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カテゴリ:物語
㉚
・・・俺たちはそれから船の旅に出る準備を急いだ。もう寒い時期になっていた。kaeruもおとなしく働いた。筏が完成すると、evaの腰巻を帆にした。これは思いの外丈夫で十分に風を孕んで航行に役立った。 俺たちの旅は順調だった。川の流れと風にまかしておけばよかった。俺は外はよくみえなかったが昼は太陽を仰ぎ、夜は星を眺めるという生活は新鮮であった。寒いのだけは身に堪えた。この間俺たちはあまりしゃべることはなかった。・・・ (kaeru) なんか白いカラスがついてきているみたいなんですがね。 (kamekou) わしも気になっていただす。沿岸にときどき姿を見せるんですよね。あれは同じやつですよ。厚化粧の夏ガラスが冬に迷い込んでるだすかね。 ・・・samael、そう思った瞬間嫌な臭いが頭によみがえった。舌打ちする間もなくsamaelの声が頭に響いた。・・・ (samael) snake久しぶりですね。あなたもいろいろあったようですな。でもその被り物は笑えますよ。そんなとこに首を突っ込むなんて、あなたも見かけによらずお人よしなんですね。 (snake) うるさい!みんなお前のせいだ! (samael) 大きな声を出すものだから仲間のkaeruさんがびっくりしてるではないですか。 (snake) お前はgod一味を首になったのだろ、もう俺にまとわりつくな。 (samael) 首になったのではない。やめたのだ。まあ退職金もないからどちらでもいいが。 (snake) そうよな、そんなことはどっちでもいい。お前は俺にうそを言ったことだけは本当だ。…まてよ、お前はsatan一味に鞍替えしたというではないか、それでまた俺をたぶらかしに来たのだな、もうっそんな手に乗るか。 (samael) わたしがsatanに再就職したって、cherubimuが言ったのか。まあレッテル貼りをしたがる組織だからな、わたしをsatanにしたほうが、彼らの都合がいいそれだけよ。わたしはsatan一味ではない。free agent angelだ。 (snake) もういいから俺の頭から出ていってくれ! (kamekou) snakeさんどうしただすか。大きな声を出して。 (snake) すまない。筏をもっと岸から離れたとこを通せないか。 (kamekou) そうですね今は無理ですが、もうすぐ大きな川にでますよ、そしたら岸から離れていけますだす。船酔いだすか。 (snake) 頭が痛いんだ。 (kaeru) 休んでいてくださいよ。 (kaeru) わあ、広いとこに出た。海か! (kamekou) いやこれはまだ川だす。大きな川でおます。 (snake) kamekou白ガラスの姿は見えるか。 (kamekou) わしは遠目はききませんが、見えないようですな、kaeruさんどうだす。 (kaeru) 岸からだいぶ離れていますよ、木の上のカラスなんかわかりません。 ・・・俺はそれを聞いて安心した。この先海に出て竜宮島につくだろう。それまで俺は眠りたい。このedenの章はここまでだ。俺はここに登場して疲れただけ。次回からは竜宮の章だそうだ。少しは面白くしてもらいたいものだが、どうなることやら俺には分からない。また付き合ってくれる人がいればそれは幸いであるが・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.24 17:50:55
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