|
カテゴリ:アメリカの「さて誰でしょう?」
今日取り上げるのは、タコス・ファストフードチェーン店Taco Bell (タコベル)の宣伝キャラクターであった、Taco Bell Talking Chihuahua(タコベルのお喋りチワワ)についてである。
私が渡米した頃には既に人気があったのだが、聞いた話によれば1997年からチワワを起用した宣伝が放映され、そのメキシコ訛りの英語で喋るチワワの姿に多くの人がとりこになったそうだ。 それからというもの、ぬいぐるみやTシャツなどのチワワグッズが爆発的に売れ、チワワを飼う人が一気に増えたのも確かこの頃だという。 その所為か、ペットショップで見かけるチワワの値段が跳ね上がり、露天商でもチワワ売りを見かけるようになった。 さらには、コンピューターウイルスの一種であるHoaxとしてもその名(Taco Bell Dog hoax)が利用されたりするなど、社会現象を起こしたくらいの人気ぶりだったのも記憶に新しい。 そしてTaco Bellの売り上げも、勿論上場だったらしいのだ。 ところで、チワワがTaco Bellキャラクターになったのにはこんな逸話がある。 広告ディレクターの二人が昼食をとっていた時のことだが、ふと歩道に目を向けると、たった一匹の小さなチワワがすたすたと目の前を通りすぎていったそうだ。 二人はその姿に妙に惹かれ、新しい宣伝キャラにチワワを起用するアイディアが浮かんだという。 その二人によれば、『その時の姿は大きく堂々として見えた』らしく、そのひらめきがタコベル・チワワを生んだようである。 また、チワワはメキシコ産の犬ということもあり、タコスを中心にメキシコ風ファストフードを売るTaco Bellには、丁度ふさわしいマスコットだったに違いない。 当時は数多くのCMが次々に製作され、名言と言われるような台詞も多かったのだが、その中でもとりわけ有名なのはやはり『Yo Quiero Taco Bell(ヨ キエロ タコベル)』というスペイン語の台詞ではないかと思う。 Yoは私という意味で、Quieroが好き、または欲しいなどの意味だから、『タコベル食べたい』という意味になる。 この言葉も一気にブームになり、スペイン語に慣れ親しんだ事の無かった人達でも、この表現だけは知っている事が多かったりする。 こんな風に一世を風靡したタコベルの喋るチワワだが、2000年頃には首になってしまったのである。 その理由に、 1、売り上げに変化が見られなくなったから 2、ある団体に、メキシコ訛りを売りにするのは屈辱的だと抗議を受けた 、、、などがあげられるそうだが、チワワが首になったという話が出た時はマスコミやインターネットでも騒がれた。 実際、タコベル本社にも『チワワを首にしたらもうタコベルは食べない!』という抗議の声が届いていたらしいから、どれだけ喋るチワワが人気だったか想像して頂けると思う。 しかも数年前には、某テレビ番組の『あの人は今、、、』の特集で、このチワワが取り上げられていたから、あの時の人気ぶりは相当なものだったと気づかされる。 その特集番組で元・タコベルチワワを見た瞬間、懐かしい驚きと言うのだろうか、音信不通だった友人に再会でもしたような気持ちで、画面に見入ってしまった。 タコベルの宣伝での吹き替えが男性の声だったので、てっきり雄チワワだと思いこんでいたのだが、なんと雌チワワだったらしく、名前はGidget(ギジェット)というのだそうだ。(チワワ2匹で交代ずつタコベル・チワワを演じていたらしいが、ギジェットが主だったとか、、、。) タコベルでの仕事が過去の話になった現在でも、映画にもちょくちょく出演しているらしいが、くりくりの目に大きく先がとがった耳、そしてその愛らしさは、タコベル犬として活躍した当時となんら変わりが無かった。 それだけでなく、ギジェットとして歩いている姿も何だか大きく堂々として見え、その健在ぶりに嬉しく思ったものである。 Taco Bellで販売されていたチワワ。お腹を押すと、Yo Quiero Taco Bellなどの名せりふを喋る。 参考HP: ・Taco Bell dog http://www.everwonder.com/david/tacobelldog.html ・Taco Bell オフィシャルサイト http://www.tacobell.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アメリカの「さて誰でしょう?」] カテゴリの最新記事
|
|