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夜の八時半をまわって
みかんとれもんが部活を終え、 疲れ切った様子で駐車場に現れた。 memetiroは七時前から学校の駐車場で待機。 待ちくたびれた感はあったが、 いつもの事でもう慣れた。 「今日は七時には終わると思う。」 みかんの言葉に半信半疑ながらも、 言われた時間には必ず到着しておく。 これは、 memetiroのモットー。 普段ならダーリンがお迎え担当なのだが、 今日は時間が早い事もあり、 memetiroがお迎え担当。 予定の時間を遙かに遅れて 二人が出てきたのには訳がある。 ミーティング、所謂、呼び出しの為。 先輩方からの厳しいお叱りと注意の儀式。 先輩方のお叱りはごもっともという事もあるが、 時には納得のいかない事もある。 それでも、 反論はタブー。 その為、 ミーティングの後はストレスが満タンとなる。 そんな日の二人を積んでの我が家までのドライブは 最高に盛り上がる。 峠にさしかかると、 れもんが案の定口を開く。 「母さん、叫んでもいい?」 「どうぞ。ご自由に。」 待ってました!とばかりに二人が車の窓を全開にした。 真っ暗な峠道に二人の声が響き渡る。 れもん:「世の中理不尽な事が多いですねぇ~!」 みかん:「そうですねぇ~!」 れもん:「甘い物をたらふく食いてぇ~!」 みかん:「ケーキが食いてぇ~!」 れもん:「早く留学してぇ~!」 みかん:「美大にいきてぇ~!」 みかん:「あっしは寝てねぇぞぉ~!」 れもん:「切れるのは止めてくださ~い!やりにくいんですよぉ~!」 みかん:「嘘つくなぁ~!」 れもん:「腹減ったぁ~!」 みかん:「死にそうだぁ~!」 れもん:「月がきれいですねぇ~!」 みかん:「風が気持ちいいぞぉ~!」 れもん:「こんばんわぁ~!」 みかん:「やっほぉ~!」 memetiroは彼らの延々と続く遠吠えを聞きながら 一人ほくそ笑む。 ため込まず吐き出しなさい。 それでいい。 吐き出した後は、 自分の周りが見えてくる。 吐き出しさえすれば、 しっとりとした月が見えてくる。 ひんやりとした夜風の心地よさも感じれる。 そうそう。 痛みを感じる心と 悲しみを感じる心と 喜びを感じる心と 人を思いやる優しい心を 持ち合わせている。 だから、 どんな時も幸せ♪ memetiroは 逞しく成長していく みかんとれもんを見ているだけで 幸せ♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.27 19:27:35
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