カテゴリ:徒然
昨年は各所でデング熱を発症した人が出て大騒ぎになりました。
今年は早くから各地の主な公園などで蚊の採集とウィルス検査が行われているようです。 昨年は庭先に置かれた睡蓮鉢や庭園の池が、デング熱報道で過敏になった近隣住人の手によって無断でひっくり返されたり、あるいは正体不明の薬品を無断で投げ込まれたりという事件が起きたのだそうな。 「お前のところの水溜めから孵った蚊でデング熱にかかったらどうするんだ!!」 という危機感に取り憑かれて、疑心暗鬼になってそこらじゅうの池と言わず桶と言わず、とにかく近隣で心当たりの水が溜まっているところには無差別に殺虫剤をブチ込んで回ったようなのです。 何事も冷静な判断をお願いしたいところですが、耳慣れない病に対する恐怖感と一種の正義感が結びついて、日頃から特に何もすることもない人達が自身にも行使可能な社会貢献だとばかりにいきり立って、留守の多い平日の日中に、他人の敷地だろうが公園だろうがお構い無しに毒を撒いて回っているのだとしたら、こうれはもう世も末なのであります。 まさにゲリラ爺の蜂起であります。 ところがそういう血気に逸った人のご自宅の庭先に置かれた盆栽の鉢皿に常に溜まっている水の方がよっぽど発生源に成り得るのですが、灯台下暗し、よもや自らの足元に災いの芽があるなど想いも及ばぬほど頭に血が上って、もはやみさかい無しなのであります。 我が家の場合は自宅屋上にあるのでそのようなゲリラ被害には遭っておりません。ビオの存在すら近隣には知られていないので、非常に安心なのであります。 そもそもボウフラなんてものは常日頃腹を空かせたメダカたちには格好のご馳走で、孵ったそばからたちどころに喰われてしまうわけで、昨年夏もボウフラが湧いているところなど毎日観察していて見たことがありません。 卵を産みに来る蚊を水の匂いで誘引し、腹を空かせたメダカがウヨウヨの池に産卵させて一網打尽にしていると考えれば天然の撲滅装置と言えなくも無いわけで・・・・まあそんなゴタクなど聞く耳など持たず「俺の殺虫剤を入れさせろ」と来るのでしょうかねえ。 さて、昨年夏はこのデング熱騒ぎで代々木公園をはじめ各地の公園で薬剤散布が行われたわけですが、散布シーンはテレビの報道などで何度も目にしました。 まるで除染作業者の防護服の如き重装備で大量の薬剤が一斉に撒かれたわけですが、驚いたことに都民には事前に薬剤散布の通知がなかったケースが散見されたそうです。代々木公園も然り。 行政側によれば、報道機関には知らせたので問題なしとしたとの事。 撒かれた殺虫剤の名称や濃度などについても、行政側自体は詳細を把握しておらず、「緊急的に行ったので業者に任せた。詳細は業者に問い合わせてくれ」などとにわかには信じがたい弁。 散布した業者によれば、代々木公園に散布したのはエトフェンプロックス(トレボン)を主要殺虫成分とする「サニタリーEP水性乳剤」という薬品だそうで、2回目の散布は濃度を規定の最高値(50倍希釈)で撒いたとの事。 これ、実は甲状腺異常の発症や発癌の疑いのある薬品で、農薬としても使用されている成分なのだそうです。まあ人体にまるで影響の無い殺虫剤なんてそもそも効き目も怪しいのですけど。 恐ろしいことに成分は農薬と同じでも、消毒として使用したので農薬散布の手順には当てはまらなかったとのこと。つまり農薬散布であれば事前の告知が必要だったり残留期間が経過して危険がなくなるまで散布地への立ち入りは許可されませんが、代々木公園の場合では告知もなくいきなり散布し、散布時だけ立ち入り禁止にして翌日には一般開放しているのであります。 都によれば「農薬散布じゃないから詳細な規定がない」との事だそうで。 行政がゲリラ的に毒物を市中散布して、後は知らん顔・・・・・他人の庭の池に毒を放り込んでいく人々となんら変わりはありません。 今年も各地で農薬が大々的に撒かれるのかもしれません。そうなればそれに刺激された一部のゲリラ爺たちがまたもや自家調達した得体の知れない薬品をところかまわずばら撒く無差別テロ攻撃に出るでしょう。 庭に置かれた子供用プール、ガーデンシンク、池、公園の水飲み場などなど、場合によってはデング熱より危険がいっぱいなので、ゲリラが潜伏している可能性のある地域にお住まいで特に小さいお子様が居る場合は注意が必要です。また、庭に噴水や池、プール、水鉢などを置いている場合は薬物の投下に警戒が必要です。 だれが、いつ、どこに、どんな薬品を、どれだけ撒いたか、或いは撒きに来るかわからない・・・・・でも撒いている本人は善行のつもりだから始末が悪い。 実に恐ろしい話なのであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.05.25 13:37:04
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