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カテゴリ:硬派
こんな、ニュース記事があった。
ウルフルズ活動休止の裏側でささやかれる「シビアなビジネス事情」 事実かもしれないけど、僕は首をひねった。 記事ではウルフルズ解散を計算していた、 事務所社長は商人でアーチストを売り物としか 考えていないように描かれている。 「ヤリ手」って所に僕はトゲを感じてしまうのだ。 でも、僕はこの社長に同情的である。 所属するアーチストを眺めると、商人だけでは ないのではないか。 ウルフルズ、BONNIE PINK、Superfly… 彼らは売れ筋なのだろうか? 日本の音楽シーンにすぽっと出せば、売上枚数が 稼げるのか。 違うと思う。 どうしても、はじめは耳に聞きなじみのない 音楽だ。 オリジナリティがあるといっても、いいかもしれない。 初期にお金をかけて、何度も、何度も聞き手が 音楽を聞き「ウルフルズって、いいよね」ってなる 必要があるのではないか。 コアなファンは計算できるかもしれない。 でも、現在のようなメジャーヒットは難しいじゃないかな という、人たち。 ドーム講演よりも、大阪だと厚生年金会館 大ホール、 あるいはZEPP大阪が似合うアーチストだ。 これはアーチストを貶めているわけではない。 何より、この所属アーチストは音楽に対して真摯で あり、そして、みんな歌がうまい。 僕はあるバンドマンに聞いたけど、トータス松本さんは 精密機械のように歌が上手らしい。 ライブでも、音程とピッチを外さないと。 生演奏なのに、CDのようにずれがないと。 ただね。 その上手さって、一般の音楽を聴くだけの僕にはわかるの だろうか。 わからない。 つまりは、トータスさんの実力は玄人好みである。 BONNIE PINKだってそう。 カラオケで歌うとわかるけど、一曲で音の高低差も あるし、変調だってある(ようだ)。 もともと、オペラ歌手の素養がある彼女らしい 曲なのだ。 つまり、この森本社長には、日本の音楽や ファンのためにも、このアーチストを世に 広く送り出してやりたいって、思いがあるんじゃないか。 素晴らしいものを届けるという、使命感。 そして、この社会で人に届けるのは、売り買いをする ビジネスという形が必要なのだ。 比較を出す。 (失礼な言い方をするけれども) 例えば、某AVEXが最近売り出している女性ボーカルの バンド。 僕はコレを聞いて、ちょっとむかついた。 腹が立ったし、がっかりした。 なんだか、ヒットを連発したおっさんのプロデューサーが 「まあ、こんなサウンド作れば売れるだろう」っていう、 聞き手を舐めてかかった、雰囲気がする。 MISAと宇多田ヒカル、そして、平原綾香さん、あるいは いきものがかりの吉岡聖恵が活躍するこの時代では女性の声に対する 僕らの耳はすごく肥えているのだ。 そんな舐めてかかった作り方は失礼ではないだろうか。 だから、AVEXの、おっさんと思われるプロデューサーが時代から 少しづつずれているのに、気がつかないのは悲劇でもある。 そのうち代償を払うだろうから、僕みたいな一市民の知ったことでは ないのだけど。 とはいえ、AVEXのビジネス、プロモーションではある程度の売上は 稼げるのだろう。 ぽんと、日本の音楽シーンに出して、適度なプロモーションをすれば 判ることが目に見えてるから。 みんな、かつて聴いてきた、安心感のある音楽だから。 一方、森本社長の抱えるアーチストはどうだろう。 作品の質には妥協しないだろう。 妥協しないということは、お金がかかるということだ。 ウルフルズだって、BONNIE PINKも売れないころから PVは面白かったし、お金もかけて作っていた。 「ガッツだぜ」とかは、その例だよね。 BONNIE PINKに至っては長期間の留学も許している。 費用も事務所が負担したようだ。 (関西系のTV(MBS)、ミュージックエッジでBONNIE PINKが 言っていた) 歌いたい思いもアーチストにあるだろう。 つまり、アーチスト単体をはいどうぞと のっけるだけでは、ビジネスとして極めて リスキーだ。 そして、ビジネスというのはリスキーであれば あるほど、計算高くなければならないのだ。 売れないものを売るためには、工夫が何倍も 必要なのだ。 一見矛盾しているけど、ビジネスとして難しいアーチストを 売りだすプロデューサーには有り余るビジネスセンスが 必要なのだ。 同時に、アーチストに対する、普通の人以上の情熱と 愛情だっている。 僕は思うのだ。 僕はこの社長はビジネスと、アーチストの間で苦しい 決断を迫られている人間として、写る。 やりたいことと、やるべきことに心を 引き裂かれるような人生ではないだろうか。 この記事で森本さんのビジネスマンの側面で しか捉えていないことが、残念でならない。 ※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎お仕事・ビジネス』まで お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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