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カテゴリ:アメリカの情報
アメリカ生活においての難関の一つに、『美容院で髪を切る』が挙がるのではないかと思うくらいに、美容院のことに関してはことさら困ることが多い。
まず、『I just want a trim.(ちょっと切りそろえるだけにして下さい。)』や『I want to get it thinned out.(髪をすいて下さい。)』などの決まり文句は出てくるものの、日本の美容室でもちょっと言葉を選び選びになりがちな細かいところまでの注文や微妙な表現を英語で言うとなると、いまいち上手く出来ないという言葉の壁は大きいし、それよりも何よりも、アジア系の髪を扱ったことがない美容師に髪を切らすと、とんでもないことになりかねないことも多いのである。 良く、『日本人のヘアスタイリストがいなければ、アジア系のヘアスタイリストを探せ』とか『人種に限らず、とにかくアジア系の髪に慣れているヘアスタイリストを探せ』などの合言葉のようなアドバイスを受けることもしばしばあるが、これは、アメリカの美容師の技術が足りないとか下手とかそういう訳ではなく、アジア人の髪は1本1本が太くて硬く、髪質が基本的に違うということに理由がある。 私の近所に住む黒人の方は、『黒人の髪質を知っている人にしか私の髪を切らせない』と良く言っているのだが、上記のアドバイスはそれと同じような感覚なのではないかと思う。 また、髪質のことだけではなく、「髪をすく」という技術に関してもいろいろ耳にしたりするのだが、なんでも、私の知り合いの、アメリカと日本の両国で働いたことのある美容師によれば、アメリカの美容師専門学校では「髪をすく」という技術を教授しないところもあるのだそうだ。 アメリカはどちらかというと、「ボリュームアップ」のニーズがあるので、「髪をすく」という技術は滅多に活用されるものでもなく、また、「髪をすく」経験があったとしても慣れていないことの方が多いのだとか、、、。 私もこれまでにアメリカの美容院へ足を運ぶ機会が何度かあったのだが、満足した時もあったとはいえ、髪のすき具合がいまいち足りなかったり、髪の中心部から全体的にすいて欲しいとリクエストするまで、髪の下の部分だけをすかれていたりなんていうことも度々あった。 特に私の髪は、日本人美容師でもてこずるほど「硬い」、「太い」、「多い」の3大難癖があり、日本でも美容師を探すのが難しいほどなので、特に難関だったのではないかと想像する。 「髪をすく」というのがほぼ当然の日本だと、『すいて下さい』と言うだけでも、勝手に、それでいて満足度の高いすき具合で髪を整えてくれたので、やはり日本人特有の髪に慣れているというのは重要なポイントだと思うのである。 こうした問題を抱えているのはどうやらアジア人だけではないらしく、アメリカに長く住んでいるアジア系アメリカ人もそうだと聞く。 その上、先述した髪質や「すく」技術の問題だけではなく、アメリカの美容院にもやはりピンからキリまであり、カット料金が20ドルくらいのところもあれば、130ドルのところまでと実に様々であるから、「値段が高ければ仕上がりも比例するのか、それとも、、、」などと悩むところである。 いい髪形をしているアジア系の人にどの美容室がお勧めか訊いてみるのも一つの手だ。 ~美容院でのチップの支払い~ CNN/MONEY.comによると、美容院でヘアスタイリストに支払うチップは15%から20%が相場なのだそうだ。 いつも15%にしようか20%にしようか迷うところなのだが、私の場合は、その時の満足度によるところが多い。 それは技術や髪の仕上がりに限らず、例えば、髪を切っている間、居心地がいいように努めてもらったとか、おまけとしてブローまでしてもらったとか、そういった場合にも、『また次もよろしくお願いします』という意味でレートを上げたりもするし、逆に、仕上がりは多めに見るとしても『もう二度と来たくない』と思うような経験をした場合にはレートを下げたりするといった具合だ。 余りにもひどい経験をした場合には、チップはあげなくても良いのだそうだが、幸い、そこまでひどい経験はしたことがないので、今までであげたチップの最低レートは10%といったところだろうか、、、。 ちなみに、私のカットの値段の基準は、いつも$35~$45くらいを目安にしているのだが、カット料金が$35だと、チップ率15%の場合は$5.25、チップ率20%の場合は$7なので、まずまずな場合は$4か$5、いい感じなら$6、ビンゴ!の場合なら$7か$8と自分なりに相場を決め、もし良く行く美容室なら、ホリデーシーズン前(感謝祭前、クリスマス前、正月前)にはちょっとプラスしてあげるといった感じだ。 それからアメリカの美容室には、シャンプーをカット込みの料金でしてくれるところと、シャンプーを別料金でしてくれるところもあり、また、カット担当の人がシャンプーをしてくれる場合もあれば、シャンプーを担当する人が別にいる場合もある。 シャンプー担当が別にいる場合には、シャンプー担当の人に$1~$2のチップをあげるのが良いとされている。 ~髪を切ってもらう際のコツ~ 1、切って欲しい髪形の写真を持っていく。 ネットで髪型を検索し、印刷して持っていくという手もあるし、雑誌の切り抜きを持っていくという手もあるが、『この髪型はちょっとあなたの髪質では無理かもしれない』と言われた時に備えて、違う髪形をいくつか用意しておくのもいい手だ。 『How would you like your hair today?』、『How would you like your hair done?』などと言われた時にでも、『I want a hairstyle like this.』などと言いながら写真や切り抜きを見せるだけで済むこともあるので、結構助かる。 2、センチ(cm)ではなくて、インチ(inch)で伝える。 アメリカに来て1ヶ月も経たないうちに髪を切りに行ったことがあるのだが、その時に初めて、アメリカでは「センチ」では通じないということを知った覚えがある。 アメリカでは「インチ」を使うというのは分かっていたものの、「センチ」も分かるのではないかというかすかな期待があって使ってみたのだが、結局、親指と人差し指を使ってどのくらい切って欲しいのかを示す羽目となった…。 予め、何インチと言えばいいか調べておくといいだろう。 3、シャンプーの際、水が冷たいこともあることを心得ておくとよい。 シャンプーの際、シャワー感覚で冷たい水を使われることも多いが、案外これが普通だったりする。 その旨を言えば水温を調整してくれるので、冷たすぎる場合にはきちんと伝えよう。 逆に、アメリカ人が日本の美容院でシャンプーをしてもらう際に驚くのが水温の高さだそうで、私の知り合いも行く度に、『水はもう少し冷たくして下さい』とリクエストしていたほどであった。 さて、私も“My美容師”探しの旅を開始したところで、新地に来てから1度は髪を切りに行ったものの、なかなか“My美容師”が見つからなくて困っている。 私と似たような髪質で、いい髪形をしている人を見かければ、『どこで切ったの?』などと訊けるのだが、アジア系の人口がたったの1桁の私の町ではなかなかそれも難しいところで、私の“My美容師”探しの旅もまだまだ続きそうである…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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