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オンヌットのカルフールにあるTOTのカウンターに電話料金を払いに行ったついでに、ADSL(High Speed Internet)について聞いてみた。ダイアルアップ接続の遅さに我慢がならなくなっていた。たまたまコンドミニアムの入り口でBuddy BB(プリペイドカード式のADSL)のプロモーションをやっていたので、申し込んで600バーツの接続キットを購入したのだが、ADSLの空きが無いという摩訶不思議な理由でキャンセルされてしまった。だったらプロモーションなどやらなければいいのに。そこでTOTならどうだろうかと思ったわけだ。
おばちゃんがタイ語のパンフレット(ただのコピー)を見せてくれた。同居人のKに読んでもらうと、個人向け1Mbpsの契約で月額1000バーツだという。日本に比べて割高ではあるが、この国の通信事情を考えると仕方がない。契約することにした。すると、別のパンフレット(これもただのコピー)を取り出してきた。ADSLモデム 100バーツ ブリッジ付きモデム 500バーツ ルーター付きモデム(4PのLAN) 1,000バーツ ワイヤレスモデム 2,000バーツと英語で書かれている。どうせなら無線LANがいい。すると、在庫が無いという。いつ入る?わかりません。たぶん来週… じゃあまた来る。タイ人の予想ほどあてにならないものはない。何の根拠もないからだ。 一ヶ月近くたってから、カウンターに行ってみた。おばちゃんは覚えていたようだ。ワイヤレスモデムは? ありません。来る予定は? わかりません。 普通に考えれば、自分の店の商品の在庫が無く、入荷時期も不明では、客に対して申し訳なく思うのだろうが、おばちゃんは、それがどうしたというような態度。私が悪いんじゃないもん。何を言っても無駄だろう。無線ルータはバンディプ・プラザにでも行けば買えるはず、電話回線の所有者である同居人のKに契約してもらうことにした。パンフレットに1Mbpsが二つある。どう違うの?個人向けと会社(事業所)向けです。だったら枠線の位置が間違っているんじゃないの?だれも気付かないのか… 契約したのは良いが、パンフレットの一枚もくれるわけじゃない。金曜日に開通するから担当者から電話が行きます。ユーザーアカウントとかパスワードくらいはあるんじゃないの?担当者に電話で聞いてください。 日本なら分厚いマニュアルが付いてきそうなものだが、こんなんで大丈夫なんだろうか。おばちゃんはDSLの知識がないらしい。インターネットにつなぐと電話が使えないとKに言っている。TOTだけ特殊なわけないだろうに… バンディプ・プラザに行った。「エロビデオ!」と声をかけるニイちゃんたちを無視し、二階の店でワイヤレス・ルータ・モデムを探す。簡単に見つけた。店のニイちゃんにTOTのADSLに使えるか訊ねると、使えるという。裏側の電話ケーブルのジャックを指差し、これがあるから使えるという。モデムなんだから電話ケーブルが繋げるのは当たり前の話で、プロトコル等の設定が出来るか聞きたかったのだが、そういう知識はないらしい。商品知識に乏しい店員というのは珍しくない。他の店をさがす。 インテルの作業着を着たニイちゃん。このモデムはPPPOEをサポートしてるから、TOTに使えますという。まともな答えが返ってきてうれしい。スプリッタはあるの?ありますよ。付属してます。値段は2,700バーツだという。少し高いけど、セキュリティの高度な設定ができると説明してくれる。このニイちゃんは少し信用できそうだ。買うことにした。Zyxel社の P-660HW-T1 V2 という機種だ。IEEE 802.11g に対応している。 金曜日、TOTの担当者から電話が来た。開通したという。ユーザーネームは"電話番号@goldcyber"で、パスワードは電話番号と同じだという。セキュリティーも何もあったものではないが、電話回線に1対1で対応しているから秘密にしても意味が無いのだろう。ルータを箱から取り出した。ACアダプターが馬鹿でかくて、コンセントに差し込んでも自重で抜け落ちてしまうというのは間が抜けている。 とりあえずPCにLANケーブルでつなぐ。電源スイッチを入れると、間もなくDSLランプが点灯した。確かに開通はしているようだ。設定画面を呼び出す。LAN側はデフォルト値でOKのようだ。管理者パスワードでログインし、WAN側の設定をする。ユーザーネームとパスワードを入力。他にも設定項目はあるのだが、TOTから何もデータがないので設定できない。ModeはRoutingでEncapsulationがPPPoEなのは分かるが、他はデフォルトのままで良いのだろうか。心配したとおりモデムのINTERNETランプが点かない。 同居人のKに、TOTの担当者に電話してもらう。設定値を教えてくれるよう頼むのだが、Kはネットワークの知識がないので話が通じない。別の電話番号を教えられる。Kが電話すると、モデムを持って来いという。どこに?オンヌットのカルフール。TOTのカウンターで尋ねると、担当者を呼び出してくれた。カウンターのほかにオフィスがあるらしい。技術者らしい中年のタイ人、カウンターにあるパソコンにモデムをLANで繋いでいる。管理画面を呼び出せず四苦八苦してる。付属の簡単な英語マニュアルを読んでいるが、英語は苦手らしい。聞いてもらえば簡単に答えられるのだが、それはプライドが許さないのだろう。非常に不安になる。時間がかかりそうなので食事に行くことにした。 TOTのカウンターに戻ると、彼の姿は無かった。モデムも無い。呼び出してもらうと、しばらくして彼がモデムを持って現れた。うまく行ったという。メモ用紙にWANの設定値が書いてあった。MultiplexingはLLCで、VPIを1、VCIを32に設定したらしい。やはりデフォルト値ではダメだったわけだ。しかし、それならそれで、契約時に何らかの技術情報をユーザーに与えるべきではないのか。念のためTOTのWEBサイトを見たが、それらしいサポートページはない。まったく、いい加減なものだ。他のユーザーはどうやって設定したのだろう。全員がここへモデムを持って来るわけではないだろうに… 帰ってモデムに電話ケーブルを繋ぎ電源を入れると、しばらくしてINTERNETランプが点等した。LANケーブルでパソコンに接続して管理画面を見ると、彼のメモ通りの設定値になっている。ところが、なぜかWebサイトにつなげない。メールの受信も出来ない。試しに某プロバイダのメールサーバにIPアドレスを指定してPINGでパケットを送ると、完全に返ってくる。確かにインターネットには接続している。しかしドメインで指定すると返ってこない。これはDNSサーバへの問い合わせに失敗しているからだろう。 ふと気がついて、ファイア・ウォールソフト"ZoneAlarm"の設定を確認してみる。LANと無線LANのインターフェースががインターネットゾーンに区分されている。インターネットゾーンのセキュリティーは高で、詳細設定を見ると「高設定の場合にインターネットゾーンでの外部へのDNS/DHCPの許可」にチェックが入っていない。チェックを入れると難なくインターネットにつながった。DNSサーバへの問い合わせがファイア・ウォールで止められていたわけだ。 無線LANの設定はあっけなく終わった。これでコンドミニアムの部屋のどこでもインターネットが可能になった。試しに日本のサイトでスピードを計ると、調子の良いときは800Kbpsほど出ている。日本のADSLと比較にはならないほど遅いくせにHigh Speed Internetとは呆れるが、1Mの契約でこれなら、上等だろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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