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カテゴリ:アメリカのサービス
ある状況や場から抜け出したいが為に、タイミング良く用事がやってくることや、タイミング良く誰かから電話がかかってくることを願ったことはないだろうか。
私の場合は、例えば、主人の職場の仲間達との形式ばって窮屈な食事会や、「結構です」と繰り返し言っているのにも関わらず、ドアから一向に離れないしつこいセールスマンの対応をしている時、そして、レストランでメニューを見たら予想以上に高価なことに気づいたものの、一旦座ってしまっただけにレストランから出にくい時などである。 しつこいセールスマンに関しては、今では必ず受話器を手にしてドアに出るようにしているので、どんなにしつこくても何とか対処出来るものの、どんな状況でも「電話の受話器を手に持つ」というせこい小技を使うことは不可能に近い。 最近は特にそんな状況に会うことも少なくなってきたのだが、あるニュース番組で、「タイミング良く電話を掛けてきてくれるサービス」の存在を知った。 その名も、Popularity Dialer(ポピュラー ダイアラー)である。 ~Popularity Dialerの創始者は二人の大学院生!~ Popularity Dialer(http://popularitydialer.com/index.php)は、New York University Tisch School of the Arts Interactive Telecommunications Program (ニューヨーク大学メディア・芸能学部のITPプログラム)を専攻している二人の大学院生Jenny ChowdhuryとCory Forsythが立ち上げた事業で、ユーザーが電話を掛けてきて欲しい日と時間、そして電話番号を入力すると、そのスケジュールに合わせてちゃんと掛けてきてくれるという実にユニークなサービスである。 掛かってくる電話は予め録音されているものなのだが、種類が幾つかあって、 例えば、 1、popularity call(ちやほやコール/男性バージョン・・・男性向けのお誘いの電話) 2、female popularity call(ちやほやコール/女性バージョン・・・女性向けのお誘いの電話) 3、affirmation call(大評判コール・・・褒め言葉の連続) 4、The boss call / return to the office call(今すぐ会社に戻ってこいコール) 5、cousin in need call(いとこよ、金を貸してくれコール) 6、band practice call(バンドの練習があるぜコール) 7、male english lover call(イギリス男性から愛を込めてコール) などと、状況などに合わせて、その種類を設定することも可能だ。 上記リストのうち、4、5、6は、急な用事やどうしても済ませないといけない予定が入ったことを言い訳に、嫌な状況から余り波を立てずに逃れられることが出来たり、気の進まない予定を作らずに済むという効果がある。 実際に、第一印象で既に相手が気に入らなくて早くデートを終わらせたい時などに使ったという体験談などが個人ブログに掲載されていたのには、ちょっと笑えた。 一方、Popularity Dialerの本来の用途でもあると言われている1、2、3、7は、自分の人気ぶりを人にアピールしたい時に使え、特に1、2などは『どうしても来てってしつこくてさ、、、。友達が多いっていうのも大変だよ。』などと人気者で忙しい自分を見せびらかすことが出来るという効果があるそうだ。 どうやら若い人達の間では、今は、どれだけ携帯電話に電話がかかってくるかが人気の指標になっているという。 どうやら携帯電話は単にコミュニケーションの役割を果たすだけではないようである。 Popularity Dialerサービスのリクエストは5回まで無料(ただし、1時間に2回以上は不可)ということもあって、私も試しに1回だけリクエストしてみたのだが、録音済みの音声とはいえ、あたかもこちらが話すタイミングと長さを既に知っていたかのような丁度いい合間があり、予め録音されたと思えないほど会話が噛み合うような自然な応答ぶりでもあった。 また、話の内容もごく自然な他愛ない内容で、Popularity Dialerから掛かってきた電話に出て話をし始めても、周りにいる人達からはきっと不自然には思われないだろうと思う。 (band practice callの場合、『新しいドラマーのこと、どう思う?』などの質問や、The boss call / return to the office callの場合、会社の上司からの電話で、『コピー機から黒インクが漏れて困っているんだよ。』などと普通にありえそうな会話まで用意されていた。) ただ、これらの会話が終わると、「Popularity Dialerからの電話を受け取りたくない方は、サイト上で手続きをとって下さい。」というアナウンスが流れるようになっているので、周囲の人に聞かれないようにする注意が必要だし、今のところはネット上での受付のみとなっているので、逃れたい場面や状況が予想外のタイミングで訪れた場合には、Popularity Dialerが助っ人となって活躍することは出来ない。 今の時点では、Popularity Dialerユーザーなどからの募金やスポンサーからの資金で事業が成立しているらしいが、事業拡大計画などもあるようで、今後の発展が楽しみである。 追記: Popularity Dialerのメインページhttp://popularitydialer.com/index.phpにて録音サンプルが聞けます。(「Click on the options below to listen to the call you will receive when you use the dialer:」と書かれている文章のすぐ下に5つの録音サンプルがあります。再生ボタンをクリックするだけで聞けけるようになっています。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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