車輪 vol.2
学校からの帰り道僕の脇を悠々と過ぎ去っていく女子高生が1人彼女は自転車の車輪を回してきっと次の人生の扉未来と言う名の扉へ向かっていくのだろうその車輪を見つめながら僕は1人ふと最近思うんだ空気を入れる部分が車輪が回っている間に1回2回僕が一点を見つめていると通り過ぎていくんだ神様がいるとしたらしょーもない僕のしょーもない人生の車輪を車輪が回ってる間に1回2回空気を入れる部分を見つめているのだろうそして車輪が回ってるほんの一瞬人間には見えないだろうケド神様には見えるであろうほんの一瞬に僕はこんなことを考えているんだね人生の車輪まだ漕ぎ疲れてはいないけど、そろそろ車輪にブレーキをかけてもいい頃かも永遠の車輪人って生まれ変わっていく生き物なのかもし生まれ変わりとか前世とかそういうファンタジックな現実があるとしたらそれもちょうど車輪のようにエンドレスで誰かがそれにブレーキをかけるまで回り続けていくのかもしれない誰かがブレーキをかけたところで僕の生態系、あるいは前世は物だったかもしれないその生まれ変わりのエンドレスの車輪が途切れてしまうかもしれないその時、小さい頃なんで自分には意識があるか何故この両手が動くのか何故自分は自分という人間で意識で存在しているのか死後の世界はどうなのか意識はとぶのか生まれ変わる瞬間のリセット行為はどんな感覚なのか若干5歳にして僕がかつて思っていたこんなことをその答えが、分かるのかもしれないそれはまさにアーティストになることよりも小説家になることよりも世界平和よりもいじめ撲滅よりも自分が望んでいたことなのかもしれないでは死ねば僕は幸せになれるのかと聞かれるとそれは違うと思う神様って言う確かな絶対的な存在があるとしたら彼に僕は聞きたいこのエンドレスの車輪の一部しか僕は見えませんだからこの車輪の全体像が僕は見たいのです上部に泥がはねているのかもしくは下部にはブレーキのこすり傷があるのかそんなことを知りたいのですそしてそのエンドレスの車輪はどうやって動かされているのか神様、もちろんあなたは動かしてないでしょう横で見ているだけでしょう何せ世界中にはたくさんの人生の車輪が回っているわけですからつまり自転車の形と僕の車輪と共に動かされている誰かの車輪運命的で切り離すことが出来ない後輪の姿を僕は見たいのですそれは誰の人生の車輪なのか君なのかあいつなのかそれとも僕の人生は波乱がいっぱいですからもしかしたら後輪はパンクしているのかもしれませんね僕だけの車輪自分は前輪だけで一生懸命車輪を回し自転車を動かし人生を送っているのかもしれませんねそれなら今まで嫌悪してきた自分を精一杯褒めてやりたいと思いますだってそんな頑張ってるのにさらに追い討ちをかけて蹴落とすのはどうかと思うから時々思うことがあるんです後世は何かという事ですもちろんそこらへんのガキが語ってるようなおとぎ話でもなければそこらへんの評論家が語っているようなフラスコの中の試験材料ではありません人間って言うのは不思議ですね後世が何かという話では盛り上がるのに僕を含めてその前の現世と後世の狭間の出来事については語ろうとしません死を本当に恐れているんですね上から目線で言っている感じですが僕もその1人です死が怖くて怖くて仕方ないからあらかじめ予習しておこうと永遠の車輪について深く考えたくなるんですだから或る意味いじめられて自殺する人間を尊敬したりはしています何故なら僕は死が怖いので自殺と言う言葉を辞書に入れたがらないからです自殺アレルギーなのです後世になれば僕は僕であることを忘れてしまう現世のままじゃ未来は自分は自分であるのか分からない僕は今生きている証拠を自分自身に刻んで心ごと後世に持っていきたいなんて考えるんだそれは無理な話なんだねだから僕は運命的なことを感じられるように音楽や小説で現代に名を刻みたいそして後世の僕が書店に行き僕が人間でなければ話にならないが現世の僕とのつながりを感じてくれたらそれでいいそうすれば僕はこれ以上の望みはない人は何かのために生きていく人それぞれその目的の種類も数も違う僕の場合、それが目的僕の、僕と言う名の永遠の車輪を止めないことそしてその車輪の中に運命的なつながりっていうタイヤみたいなものをはめ込んで生きたいそう、行きたいし生きたいんだ僕の人生の車輪永遠の車輪そんなものが世にあることが本当かどうかは分からないもしかしたら僕が僕の永遠の車輪のピリオドかもしれないもしそうだとしても僕は永遠の車輪の中の一部をゆっくりと、でもしっかりと回すだけだ人生の車輪の中の一部をゆっくりと、でもしっかりと回すんだそう、今この一瞬を精一杯生きることそれが今目的をかなえるために僕が最大限できることそう、生きることで行けるんだ気がついたら女子高生は数m前を走ってる僕は一瞬の間にこんなに深くたくさんのことを考えて答えを見つけ出したあの車輪も今回ってるあの女の子の車輪も今回ってる人生の車輪が回ってる僕は友達にボソッと言った「家に帰ったら、チャリの空気入れようかな」雪が降った後の冬の北風が、寒かったps;車輪の唄はまだまだ続く.......ぱどる