|
カテゴリ:アメリカの食材
一見すると「赤いセロリ」のような姿のRhubarb[ルバーブ:食用大黄(しょくようだいおう)]を思い切って購入してみることにした。
Rhubarbは、アメリカでは俗に「pie plant(パイ プラント)」と呼ばれており、その名の通り、パイにはもってこいの野菜らしいのだが、今回私が使用したレシピも『Strawberry-Rhubarb Pie(ストロベリー・ルバーブ パイ)』というパイのレシピである。 このレシピ、実は、元スーパーモデルのシンディ・クロフォードがあるトークショーに出演した時に紹介していたレシピで(雑誌『Saveur』に掲載されていたのだとか、、、。)、作りやすそうな点もさながら、Rhubarbを食べてみたいと以前から思っていた私に、『これならRhubarbも気軽に食べられるかもしれない。』と思わせてくれたレシピでもあるのだ。 初めは、見た目がセロリ似のRhubarbを、ストロベリーパイの材料にするのにも気が引けてしまったものの、においを嗅いでみると、野菜とは思えないようなほのかに甘い香りがするのである。 しかも、仕上がったパイを食べてみると、Rhubarbの嫌味のない程よい酸味がしっかりいきていて、いちごの味をちゃんと引き立てており、食感もトロリとしていて食べやすいと感じたのだが、これもパイにはもってこいの食材と言われる所以なのだろう。 ちなみに、アメリカ合衆国にRhubarbが入ってきたのは、1790年から1800年の間に、とあるメイン州の園芸家がヨーロッパからRhubarbの種もしくは根の部分を持ち帰り、そのRhubarbをマサチューセッツ州の生産者に紹介したのが始まりと推定されている。 そして、1822年頃には既にRhubarbの需要も高まり、農産物市場で広く販売されるようになったそうだが、今では、パイやジャム、サラダや飲み物などの材料として使われたり、また、キャンドルや掃除洗剤(Mrs. Meyers Spring Cleaning Kit http://www.mrsmeyers.com/SubCategoryDetail.aspx?CategoryId=41f0aaad-5f62-4818-bdf6-9a4d00c87b1b)などの商品の香りにも使用されたりと活躍の場も実に幅広い。 ただし、Rhubarbを食べる際に是非気をつけたいのは、Rhubarbの葉を食べないようにすることである。 なんでも、葉の部分にはOxalate(シュウ酸:Oxalic acid)という成分が多量に含まれているため、スーパーの野菜売り場でも、茎の部分のみが売られているのだが、時々、葉がついたままになっている場合もあるので、食べる際には葉の部分は取り除くようにしたい。(*Rhubarbの茎の部分にもシュウ酸は含まれているが、葉に比べてもシュウ酸の含有量は遥かに少なく、多量に摂取しなければ問題ないのだそうだ。ただ、リウマチ、関節炎、通風や結石を持っている人はなるべくRhubarbの摂取を控えた方がいいそうである。) ~Rhubarbの選び方~ まっすぐで全体的に張りがあり、切り口がみずみずしいものを選ぼう。 また、ルバーブには赤色だけでなく、緑色や赤紫色のものもあるが、出来るだけ色が鮮やかものを選ぶようにした方が良いだろう。 先端が割れていたり、切れ目が入っている場合は、新鮮でない可能性が高いので避けるようにしたい。 ちなみに、アメリカでのRhubarbが出始める時期は4月後半から5月の初め頃で、旬も4月から5月の間と実に短期間だが、8月後半もしくは9月まで見られる。 ~ストロベリー&ルバーブパイのレシピ~ <パイ生地> 2/3 カップ 小麦粉(オールパーパスフラワー) 1 ティースプーン. 塩 2/3 カップ サラダ油 6 テーブルスプーン 牛乳(予め良く冷やしておく) <フィリング> 1 1/4 カップ + 2 ティースプーン 砂糖 1/3 カップ 小麦粉(オールパーパスフラワー) 1/4 ティースプーン ナツメグ 1/4 ティースプーン シナモン 2 カップ ルバーブ(細めに切る) 3 カップ いちご(葉とへたを取り除き、半分に切る) 2 テーブルスプーン バター(小さく角切りにする) 2 ティースプーン 牛乳 1. オーブンを華氏400度に予熱しておく。 2.パイ生地作りからはじめる。まずは、ボウルに小麦粉と塩をふるい入れる。 3.ビーカー型計量カップにサラダ油を計り入れ、それに追加するように牛乳を計り入れる。ただし、油と牛乳を混ぜ合わせないようにすること。 4.計量カップに入ったサラダ油と牛乳を一気に2に加え、生地がまとまるまで混ぜ合わせる。生地を半分に切り分けてボールを2個作り、 少し平たくする。 5.2枚のワックスペーパー(ラップでも代用可能)にボール状になった生地を1つ挟み、生地を麺棒などで伸ばす。12インチの大きさになったら9インチのパイ皿に敷き、残りのもう1つのボール生地も同じように伸ばす。 6.フィリングを作る。1 1/4カップ分の砂糖、小麦粉、ナツメグ、シナモンを大きめのボウルに入れて混ぜる。混ぜ合わさったところで、ルバーブといちごを加え、まんべんなく混ぜる。 7.パイ生地を敷いたパイ皿に6を入れる。その上にバターをちらし、残りの伸ばしたパイ生地を被せ、下の生地と上の生地のつなぎ目を閉じていく。 8.フォークなどでパイ生地に穴を開けた後に、ブラシを使って牛乳を塗り、2ティースプーン分の砂糖をふりかける。 9.オーブンの天板にパイ皿を載せ、予熱したオーブンに入れて焼く。パイ生地がキツネ色になり、フィリングが煮立つまで約50分ほど焼く。生地の端が焦げつきそうな場合は、アルミホイルで生地の端をカバーすると良い。約1時間ほど冷まして出来上がり。 *オリジナルレシピは、雑誌『Saveur』の公式サイトに掲載されています。http://www.saveur.com/article/Food/Favorite-Flavors *計量や温度は、アメリカの単位です。 *ちなみに私の場合は、6を初めに用意して冷蔵庫に入れておき、1~5のパイ生地作りに取り掛かりましたが、この方法で作る場合には、冷蔵庫に入れている間にもルバーブから余分な汁が出てきて水っぽくなるので、パイ生地に流し込む前に少しだけ汁を切って使いました。 後記: ルバーブにも含まれているシュウ酸の害については、『東京ガスの食の生活110番Q&A』にて詳しく知ることが出来ます。 http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/note/436.html 参考HP: *Rhubarb From Rosanna Nafziger, for About.com http://localfoods.about.com/od/spring/tp/All-About-Rhubarb.htm お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アメリカの食材] カテゴリの最新記事
|
|