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カテゴリ:物語
⑲
・・・背後に熱いものを感じる。俺はかまわず逃げる(待て)後ろから声がする。待てと言われて待つのは愛し合っている二人だけである。ここは必死に逃げる。しかしwhite engelに囲まれてしまって動けなくなる。こいつらは優しい顔で微笑んでいるが、目だけは冷ややかな笑いを含んでいやがる。俺と同じ獲物をもてあそぶときの目。俺はevaの目はどんな目だったかと一瞬頭に浮かんだ。cherubimがゆっくりと俺の前に回ってきた。俺は肩のあたりで大きく息をする。獲物を捕らえるときのように俺の頭は冷静だ。こいつらは頭の上に輪っかを浮かべてる。小engelはやはり白、cherubimは赤というより火の輪。samaelはどうだったのかと、またつまらないことが頭に浮かぶ。・・・ (cherubim) snake、あなただけは見逃すわけにはいかない。捕獲して天罰を与える。 (snake) 天罰だと、それを与えるのは誰だ。おまえか。 (cherubim) 私ではない。godだ。あなたはgodの命に背いた。だからgodその方があなたに罰を与えられる。 (snake) それならお前は俺を捕まえるだけか。だったらそんな物騒な火の輪は収めろよ。天界にも裁判はあるのだろ、被疑者が釈明できる。俺はgodと直接話すよ。あなたが毛のないものをedenの主にすると言った、だから俺にはその資格があると。現にいまedenに主はいないではないか。evaは失格、敗退したのだろ。 (cherubim) 天界に裁判所はない。全知全能godの命が絶対だ。あなたは私の命令にも逆らってこの騒ぎを起こした。私はあなたを信用できないから、この火は収められない。godはあなたをこのedenの主にするなど一言も口にしていない。いまここに主がいないことはあなたに関係ないことである。 (snake) samaelというengelが毛のないものがedenの主になれると言ったではないか、あいつはお前の仲間だろ、godの部下だろ。 (cherubim) 彼はsatanだ。 (snake) そんな、もともとはお仲間だったのではないか。だいたい俺は騒ぎなど起こしていない。 (cherubim) おとなしく縛につきなさい。私は火盗改め長谷川平蔵ではない。火を操る智天使だ。 ・・・俺はcherubimと話しながら、尻尾で後ろにいる下っ端engelの様子をうかがった。こいつらは上からの命令でしか動けないのだ。・・・ (snake) わかりましたよ、テレビドラマみたいなこと言ってないで、その火を収めてくれませんか。お前さんは我々生きものが火に弱いということを知っているのですね。それを知っていてこれ見よがしに火を振り回すなんて、パワハラそのものではないですか。 (cherubim) おとなしくしていろよ、おいこいつの口に……。 ・・・俺はcherubimが言い終わらないうちに、後ろにいるwhite engelを尻尾でなぎ倒してやった。左右にいるやつらには口を大きく開けて威嚇した。みんなよろよろと腰が抜けたようになりその場にへたり込んでしまった。俺は後方に体を反転させて一目散に逃げた。・・・ (cherubim) 逃がすか!! ・・・後方から声がして、火の玉輪っかが飛んできた。幸い草むらの上に落ちて俺の体には当たらなかった。俺は必死で逃げてmogu穴の入り口まで来た。俺は少しのためらいがあったがその穴に潜り込んだ。 プラットフォームからはみ出そうな貨物列車のような長いからだがもどかしい。ほぼまっすぐな穴を前進するのはむつかしい。俺は尻尾に熱さを感じた。やられたな。しかし後ろに引っ張られるようなことはなかった。俺は全身が穴に入ったと思われるようになってもスピードをゆるめることはなかった。出くわすmoguraどもはどけどけと怒鳴るまでもなく道をあけた。火は執拗に追ってきた。このときmoguraたちにどけどけではなく、みんな逃げろ火が追ってきているぞ、と言ってやればよかった。俺はそのことを後悔した。・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.21 08:41:42
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