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2007.04.25
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1992年4月25日。
あの頃、俺は1歳の赤ん坊でした。
もちろん、あなたのことなど知りもしなかった。
5歳くらいの時、初めてあなたを知りました。
「故人」というイメージしかなくて、
遠い存在でしかなかった。
しかし2006年、俺の音楽への認識が極端に変わった年、
俺の前にあなたが大きく現れた。
あるアーティストに失望しかけていた時、
他のジャンルを聴いて音楽のセンスを幅広くしようと思っていた矢先、
俺の前にあなたが現れた。
「これだ!」と思った。
古い曲だった。
今の若者には似合わない曲だった。
でも俺はしびれた。
共感した。
すごいと思った。
あなたが、どれだけ大きな思いを、
「音楽」に捧げているかが伝わってきている気がした。
今まで、俺の「音楽」は綺麗な音色でしかなかった。
だけどあなたの音楽は違った。
一つ一つの音に、一つ一つの思いが感じられた。
あなたの音楽は、音色じゃなかった。
全国、いや、世界へ向けた、メッセージだった。
古臭かった。
同級生が笑った。
でも俺は好きだった。
それでも好きだった。
好きで好きで、共感して共感して、
強いあなたの思いが伝わって伝わって、
夢中で聴いた。
あなたの音楽を、夢中で聴いた。
俺は一体、今まで何をしていたのだろう?
そう思った。
10年以上前に、音楽で思いを伝えた人がいる。
だけど今、俺はきれいごとに囚われて、何も伝えられずにいる。
ただ美しい旋律と、美しい言葉があれば、
音楽はそれでいいと思ってしまった。
だから、目覚めた。
考え直した。
音楽について、もう一度。
俺は何を伝えたいのか。
何を求めてるのか。
音楽とは何か。
ミュージシャンになって、俺は一体何を伝えていくのか。
道に迷ったティーンエイジャーに、
武器を振り回す兵士に、
希望をなくした大人に、
疲れきった社会に、
絶望が見えてきた現代に、
何を伝えるのか。
音楽で、ただ音楽だけを使って、
ちっぽけな音楽を使って、
はたしてどうしたら伝えられるのか。
あなたのように、どうしたら心に響かせることが出来るのか。
考え直しました。
片っ端から。
そして答えは出た。
綺麗を、捨てよう。
そう思った。
それが答えだった。
自分の伝えたいことを、
思いっきりあらゆる手を使って伝えて、
世界中に発信していく。
それが出来なければ、ミュージシャンをやっていく意味がない。
それに気づきました。

できれば、その気持ちをあなたに直接伝えたかった。
だけど、あなたはもういない。
1992年、4月25日は、もう戻らない。
俺が「さよなら」も言えない頃に、旅立ってしまった。
だから、今日、2007年4月25日。
もうあれから15年も経つけれど、
あなたの音楽人生が終わってから、もうそんなに経つけれど、
今だからこそ、あなたに伝えたい。
音楽とは、素晴らしいものですね。
そして、それを教えてくれた尾崎豊、ありがとう。
あなたの声は、今もきっとどこかで、
いや、確かにここで、ファンの心に響いています。
あなたの人生は異常に短かった。
だけど、納得のいく人生だったでしょう。
だって、自ら終止符をうつことが出来たんですから。
おめでとう。尾崎豊。

15年経った今も、皆が忘れられない尾崎豊に、ありがとう。
たくさんの人達を、感動させた尾崎豊の音楽に、ありがとう。
音楽に、ありがとう。
この気持ちに、ありがとう。

ここに言葉の代わりに、追悼の歌を捧げます。
皆が愛する尾崎豊へ。
「I love you」を使い古したギターで捧げます。

              Love,


                PADDLE





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Last updated  2007.04.25 19:57:37
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