カテゴリ:徒然
また1人、仲間がプロジェクトから去っていきました。
長期間にわたる極度のストレス状態は、身体だけでなく心をも蝕んでいきます。 6月からの4ヶ月半で、8人の仲間のうち既に4人が去りました。 30代の若い人から40代後半の働き盛りの人まで年齢層は様々ですが、皆プロとして第一線で活躍してきた戦友達が、心を患い出社不能に陥っていきます。 顧客の幸せと自らの利害がトレードオフの関係になった時、彼等は迷わず顧客の幸せを選択してきました。でもそんな奉仕の気持ちが相手には伝わらないことがよくあります。 健全な森を守る事と、そこに生きている全ての命を護る事とは必ずしも一致しない。でも、そこに暮らす個々の命との対話のなかから森の行く末を決めねばならない。 やがて芽生えてくる「自分がやっていることへの疑問」が作り出す闇に飲まれていきます。 ビジネスとして割り切れない自分を責める者もいます。思いっきり浪花節になってしまって、淘汰される命と共に自らも消えていく者もいます。 「Oyajiさんは強いですねえ」とよく言われます。 「Oyajiさんは鬼ですねえ」ともよく言われます。 実際は強くもなければ鬼でもありません。毎日毎日押しつぶそうと襲ってくる強大なその圧力を、こっそりと受け流しているだけなんです。 ガッシリと力強く受け止めている彼等を見ていると、頼もしいと思う反面、とても心配になります。 そんな彼等にOyajiは毎日声をかけています。頑張りすぎちゃダメなんだと諭します。でも救う事がなかなか出来ない。 「この資料一枚に、顧客は大金を払っているんだ」というプロ意識が彼等を眠らせないんです。真夜中までかかって、何日もかけて作り上げたドキュメントを残して、彼等は心の傷だけを持って帰って行きます。 月曜日になればまた新しい戦士が送り込まれてきます。そしてプロジェクトは何事もなかったかのように淡々とWBSの上を走ってゆきます。 心の健康は何よりも優先されなければなりません。しかしながらどんなに鍛えても万全ではないのです。小さなほころびが大きな自己疑念に変るのに時間は要りません。それはいつの間にか芽生え、気づいた時には手の施しようがないくらいに広がって、心を覆いつくしています。 無力な自分を呪う言葉すら見つけることも出来ず、Oyajiは笑顔を浮かべながら前線に送り込まれてくる新たな魂を迎えるしかありません。 心は仏の智慧に遊び、肉体は俗世の眼耳鼻舌身意を愉しむ。そんな生活スタイルを手に入れたいと願う自分は俗物以外の何物でもないのですが、そんなOyajiが救えるものなら救ってあげたいと思う昨今なのです。 今日のタイトルは般若心経の一部です。 「あらゆる苦しみを取り除き真実にして虚妄ならざるもの」それを会得したいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.17 10:06:14
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