ているので寒くならないだろう。水の中も慣れてくると冷たさを感じなくなる。だんだんと気分が解けてくる。
 いい気分になったところで、尻尾を水面に打ち付けて、水から上がる。草で体をふいてevaの腰巻を身に着ける。もうこいつが手放せないように思える。ヘビもhitokataのように他の生きものの皮を身に着けるようになるのだろうか、そうなれば脱皮しにくくなるから、それはないか。・・・

(mogu)
 器用に水に浮くものですね。こっちなんかとてもまねできませんよ。

(snake)
 そうだろうな、そっちは穴掘り専門みたいなものだから、まあ生きものそれぞれだな。さあ行こうか。


(snake)
 おい、mogu、赤い炎の並びが見えるのが分かるか。

(mogu)
 こっちは遠目が利かないんで、ぼんやりした赤い帯しか見えません。

(snake)
 ああそれがなcherubimというengelがめぐらした火の囲いなんだ。あれがあるから俺はedenに入れない。

(mogu)
 なんでそんなことをするのですかね。

(snake)
 さあこっちにもわからない。evaのこれと関係しているみたいなんだがな。evaがこれを落としたとき、俺たちと同じようにevaが脱皮したと思ったのだがな、そっちのbossがそれはhitokataの皮ではなく、ほかの生きものの皮だというんだよな、それを身に着けている。

(mogu)
 なんでそんなことをするんでしょうかね。

(snake)
 hitokataの習性なんだって。

(mogu)
 まあ、生きものそれぞれですか。
 ここからにしましょう。

・・・俺は身を低くして、首だけ持ち上げて周りを見回した。ここならあのcherubimに見つからない。・・・

(mogu)
 行きますよ。

(snake)
 できるだけ素早くな、俺は頭だけ隠れてけつが残るというのが一番苦手なんだ。いまはあの門番に狙われているからなおさらだ。

(mogu)
 体が長いと大変ですね。あいよ、気合を入れて。

・・・俺は体が穴にすっぽりと入る感触を得て、やっと安心した。
 鼻先がmoguのしっぽにつくようにして俺はモグラの穴を進んだ。穴の幅を少しは広げたというけれど俺にとってはこういうところを通るというのはあまり気分のいいものではない。周りの変化が分からないから不安になるのである。moguはそんなことまったく感じていないだろ。これも習性、生きものそれぞれだ。・・・

(mogu)
 お疲れ。

・・・moguの明るい声と同時に光が顔を射した。満員電車のドアが開いた時のような解放感で、俺は地上に出た。俺はひと呼吸おいてあたりを見回した。そこにはevaの姿はなかった。俺はなぜかがっかりしている。あの木はどうなっている。俺はまた慎重にあたりを見回した。あのsamaelはいない。cherubimの姿もない。俺は木の方に体をにじり寄せた。見上げるともう実をつけていなかった。地面にも実は落ちていない。おれは這いずり回って探してみた。やっぱり一つだけ落ちていた。evaが取り落としたやつだ。俺は素早くそれを体とevaの腰巻の間に入れた。evaはこれを食べなかった。やはりevaがこのedenの主になるのか、しかしevaはいない。
 moguの呼ぶ声にわれに返った。・・・

(mogu)
 snakeさん、こっちですよ。みんなブドウの実を食べて楽しくやってますよ。

・・・samaelが植えたという幸福の樹の下でみんな発酵したブドウを食べていい気分になっている。以前は生命の樹に多くの生きものが集まっていたのに、今ではこちらの木に多くの生きものが集まっているではないか。・・・

(mogu)
 hitokataがいなくなって家畜が解放された。それでみんなで楽しく騒いでるんだって、今日だけは非戦、どんな理由があっても戦いなし。snakeさんもこっちへ来て楽しんでくださいよ。

・・・鳥は歌い、豚は踊る、虫けらどもはけらけら笑う。馬はいななき走り回る。犬と猫は相撲を取る。ここは解放区、みんな陽気に食べて歌おう。何が何だかわからない。俺も木を利用してヘビダンスを披露する。きっと今だけの自由なんだろう。ここに主がいないから。・・・

 こらあ!!!貴様らなにやっている。・・・やっぱりなcherubimが来た。・・・

 ここはgodの土地だぞ、勝手な真似は許さん、すぐに解散だ。

 わあ、地上げ屋godの番頭と手代たちだ。火を持ってるぞ、逃げろ、逃げろ、逃げるんだ。

(cherubim)
 これはあの裏切りengelが創った木、こんなものは焼いてやる。

・・・cherubimが腕を回すと火は木に燃え移り、一気に燃え上がった。生きものたちはそれぞれの声を上げて一斉に散ってしまった。俺も逃げなくてわ。・・・





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最終更新日  2024.07.20 05:01:55
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