ロードのコンポ
昨日、DURA-ACE7900のことにちょこっと触れましたが、なるほど世界に誇るSHIMANOの最高級グレードですから価格もかなりのものです。 Oyajiの仕事仲間で自転車購入を検討している某君にはDURAかアルテグラを勧めていますが、SHIMANOのカタログを見つつその価格の幅広さにちょっと驚いているようです。 105からアルテグラの価格差とアルテグラからDURAの価格差の乖離に、DURAが異様に高価であると感じているようです。 確かにDURAは高い。無理して買うような代物ではありません。ただ、彼の場合は価格そのものに驚いているのではなく、その価格差に驚いているようでした。 また、初心者が分不相応なグレードで・・・・と気が引けているフシもあります。初心者である事を理由にグレードを下げても、いいことは一つも無いので買える範囲で一番良いものを買いなさいとアドバイスしています。グレードは高いほうが色んな意味で快適なのは間違いないと。 聞けば基準が105あたりになっていましたので(105が基本と刷り込んだのもOyajiですが)、ロードのコンポの実情についてもう少し見聞を広げていただくことにしました。 基本とは標準ではなくベースライン、つまりスタートラインのつもりだったのですが・・・言葉足らずで違った伝わり方をしてしまってはコンサル失格です(笑) さて、ロードのコンポーネントのグレード展開はフレームを除く駆動系の殆ど全てのパーツに及んでおり、シフター・ブレーキ・チェーン、ディレイラー、キャリパー、チェーンリング、BB、クランク、シュー、ハブ、フリー、ホイールに至るまでラインナップは広がっています。 そんななかで先ず初心者が気になるところといえば、シフトレバーとリアディレイラーとなります。なぜなら大きくグレードのロゴが入っているから(笑)カタチから入りたがる人にはこの辺りがかなり重要だったりします。これもメーカー戦略か? 実際はカセットスプロケットやチェーンも駆動系の性能に大きく影響しますが、チェーンそのものはグレードによる価格差が小さいので省くとして、STI(シフトレバー)とRD(リアディレイラー)とスプロケの3点で価格の比較をしてみました。 条件としては10speedとして一般に流通するものを対象にしています。 どうでしょうか。上の表はメーカー標準価格を基本にしています。海外製品は為替相場に左右されますので一定ではないですが、大体の参考になると思います。 シマノ製は実際の流通価格は製造年によってかなりバラつきはありますが、総じて10%から15%の値引きで売られていると思います。 しかしながらロードコンポの相場とはホントに恐ろしいものです。こういうムチャな(笑)金銭感覚で見ますと、アルテグラが安く感じませんか? カンパのヴェロとミラや、シマノのアルテと105の価格がそれぞれ近接しているのは、多分戦略的価格設定が裏にあるためと思わずにはいられません。単体でコンポを購入する場合は105やミラの選択は極めて少ないであろう価格設定になっています。 実際、両者の価格差はその殆どがSTIにかかる分で、RDなどは実売価格では差は2,000円を切っています。そのくせ、例えばアルテのテンションプーリーがシールドベアリング採用なのに対して105は不採用など、ハッキリとわかる形で差別化が図られています。 その点だけを取ってみてもアルテはメンテ要らず、105は要注油となるわけです。 これは完成車に組み込むためのラインナップと割り切った見方をすべきだというのがOyajiの個人的見解です。つまるところ105はもっと安くて然るべきバリエーションで、コストパフォーマンスは劣っているという見方をしています。 メーカーサイドとしては「RD単体で買うなら1つ上のアルテグラを選択して欲しい」ということでしょうか。 完成車に組み込む場合はトータルの価格で見ますからコンポ以外で微妙な価格差を織り交ぜていますから105の割高感は見えにくいですが、単体だと浮き彫りになりますね。 実際、アルテで完成車を組む場合、ホイールのグレードも上げて居る場合が殆どだと思います。結局その価格差は見えにくい。 完成車の価格が20万円とすればこの価格差は1%程度と言うことになりますが、店頭では例えばセミオーダーが可能なブリジストンのアンカーでは同じフレームでも約9万円の差となります。例(標準価格) RFX8 Equipe \260,000(105メイン) RFX8 Elite \350,000(アルテグラSLメイン) 勿論RDだけでなく、その他のコンポ(ホイール含む)も殆ど違うわけで、同じなのはフレームぐらいのものです。こうなると105製品は非常に魅力あるラインナップと見えるわけです。 105は10speedの中では最低価格です。例えばカンパのヴェローチェなどはエントリーモデルに付いているグレードですよ!これ、自転車屋が使う殺し文句ですな・・・・ さて、話を戻して、件の某君には「世界のSHIMANO」の最高グレードが、10speedのラインナップのなかで価格的にどの位置に居るのかおわかりいただけたと思います。それぞれメーカーの戦略や材質の差が価格に反映されているわけですが、DURA-ACEはこれほど「良心的な価格設定」なのです(笑) 勿論DURA-ACEにもカーボン製品はありますが、あまり一般的には流通していないので対象外としました。 それにしてもカンパ・レコードの価格は抜き出ていますね。カンパ2位のコーラスとの価格差にDURAが入ってしまいそうな勢いです(驚)これにカーボンクランクとフロントディレイラーを加えると、軽く30万を超えます。 これだけでフルカーボンのフレームにアルテグラSLをフル装備した完成車が買えちゃいます。 DeRosaのKING3辺りがレコード付けて走っているのをたまに見かけますが、あれ、160万超えてますから・・・・・・ リンク先を見ていただくと解りますが、KING3のフレーム価格が約60万。つまりホイールやコンポの合計で100万ってことなんです。 このクラスになるとフレームが主でパーツが従ではなく、その逆なんですね。 同じくIDOLだって100万超えてます。 まあ、よっぽどの金持ちかマニアでない限り、普通の人は乗れない価格ですけどね。Oyajiなら、もしタダで貰えるなら部屋に飾ります(爆) しかし・・・・悔しいほどに美しいですね・・・・ 件の某君はOyajiの熱の入ったコンサルティング(笑)に、大いに心動いた様子ですが・・・・・・・カンパに興味を持ってしまったようです(爆)シフターの使い方もシマノとは大きく違うエルゴパワーの魅力に、oyaji持参のカタログを見ただけで魅入られた模様(困)とんでもない大魔王様降臨か!! それでもケンタを狙う辺り、冷静さは失っていないのか・・・財布の中身がそうさせているのか・・・・ヨクワカリマセン。いずれにしてもヘンなところに火がついたようです(笑) ちなみにOyajiとしては完成車ではなくフレームとコンポの組み合わせで見積もりを出させるように勧めています。組み込みはOyajiが愉しませてもらうのも目論んで・・・いませんってば!