|
カテゴリ:日々の暮らしで思ったこと・気づいたこと
「ステーキ肉を中心とする生肉の配達サービス」の訪問セールスマンがうちに何回かやって来たことがあるのだが、相手が宣伝文句を言う前にいつも『ベジタリアンですので、結構です。』と適当に嘘を言っては断っていた。
その後、夫の実家に数日間滞在していた時も、同じ会社のセールスマンが来たことがあって、今度は夫が『ベジタリアンですので、結構です。』と断ったのだが、このセールスマンも前述のセールスマンも口を揃えたかのように、『それでは、鮭と鶏肉の配達サービスをお勧めいたします。』とかわしてきたのだ。 おそらくセールスマニュアルに書かれている台詞をそのまま用いたにちがいないが、例の台詞を言われた時は、改めてベジタリアンの定義について考えさせられた瞬間であった。 ~ベジタリアンにも種類がある~ ベジタリアンと聞くと、動物性食品を一切食べず野菜を中心とした食生活を送る人を連想してしまうのだが、ベジタリアンにも色々種類があるようで、ベジタリアンの流派によって名称も異なってくるようだ。 Vegan(ベーガン)・・・完全菜食主義者。肉類、魚介類、動物性抽出物(ゼラチン、エキスなど)、乳製品、卵、蜂蜜などを含む動物性食品を全く摂らない。それだけでなく、動物からとれる製品(革、ウールなど)も一切使わない。 Lacto vegetarian (ラクト ベジタリアン)・・・ 肉類、魚介類、動物性抽出物(ゼラチン、エキスなど)、卵などの食品は一切摂らないが、乳製品は摂る。ちなみに、Lacto(ラクト)はラテン語で乳製品という意味がある。 ovo vegetarian(オボ ベジタリアン)・・・肉類、魚介類、動物性抽出物(ゼラチン、エキスなど)、乳製品などの食品は一切摂らないが、卵は摂る。ちなみに、ovo (オボ)はラテン語で卵という意味がある。 Lacto-ovo vegetarian (ラクト オボ ベジタリアン)・・・肉類、魚介類、動物性抽出物(ゼラチン、エキスなど)などの食品は一切摂らないが、卵と乳製品は摂る。 Pesco vegetarian (ぺスコ ベジタリアン)/ Pescatarian (ぺスカタリアン)/ Pescetarian(ペセタリアン)・・・肉類、動物性抽出物(ゼラチン、エキスなど)などは摂らないが、魚介類は摂る。中には、卵や乳製品を摂る人もいるが、そういう人はLacto-ovo-pesco vegetarian(ラクト オボ ぺスコ ベジタリアン)と区別して呼ばれることもある。いずれにしろ、魚介類を食べるので、基本的に生き物は食べないスタンスをとるベジタリアンの分類には入らないとする声もあがっており、近年では、Pesco vegetarian (ぺスコ ベジタリアン)という表現よりもPescatarian (ぺスカタリアン)/ Pescetarian(ペセタリアン)の表現が好まれている。 Pollo vegetarian(ポヨ ベジタリアン)・・・いわゆる、Red meat(レッドミート:牛、豚、羊などの動物の肉)は摂らず、肉はあえてWhite meat(ホワイトミート:鳥肉、時に魚介類のことも指す)だけを摂る。魚介類は好みで摂る人も摂らない人もいるが、摂る人の場合はあえてPesco-pollo vegetarian(ペスコ ポヨ ベジタリアン)と区別されることもある。卵や乳製品も食べる。 Semi-vegetarian (セミ ベジタリアン)/Pseudo-vegetarian(スードウ ベジタリアン)/ Flexitarian(フレキシタリアン)・・・Pollo vegetarian(ポヨ ベジタリアン)やPesco-pollo vegetarian(ペスコ ポヨ ベジタリアン)のことを指したり、時々鳥肉を食事に取り入れるベジタリアンや、感謝祭やクリスマスなどの行事に限って鳥肉を食べるベジタリアンのことを意味する。ちなみに、Pseudo-vegetarian(スードウ ベジタリアン)のPseudo(スードウ)は『偽の』という意味があり、Flexitarian(フレキシタリアン)は『柔軟性のある』という意味のFlexible(フレキシブル)とベジタリアンを掛け合わせた言葉である。どちらにしろ、ベジタリアンのカテゴリーには入らないという声も多く、皮肉的にMeat-eating vegetarian(ミート イーティング ベジタリアン:肉食のベジタリアン)とも呼ばれたりする。 Macrobian(マクロビアン)/ Macrobiotics(マクロビオティックス)・・・マクロビオティックを実践している人のことをいう。玄米や雑穀、有機農産の野菜を中心に、豆類、海草、果物などを摂り、時に魚介類を摂る人もいる。肉類、卵、乳製品などは極力摂らず、砂糖、化学調味料なども摂らないのが特徴である。 私の周りにも何人か自称・ベジタリアンがいるのだが、知り合いの1人は美容の為にPollo vegetarian(ポヨ ベジタリアン)になったそうで、「Red meatは老化の原因」と信じており、代表的なWhite meat(ホワイトミート)でもある鶏肉を中心とした食事を摂っていたし、昔私が勤めていた会社の社長は、高血圧、高コレステロールを克服する為にPesco vegetarian (ぺスコ ベジタリアン)になり、食べるものは魚介類、野菜・果物、穀物、大豆製品のみと徹底していて、シリアルも豆乳で食べるようになったほどである。 ベジタリアンでいる理由も、美容の為、健康の為、地球環境の為、動物保護の為、または宗教柄などと実に様々だし、徹底的にベジタリアンでいる人から、ほどほどにベジタリアンな人までいるが、「何かの為にベジタリアンになりたいけれども、やっぱり肉は諦められない」という人がアメリカには沢山いるという。 きっとそんな人たちの為に、Flexitarian(フレキシタリアン)などの言葉が生まれたのだと思うが、肉が豊富な国・アメリカに住みながらベジタリアンになることの難しさは、自称・雑食の私には分かるような気がするのだ。 参考文献: Brenda Rees, “Where’s the Beef? -Vegetarian moms find pregnancy’s fine without it-”, Our kids San Antonio July 2007, P.37 ~P.38 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[日々の暮らしで思ったこと・気づいたこと] カテゴリの最新記事
|
|