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カテゴリ:物語
㉗
(kamekou) 否ですな、今は別のところに隠しているだす。男があれを開けてはだめなら、そのほうが合理的だと考えたのだす。音姫様の純情からきたこの仕事は矛盾してるのだす。玉手箱を開けたという報告を持って帰ったならば音姫様を悲しませることになるし、もしかして責めを受けることになるかもしれないだす。男が開けなければわしはここにずっといることになるだす。わしは故郷に帰れない。だからわしは決心したのだす、別のとこに隠そうと。そしてそうしたのだす。故郷に帰りたいだす。 (snake) そうだ、開けてはいけないものを、開けるのを待っているというのは矛盾してる話だ。evaと同じだ。故郷に帰りなさい。 (kamekou) ところがですね、甲羅がこんなことになってしまっては帰れないだす。 (snake) 甲羅がないとだめなのか。 (kamekou) 当たり前でしょ。裸で帰れというのだすか。 (kaeru) これは陸ガメの甲羅だろ、これでいいのか。 (kamekou) もう仕方ないだす。これで我慢します。snakeさん首抜けないのですか。 (snake) 俺だって抜きたいよ、このままでは冬眠もできない、寒いよ。 (kamekou) では、わしとい一緒に行きますか、海の水は以外と暖かいですよ。 (kaeru) おい待てよ、これはおいらの住処なんだぞ、おいらここでひと冬過ごすつもりなんだ。勝手なこと言われたら困るな。 (kamekou) 話しがややこしくなったのはあなたのせいなんですよ、公房の友達さん。 (kaeru) だからおいらたち友達なんだろ仲良くしようよ。 (kamekou) まあいいでしょ、あなた海水大丈夫ですか、溶けたりしないでしょうね。 (kaeru) 大丈夫だよ、ナメクジみたいに言わないでくれよ。 (kamekou) ではみんなで行きますか。ところでsnakeさん、あの実はどこにあるのですか、あれを持っていけばあなたたち歓迎されますよ。 ・・・kamekaeruコンビはあの実を取りに出かけた。俺は不自由な身になってしまったが、どうせもうedenにはいられないのだから、あのkame野郎の話に乗るしかない。・・・ (kaeru) 確かに実がたくさんあったよ、ついでにmoguraの死体の燻製もたくさんあった。おいらにとっては気持ちのいいものではないが、貴重な食料になるから運び出さなくてはならない。 (kamekou) あれだけの食べ物があれば十分だす。 (kaeru) そうだ今は栄養をつけなくてはいけないよな、おいらたちの新しい門出だ。みんなで乾杯しょうぜ。食おうぜ。 snakeさんそんな赤い目で見つめないでよ、怖いじゃないですか、あんたのおかげで食料も確保できた。感謝してますよ、今日からおいらたち仲間なんだから、もっと喰いなよ、明日からはみんなで力合わせて旅立ちの準備をしなくてはならないのだから。おいらみたいなものに偉そうに言われて腹も立つでしょうが、あんたも体が不自由なんだからそれは我慢してよね。 ・・・俺は食ったね、酔ったね。眠くなってきた。・・・ (kaeru) おいkamekou、snakeのやつ、顔が真っ赤になってきた。もう少しで眠ってしまうぜ。そうしたらひと仕事だ。お前も手伝えよ。 (kamekou) 何をしますのだす。 (kaeru) ほら、目がとろんとしてきた。もういびきをかき始めているぞ。さて仕事を始めるか。kamekou表に出て木を拾って来いよ。 (kamekou) なにするだす。 (kaeru) あの野郎の牙を抜くのさ。あんなものを見せられたら、一緒に旅できないよ。今はおとなしくしているが、いつ本能に目覚めて襲ってくるかわからない。お前だって喰われてしまうぞ。だから今のうちに牙を抜いちゃうのさ。 (kamekou) 取ってきますけどどうしますんだす。 こんなもんでどうだす。 (kaeru) この木がちょうどよさそうだ。まあ見ときな。 よだれ垂らしてよくねているよ、こんなやつでも寝顔は可愛いものだ。まあ顔の長いこと。こんなに長いから、大きな口が開くのだな。 気合を入れてやらなくちゃな、命がけの仕事だからな。 やい起きろ、起きろ。 (snake) うおー痛い。寝ているすきに頭を何発もどつきやがったなもう勘弁ならない殺してやる。 (kaeru) やれるものなら…やってみな。おらやっぱり大きな口を開きやがったな。いまがチャンス、この木を口に入れてやる。 (kaeru) どうだ、開いた口がふさがらんというやつだ。 ふう…しかし危なかったなもう少しであの牙の餌食になるとこだった。 どうだ木がつっかえ棒になって口が閉まらないだろ。どうだなんとか言ってみろ。 (snake) あう…あう…あう。あ、あ、うう……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.12 01:20:14
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