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旅は道連れ、二人きり2

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2007年08月05日
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カテゴリ:日常

18歳で、子持ちで、シングルマザーで、男をとっかえひっかえして、ホストクラブで遊んで、家にも帰らず、ふらふらしている女友達がいました。その子はあたしと同じデリヘルで働いていました。
笑うと八重歯ののぞくかわいい子でした。
あたしはその子が大好きでした。
2人でよく定食屋で朝ごはんを食べました。彼女は厚焼き玉子が好物で、いつもそれを食べてました。食べきれないときは2人で分け合って食べました。




彼女は薬物中毒でした。腕には注射の跡が、皺に隠れて見えました。
「薬をやめてほしい」と頼んでも、やめてくれませんでした。「これで元気がでるから、仕事を続けられるんだ」と言いました。薬をくれる人との連絡も断ってくれませんでした。
「ホストクラブに行かないで、子供の待っている家にすぐ帰ってほしい」と頼んでも、やめてくれませんでした。「これで元気がでるから、仕事を続けられるんだ」と言いました。ホストとの連絡も断ってくれませんでした。




なんとかして彼女を助けたかった私は、一緒にホストクラブに付き合うようになりました。はまってやれる泥沼なら、一緒にはまってあげたかったのです。引っ張り上げる力が無かった私には、それしか出来ませんでした。

ある日彼女が言いました、「なんでこんな私の傍にいるの」と。
「心配だからだよ」と私は言いました。
彼女はいつもの定食屋で、声を張り上げて言いました。
「あんたを見てるとむかつくのよ!……自分がみじめな人間みたいで……いやになるのよ」
あたしは自分のしている行為が彼女を傷つけていたのを知って、「ごめんね」と謝りました。でも逆上させてしまっただけでした。
「そうやってすぐ謝って……そういうあんたの行動が、あたしを一層みじめにさせてるのよ!」
泣き続ける彼女をあたしはただ呆然と見つめるしかありませんでした。
あたしは本当に、笑ってしまうぐらいの無力でした。




もしあたしが男で、泣いてる彼女を抱きしめてキスでもしてあげたら、彼女の寂しさは癒されたんでしょうか。あたしが傍にいることで、彼女を傷つけてしまっていたんでしょうか。きっと誰もが仕方が無いというでしょう、でもあたしにはいまだもって分からないのです。
自分はどうすればよかったのか、どうすべきだったのか。

自分が傍にいるせいで彼女が苦しんでいるのなら、と思ったあたしは連絡を断ちました。
それがお互いにとって良い結果になると信じて、彼女の幸せを祈りました。




しばらくして、一通のメールが届きました。
過不足ない文章です。

「突然のメール失礼します。
 このたび○○○○は亡くなりました。このメールは○○○○の母である○○○○が送らせていただいております。葬式を○月×日に行なう予定ですが、詳しい内容は電話にてお伝えさせていただきます。
 突然の訃報をお詫び申し上げます。

 番号 ○○○ー○○○○ー○○○○」

すぐに番号にかけ直すと、彼女の母親が出ました。
声が震えてうまく話せませんでした。心臓が痛いぐらいに鳴りました。
「親しい友人と親族のみで送り出したい、あなたのことはよく娘から聞いていた」と言いました。
「なんで……どうして……」と声がこぼれました。
「飛び降りで……でも事故か自殺かまだ調査中で……」
きっと薬だ、と思いました。彼女は自殺なんてするような子じゃないのです。




大学を休んで葬式に出席しました。
人数は多くなく、ひっそりとしめやかでした。彼女の実家を見るのがこれがはじめてでした。
彼女の子供を見るのもはじめてでした。
あたしが彼女にあげたプーさんのリュックを子供が背負っているのを見て、こらえていた涙がこぼれました。
離れるべきではなかった。
嫌われてもいいから傍にいてあげたかった。助けてあげたかった。
あたしは嫌われるのが怖くて逃げた臆病者でした。




それからあたしは、もう誰ひとりこぼしたくないと思うようになりました。
出来ることなら自分の身体をバラバラにしてでも、眠る時間を削ってでも、誰かが寂しくて死にそうなら傍にいてあげたいのです。
男だとか女だとか関係なく、そうしないでいられないのです。
偽善者かもしれません、自己満足なだけかもしれません。
今いるお店にもそういう子が1人います。前のあたしなら逃げていたのかもしれないけど、もう今度は絶対に離れません。
ただあたしがこういう性格なのを知ってるうえで、利用されているのならとても悲しいです。悲しいけど、人が死ぬよりはずっといい。
もうあんな思いはしたくない……








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最終更新日  2007年08月07日 06時41分01秒
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