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この時期になると、おもちゃの宣伝が頻繁に見られるようになるが、もう一つ頻繁に見られるコマーシャルがある。
それはToys for Tots(トイズ・フォー・トッツ)という慈善プログラムのコマーシャルだ。 このTot(Totsの単数形)には、『小さい子ども、ちび、小児{しょうに}~英辞郎on the Webより抜粋(http://www.alc.co.jp/index.html )』という意味があり、Toys for Totsを和訳すると『子ども達におもちゃを』といったような意味になる。 ~Toys for Totsの歴史~ 1947年にU.S.M.C.(United States Marine Corps ユナイテッド ステーツ マリーン コー:米国海兵隊) に属するReservist(リザービスト:在郷軍人)であったMajor William L. Hendricks(少佐ウィリアム L・ヘンドリックス)が何人かの同僚と共に5000個ものおもちゃを集め、それを貧困の子ども達に配ったのがToys for Totsの始まりだそうだ。 その活動のきっかけは、Major William L. Hendricks の妻、Diane Hendricks(ダイアン・ヘンドリックス)さんの一言であったそうだが、手作りの人形を作ったDianeさんが少佐に寄付先に届けて欲しいと頼んだ所、どこにもそういった組織や機関が見つからなかったのを機に、自分自身で始める事にしたという。 活動開始してすぐに5000個ものおもちゃを子ども達に贈ったという快挙はU.S.M.C.にも伝わり、翌年からは国内全体のU.S.M.C. Reservists部隊も活動に参加する事になったそうだ。 今やToys for Tots活動はU.S.M.C. Reservist達に留まらず、企業や団体なども協力しており、私の近所では、小売店Wal-mart(ウォルマート)にてToys for Totsおもちゃ寄付箱が設置されたり、電化製品店Best Buy(ベストバイ)ではToys for Teens(トイズ・フォー・ティーンズ)という12歳から15歳までの子ども達の為のプログラム活動が展開されている。 また、Toys for Totsのイベントやコンサート、そしてパレードなども行われる事があり、芸能人もToys for Tots活動に参加する事もしばしばだ。 ~青い服のサンタクロース~ Toys for Totsの代表的シンボルと言えば、あのウォルト・ディズニーがデザインしたというToys for Tots の文字が入った赤い汽車の絵に、Diane Hendricksさんが作ったRaggedy Ann Doll(アン人形)、そして Dress Blue Uniform(ドレス ブルー ユニフォーム。俗称Blues(ブルース))を着けた海兵隊員である。 実際、アン人形や赤い汽車の絵はおもちゃ寄付箱に飾られていたりするし、Toys for Tots 活動が行われている場所でも、つい先程観たコマーシャルの中でも、Bluesを着けた海兵隊員の姿を見かけたりする。 私はこのコマーシャルが好きで、流れる度に思わずじっと見入ってしまうのだが、小さな子どもがBluesを着けた海兵隊員に『貴方はサンタクロースですか?』と訊ね、欲しい物を書いたと見られる紙をその海兵隊員に渡した所、海兵隊員はその紙をしっかり受け取り、少年は『彼はやっぱりサンタクロースだ!』と囁きながら駆けていくという内容である。(もう一度観てみないとはっきり分からないが、そんな感じだったと思う。) 希望を持って駆けていく少年の姿には自然とスマイルを浮かべてしまうが、同時に、クリスマスの時期になると『何故サンタクロースはうちには来ないのか?』と思い悩む貧困の子ども達も数多く居ると想像する。 そういった子ども達の為にも、やはり青い服のサンタクロースは無くてはならない存在だと思うのだ。 Toys for Totsプログラムも今年で56周年、、、。 初年から2000年までの53年間で2億7千2百万ものおもちゃを集め、1億3千3百万人もの貧困の子ども達に贈られたというデータは、どれだけ沢山の子ども達にクリスマスの夢が届けられたかを物語っている。 Toys for Totsプログラムはこれからもずっと子ども達にクリスマスの夢だけでなく、希望を与え続けていくことだろう。 そして、いつの日か『何故サンタクロースはうちには来ないのか?』と悩む子ども達が居なくなる日が来るといいなと思うのだ。
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